4月, 2024 - 平和外交研究所
2024.04.26
「我々は、南シナ海における中国の危険かつ攻撃的な行動について、深刻な懸念を表明 する。我々はまた、南シナ海における埋立て地形の軍事化及び不法な海洋権益に関する 主張を懸念している。我々は、南シナ海における海上保安機関及び海上民兵船舶の危険 で威圧的な使用、並びに他国の海洋資源開発を妨害する試みに断固反対する。我々は、 危険で不安定化をもたらす行為となる、中国によるフィリピン船舶の公海における航行 の自由の行使に対する度重なる妨害及びセカンド・トーマス礁(注 これは英文名。フィリピン名はアユンギン礁)への補給線への妨害に対 して、深刻な懸念を改めて表明する。最終的かつ法的拘束力を有する、2016年7月 12日の仲裁判断は、この地形(this feature)はフィリピンの排他的経済水域内にあると決定しており、 我々は中国に対してこの判断を遵守するよう求める。」
今次会談により日米比の3か国が共同で中国と対峙する構図が鮮明になったといわれている。これまでは、大まかに言えば、南シナ海のほぼ全域を自国の領域と一方的に主張する中国に対して、南シナ海は公海であり、どの国にも航行の自由が保障されなければならないとする米国とフィリピン、ベトナム、インドネシアなど南シナ海を取り巻く東南アジア諸国が個別に協力する形で南シナ海における安全を確保してきた。
今次会談での合意の背景には、日米韓、米英豪(AUKUS 3か国間の軍事同盟)、日米豪印(QUAD 4か国の戦略的対話)など複数の安全保障協力があり、これらは「同盟・友好国との枠組みを格子型に重ねて中国を抑止する」といわれている。また、EUも南シナ海への関心を高め、英国、フランス、ドイツなどは艦艇を南シナ海へ派遣しており、格子型安全保障協力に事実上参加する形になっている。
このような新しい安全保障の枠組みは南シナ海問題を平和的に解決するのに、2016年に常設仲裁裁判所が下した判決に並ぶ画期的なものである。
だが、新しい枠組みが実際に機能するか、簡単なことでない。どの参加国もそれぞれの役割を果たす努力が必要だが、なかでもフィリピンは重要なカギを握っている。フィリピンはこれまで、仲裁裁判への提訴・判決の獲得などすでに並々ならぬ努力を重ねてきているが、フィリピンの内外にはなお不安定要因がある。
フィリピンは第二次大戦後の1946年、独立を回復した。だが、国内は共産ゲリラによる反政府活動が活発であり、安定していない。一部には内戦に近い状態が今なお存在している。
また経済は順調に成長しているが、経済水準はまだ低く、外国からの援助に依存している。そんな状況のため中国が付け入るスキがあるのだろう。
フィリピンは1951年8月、米比相互防衛条約を締結(有効期間は無期限)。1998年には米国と「訪問米軍に関する地位協定」(VFA)を締結し、米軍機や艦船のフィリピンへの自由な立ち入り、米軍兵士らの入国ビザ(査証)の規制緩和などについて合意した。その背景には、中国の南シナ海での行動が活発化したことがあった。
2013年、フィリピンは国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、中国は国際法を無視して環礁を埋め立てているとして、軍事基地常設仲裁裁判所に提訴。2016年7月、常設仲裁裁判所は「中国の領有権主張には根拠がなく、国際法に違反する」との判断を下した。
これに対し中国は、判決には縛られないとの態度を取った。同国外交部は、その裁決が無効であり、拘束力を持たず、中国は受け入れず、認めないと声明した。外交担当国務委員、戴秉国は、判決は「紙くずに過ぎない」と暴言を吐いた。
仲裁裁判判決の前月(2016年6月)に就任したロドリゴ・ドゥテルテ新大統領は中国寄りの姿勢を取り、同年10月、訪中して習近平国家主席と会談した。すると巨額の経済支援を持ちかけられ、仲裁裁判判決を事実上棚上げすることに合意した。中国はフィリピンに灌漑(かんがい)用水や鉄道などへ出資を開始。中国からの観光客も急増した。
