中国
2013.12.18
12月17日の新華網は、この問題について公安部の黄明副部長のインタビュー記事を流している。以下、注目される発言を拾ってみた。
「中央都市化(城鎮化)工作会議が最近開催され、今後の都市化を推進すること、人を中心に都市化を進めること、都市において安定的に就業し、生活できる「常住人口(注 農村戸籍でありながら都市に長期居住している人)」を秩序ある方法で都市市民化する方策が討議された」
「主要な任務は、すでに都市で就業している農民を定住させること、都市戸籍の割合を漸進的に高めること、都市の基本的福祉を長期滞在の農民全員に漸進的に及ぼすことである」
「戸籍の転換自体は簡単なことであるが、障害となる問題は大きく言って三つある。第一に、都市で受けられる福祉が戸籍と関係しており、また、長い時間を経て出来上がったことであり、関連する分野が広範囲なので転換に対する抵抗が強いことである。第二に、都市といってもさまざまであり、大都市は農民を吸引する力が強く、人口増の圧力が大きいので環境、交通など都市病の程度も深刻である。第三に、グループ(群体)いかんで要求が異なるが、制度の改革は統一的に行なわなければならないことである」
「今後の方針として、小規模の都市の戸籍転換制限を撤廃し、次いで秩序立てて中規模都市に制限撤廃を広め、大都市については定住条件を明確に定めた上で実施していく。特大都市の人口は厳格にコントロールする」
「2020年までに、新型の戸籍制度を基本的に作り上げる」
以上の説明からも戸籍制度の改革がいかに困難であるかが伝わってくる。政府としてはこの問題に積極的に取り組もうとしており、改革の道筋と日程がいちおう立てられているが、はたしてこれで必要な改革ができるか。まだまだ長い時間が必要なようだ。
中国の戸籍制度改革
中国で改革が必要とされる10の問題をあげると、戸籍制度はそのなかに必ず登場する重要問題である。先般の三中全会でもその改革を進める必要性が指摘された。12月17日の新華網は、この問題について公安部の黄明副部長のインタビュー記事を流している。以下、注目される発言を拾ってみた。
「中央都市化(城鎮化)工作会議が最近開催され、今後の都市化を推進すること、人を中心に都市化を進めること、都市において安定的に就業し、生活できる「常住人口(注 農村戸籍でありながら都市に長期居住している人)」を秩序ある方法で都市市民化する方策が討議された」
「主要な任務は、すでに都市で就業している農民を定住させること、都市戸籍の割合を漸進的に高めること、都市の基本的福祉を長期滞在の農民全員に漸進的に及ぼすことである」
「戸籍の転換自体は簡単なことであるが、障害となる問題は大きく言って三つある。第一に、都市で受けられる福祉が戸籍と関係しており、また、長い時間を経て出来上がったことであり、関連する分野が広範囲なので転換に対する抵抗が強いことである。第二に、都市といってもさまざまであり、大都市は農民を吸引する力が強く、人口増の圧力が大きいので環境、交通など都市病の程度も深刻である。第三に、グループ(群体)いかんで要求が異なるが、制度の改革は統一的に行なわなければならないことである」
「今後の方針として、小規模の都市の戸籍転換制限を撤廃し、次いで秩序立てて中規模都市に制限撤廃を広め、大都市については定住条件を明確に定めた上で実施していく。特大都市の人口は厳格にコントロールする」
「2020年までに、新型の戸籍制度を基本的に作り上げる」
以上の説明からも戸籍制度の改革がいかに困難であるかが伝わってくる。政府としてはこの問題に積極的に取り組もうとしており、改革の道筋と日程がいちおう立てられているが、はたしてこれで必要な改革ができるか。まだまだ長い時間が必要なようだ。
2013.12.09
○12月3日、政治局会議で2014年経済工作を「分析研究」、全国土地調査結果を聴取。
○改革計画策定のための会議が12月9日の週に開催。非公開。12月7日、人民網
○11月末から12月初めにかけ、法輪功関連サイトは周永康と家族(特に息子)の逮捕が近いことを報道。台湾の聯合報、多維新聞も。
○中央組織部、『关于进一步规范党政领导干部在企业兼职(任职)问题的意见』を通知。新华网10月30日。
○「最近、国防大学、総政治部保衛部、総参謀三部、社会科学院、中国現代関係研究所が合同で推薦していた反米ビデオ「較量無声」は国内ですでにアクセスできなくなった」「同ビデオはソ連の解体の過程において米国は鍵となる役割を果たした」「このビデオは米国による反中国姿勢を表している」11月1日、多维新闻。
中国雑記11月初め~12月9日
○最近,人民日报出版社が『从红小鬼到总书记——胡耀邦』を出版。12月初め報道。○12月3日、政治局会議で2014年経済工作を「分析研究」、全国土地調査結果を聴取。
○改革計画策定のための会議が12月9日の週に開催。非公開。12月7日、人民網