しかし、その後もフィリピン漁民に対するハラスメントはやまず、2021年4月には数百隻の中国船団が長期間居座り、フィリピン漁船の活動を妨害し続けた。一時は中国寄りの態度をとったドゥテルテ大統領であったが、対中方針を修正するようになり、11月の中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(オンライン)では、中国海警局の行動を「嫌悪する」と異例の非難を行うに至った。
これと前後して、フィリピンは一時冷えていた米国との安全保障上の協力関係を再強化し、両国は2021年7月、VFAの維持について合意した。
フェルディナンド・マルコス・ジュニアは2022年6月にドゥテルテ前大統領を継いで新大統領に就任。翌年1月には中国を訪問し習近平国家主席と会談した。習主席は南シナ海問題に関して、「友好的協議によって海上問題を適切に処理し、石油・天然ガス開発の協力を促進したい」と発言し、ドゥテルテ政権時代に合意され、その後行き詰まっていた資源の共同開発交渉の再開を呼びかけた。マルコス大統領は習主席に積極的に応じた。
しかし、その後もスプラトリー(南沙)諸島付近の海域では、中国とフィリピンの船舶の衝突が相次ぎ、中国側は放水、レーザー照射を行ったため、比側の乗組員が負傷した。また中国は、100隻を超える「海上民兵」船団を派遣した。8月には中国側の一方的主張を記した「標準地図」の最新版を公表した。
一方、マルコス大統領は2023年11月、岸田首相と会談。そして24年4月にバイデン大統領および岸田首相と3者会談を行い、安全保障上の幅広い協力で合意した。
マルコス大統領は記者会見などで、「法や規則に基づく秩序を損なう行動に対し、国際社会が協力して働きかけ続けることが重要だ」と述べるなど、多国間で協調して中国の海洋進出に対抗するべきだと訴えている。また、フィリピンが実効支配するアユンギン礁をめぐり、ドゥテルテ前政権当時に中国との間で密約があったと中国が主張していることについても、「密約があったとしても、私はそれを取り消す。今のフィリピンには影響しない」と語っている。
マルコス氏の発言は中国におもねることがない毅然としたものであり、フィリピン大統領としてかつてなかった勇気ある態度表明である。それに加えて比日米間で今回達成された合意は、国際法に従って南シナ海問題を解決していくのに力強い枠組みになる。
首脳会談後に発表された前述の共同声明は、「本日、日米比3か国の新たな3か国協力の章が始まる。」と今次3者合意の重要性を謳いあげた。
中国はこうした動きに反発し、劉勁松アジア局長は4月12日、在中国日本大使館の横地晃次席を呼び、日本による「中国に関わる消極的な動き」に抗議し、「深刻な懸念と強い不満」を伝えた。また、中国外務省報道官は同日の定例会見で、日本による「侵略の歴史」に言及し、「アジアの近隣諸国の安全への懸念を尊重すべきだ」と日本を批判した。
ニューズウィーク誌日本版4月25日付によると、「南シナ海の係争海域に今、中国船がどっと集結している」という。これは米国とフィリピンが実施している年次合同演習の一環である洋上訓練をにらんでの動きであり、「中国海警局の艦船に加え、武装した中国漁船など「海上民兵」の船舶も続々とこの海域に押し寄せている」。中国が威嚇的行動を続けているのは誠に遺憾なことである。
南シナ海における新しい日比米協力
岸田文雄首相、バイデン米大統領、マルコス比大統領は2024年4月11日、ワシントンにおいて初の日米比首脳会談を開き、安全保障上の幅広い協力で合意した。なかでも南シナ海問題について次の共通認識を表明したことが注目された。「我々」とは日本、フィリピン及び米国の首脳である。「我々は、南シナ海における中国の危険かつ攻撃的な行動について、深刻な懸念を表明 する。我々はまた、南シナ海における埋立て地形の軍事化及び不法な海洋権益に関する 主張を懸念している。我々は、南シナ海における海上保安機関及び海上民兵船舶の危険 で威圧的な使用、並びに他国の海洋資源開発を妨害する試みに断固反対する。我々は、 危険で不安定化をもたらす行為となる、中国によるフィリピン船舶の公海における航行 の自由の行使に対する度重なる妨害及びセカンド・トーマス礁(注 これは英文名。フィリピン名はアユンギン礁)への補給線への妨害に対 して、深刻な懸念を改めて表明する。最終的かつ法的拘束力を有する、2016年7月 12日の仲裁判断は、この地形(this feature)はフィリピンの排他的経済水域内にあると決定しており、 我々は中国に対してこの判断を遵守するよう求める。」
今次会談により日米比の3か国が共同で中国と対峙する構図が鮮明になったといわれている。これまでは、大まかに言えば、南シナ海のほぼ全域を自国の領域と一方的に主張する中国に対して、南シナ海は公海であり、どの国にも航行の自由が保障されなければならないとする米国とフィリピン、ベトナム、インドネシアなど南シナ海を取り巻く東南アジア諸国が個別に協力する形で南シナ海における安全を確保してきた。
今次会談での合意の背景には、日米韓、米英豪(AUKUS 3か国間の軍事同盟)、日米豪印(QUAD 4か国の戦略的対話)など複数の安全保障協力があり、これらは「同盟・友好国との枠組みを格子型に重ねて中国を抑止する」といわれている。また、EUも南シナ海への関心を高め、英国、フランス、ドイツなどは艦艇を南シナ海へ派遣しており、格子型安全保障協力に事実上参加する形になっている。
このような新しい安全保障の枠組みは南シナ海問題を平和的に解決するのに、2016年に常設仲裁裁判所が下した判決に並ぶ画期的なものである。
だが、新しい枠組みが実際に機能するか、簡単なことでない。どの参加国もそれぞれの役割を果たす努力が必要だが、なかでもフィリピンは重要なカギを握っている。フィリピンはこれまで、仲裁裁判への提訴・判決の獲得などすでに並々ならぬ努力を重ねてきているが、フィリピンの内外にはなお不安定要因がある。
フィリピンは第二次大戦後の1946年、独立を回復した。だが、国内は共産ゲリラによる反政府活動が活発であり、安定していない。一部には内戦に近い状態が今なお存在している。
また経済は順調に成長しているが、経済水準はまだ低く、外国からの援助に依存している。そんな状況のため中国が付け入るスキがあるのだろう。
フィリピンは1951年8月、米比相互防衛条約を締結(有効期間は無期限)。1998年には米国と「訪問米軍に関する地位協定」(VFA)を締結し、米軍機や艦船のフィリピンへの自由な立ち入り、米軍兵士らの入国ビザ(査証)の規制緩和などについて合意した。その背景には、中国の南シナ海での行動が活発化したことがあった。
2013年、フィリピンは国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、中国は国際法を無視して環礁を埋め立てているとして、軍事基地常設仲裁裁判所に提訴。2016年7月、常設仲裁裁判所は「中国の領有権主張には根拠がなく、国際法に違反する」との判断を下した。
これに対し中国は、判決には縛られないとの態度を取った。同国外交部は、その裁決が無効であり、拘束力を持たず、中国は受け入れず、認めないと声明した。外交担当国務委員、戴秉国は、判決は「紙くずに過ぎない」と暴言を吐いた。
仲裁裁判判決の前月(2016年6月)に就任したロドリゴ・ドゥテルテ新大統領は中国寄りの姿勢を取り、同年10月、訪中して習近平国家主席と会談した。すると巨額の経済支援を持ちかけられ、仲裁裁判判決を事実上棚上げすることに合意した。中国はフィリピンに灌漑(かんがい)用水や鉄道などへ出資を開始。中国からの観光客も急増した。
しかし、その後もフィリピン漁民に対するハラスメントはやまず、2021年4月には数百隻の中国船団が長期間居座り、フィリピン漁船の活動を妨害し続けた。一時は中国寄りの態度をとったドゥテルテ大統領であったが、対中方針を修正するようになり、11月の中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(オンライン)では、中国海警局の行動を「嫌悪する」と異例の非難を行うに至った。
これと前後して、フィリピンは一時冷えていた米国との安全保障上の協力関係を再強化し、両国は2021年7月、VFAの維持について合意した。
フェルディナンド・マルコス・ジュニアは2022年6月にドゥテルテ前大統領を継いで新大統領に就任。翌年1月には中国を訪問し習近平国家主席と会談した。習主席は南シナ海問題に関して、「友好的協議によって海上問題を適切に処理し、石油・天然ガス開発の協力を促進したい」と発言し、ドゥテルテ政権時代に合意され、その後行き詰まっていた資源の共同開発交渉の再開を呼びかけた。マルコス大統領は習主席に積極的に応じた。