○11月末から12月初めにかけ、法輪功関連サイトは周永康と家族(特に息子)の逮捕が近いことを報道。台湾の聯合報、多維新聞も。
○中央組織部、『关于进一步规范党政领导干部在企业兼职(任职)问题的意见』を通知。新华网10月30日。
○「最近、国防大学、総政治部保衛部、総参謀三部、社会科学院、中国現代関係研究所が合同で推薦していた反米ビデオ「較量無声」は国内ですでにアクセスできなくなった」「同ビデオはソ連の解体の過程において米国は鍵となる役割を果たした」「このビデオは米国による反中国姿勢を表している」11月1日、多维新闻。
2013.12.08
何清漣は、「習近平政権は成立して1年を超えた。その政治的傾向はしだいに明確になっており、中国の政治に幻想を抱く外国の人たちはそのことを直視しなければならない」という書き出しで、「習近平は強圧的な人物(強勢人物)である」「国内ではお世辞が多く、実際には使われないが、「専制、独裁」が鍵であり、すべての評論はこの二語をめぐって組み立てられており、習近平を毛沢東および鄧小平と対比している」「諸外国では、先入観から離れられずに中国も政治改革、民主化に向かう、問題はいつ実現するかに過ぎないと思っているが、習近平には政治改革を実行する意思など少しもない」「習近平は権力基盤が安定するのを待ち障害を除去した後政治改革に取り掛かるという見方が中国の内外にあるが、そのような見方は減少する一方である。習近平は、中国共産党はあくまで中国の特色ある社会主義の道を歩むということを世界に示している。前任の江沢民や胡錦涛に比べ習近平が態度で示したことはより大きな自信であり、政治手腕はより強勢的である」などと論じている。
多維新聞などは、習近平を祭り上げようとする傾向に注目し、「習近平を擁護し、信じ、支持することが必要とし、共産党の指導を失えば天下は大乱となる(注 習近平自身の言葉)ことなどを強調しており、「習近平を信ずれば、これからも大丈夫(得永生)」といっている感がある」「「祖国が亡くなれば何もかもダメになる(没有了祖国你将什么都不是)」と言うが、これは海外にいる子弟が偉大な祖国を思う言葉に過ぎない」「新華社電のみならず、国内の諸メディアがそのような安っぽい文章を頻々と流しているのを見ると、心配になる。中共内部でまた新しい「造神運動」でもあるまいし(难道中共党内又开始了新一波“造神运动)」。
この他、中国では「天命論」「公僕論」と呼ばれる議論もあるそうだ。前者は社会主義中国を天命とし、後者は官僚は公僕であることを強調するもので、いずれも習近平あるいはその取り巻きが重視することを揶揄っているようにも解される。
習近平の政治姿勢
最近、習近平の政治傾向を論じる評論が散見される。12月3日の多維新聞、6日の何清漣論文(『文摘』への寄稿)などもその例である。何清漣は、「習近平政権は成立して1年を超えた。その政治的傾向はしだいに明確になっており、中国の政治に幻想を抱く外国の人たちはそのことを直視しなければならない」という書き出しで、「習近平は強圧的な人物(強勢人物)である」「国内ではお世辞が多く、実際には使われないが、「専制、独裁」が鍵であり、すべての評論はこの二語をめぐって組み立てられており、習近平を毛沢東および鄧小平と対比している」「諸外国では、先入観から離れられずに中国も政治改革、民主化に向かう、問題はいつ実現するかに過ぎないと思っているが、習近平には政治改革を実行する意思など少しもない」「習近平は権力基盤が安定するのを待ち障害を除去した後政治改革に取り掛かるという見方が中国の内外にあるが、そのような見方は減少する一方である。習近平は、中国共産党はあくまで中国の特色ある社会主義の道を歩むということを世界に示している。前任の江沢民や胡錦涛に比べ習近平が態度で示したことはより大きな自信であり、政治手腕はより強勢的である」などと論じている。
多維新聞などは、習近平を祭り上げようとする傾向に注目し、「習近平を擁護し、信じ、支持することが必要とし、共産党の指導を失えば天下は大乱となる(注 習近平自身の言葉)ことなどを強調しており、「習近平を信ずれば、これからも大丈夫(得永生)」といっている感がある」「「祖国が亡くなれば何もかもダメになる(没有了祖国你将什么都不是)」と言うが、これは海外にいる子弟が偉大な祖国を思う言葉に過ぎない」「新華社電のみならず、国内の諸メディアがそのような安っぽい文章を頻々と流しているのを見ると、心配になる。中共内部でまた新しい「造神運動」でもあるまいし(难道中共党内又开始了新一波“造神运动)」。
この他、中国では「天命論」「公僕論」と呼ばれる議論もあるそうだ。前者は社会主義中国を天命とし、後者は官僚は公僕であることを強調するもので、いずれも習近平あるいはその取り巻きが重視することを揶揄っているようにも解される。
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