しかし、その後もスプラトリー(南沙)諸島付近の海域では、中国とフィリピンの船舶の衝突が相次ぎ、中国側は放水、レーザー照射を行ったため、比側の乗組員が負傷した。また中国は、100隻を超える「海上民兵」船団を派遣した。8月には中国側の一方的主張を記した「標準地図」の最新版を公表した。
一方、マルコス大統領は2023年11月、岸田首相と会談。そして24年4月にバイデン大統領および岸田首相と3者会談を行い、安全保障上の幅広い協力で合意した。
マルコス大統領は記者会見などで、「法や規則に基づく秩序を損なう行動に対し、国際社会が協力して働きかけ続けることが重要だ」と述べるなど、多国間で協調して中国の海洋進出に対抗するべきだと訴えている。また、フィリピンが実効支配するアユンギン礁をめぐり、ドゥテルテ前政権当時に中国との間で密約があったと中国が主張していることについても、「密約があったとしても、私はそれを取り消す。今のフィリピンには影響しない」と語っている。
マルコス氏の発言は中国におもねることがない毅然としたものであり、フィリピン大統領としてかつてなかった勇気ある態度表明である。それに加えて比日米間で今回達成された合意は、国際法に従って南シナ海問題を解決していくのに力強い枠組みになる。
首脳会談後に発表された前述の共同声明は、「本日、日米比3か国の新たな3か国協力の章が始まる。」と今次3者合意の重要性を謳いあげた。
中国はこうした動きに反発し、劉勁松アジア局長は4月12日、在中国日本大使館の横地晃次席を呼び、日本による「中国に関わる消極的な動き」に抗議し、「深刻な懸念と強い不満」を伝えた。また、中国外務省報道官は同日の定例会見で、日本による「侵略の歴史」に言及し、「アジアの近隣諸国の安全への懸念を尊重すべきだ」と日本を批判した。
ニューズウィーク誌日本版4月25日付によると、「南シナ海の係争海域に今、中国船がどっと集結している」という。これは米国とフィリピンが実施している年次合同演習の一環である洋上訓練をにらんでの動きであり、「中国海警局の艦船に加え、武装した中国漁船など「海上民兵」の船舶も続々とこの海域に押し寄せている」。中国が威嚇的行動を続けているのは誠に遺憾なことである。
2024.04.09
愛国主義教育法
全人代に先立って、1月1日、「愛国主義教育法」が施行された。習近平氏は国家主席に就任以来言論統制を強化する一方、愛国主義教育に力を入れてきた。2014年2月、全人大常務委は南京大屠殺死難者国家公祭日(12月13日)と中国人民抗日戦争勝利記念日(9月3日)を2つの重要な日として法制化し、「双日」と名付けた。
「双日」の法制化以外にも、14年9月1日には9月30日(10月1日の国慶節の前日)を革命戦争や日中戦争の犠牲者を追悼する「烈士記念日」として新たに定め、最初の記念日には天安門広場の人民記念碑前に中央政治局常務委員7名が勢ぞろいし、献花儀式で烈士を哀悼する姿を全国に示した。
愛国主義教育法は教育面での集大成であったのだろう。全5章40条。この中に重要共産主義思想、党の歴史、「中国の特色ある社会主義制度」などが含まれていたのは当然であったが、さらに「中華民族発展史」が追加された。同法第1条は「社会主義現代化国家の全面的な建設と中華民族の偉大なる復興の全面的な前進のための大いなる力を結集する」と宣言し、また第8条は「中華の優秀な伝統文化の伝承と発展」を謳った。習氏が指示したといわれている。
また、これと並行して、台湾に関する言及も強化し、「祖国統一の方針政策の宣伝教育を強化」し、「台湾同胞を含むすべての中国人民の祖国統一という大業の完成という神聖な職責に対する認識を強化」するとともに、「法に基づき台湾同胞の権利と利益を守り、『台独』分裂行動に断固として反対し、中華民族の根本的利益を守る」という草案にはなかった内容を追加した(第23条)。要するに、台湾は中国に統一されるべきであり、台湾人は中国人であり、「台湾独立」は断じて許さないとしたのである。
テーマ学習教育
2月4日には、習近平総書記の思想を学ぶ「テーマ教育学習」キャンペーンの総括会議が北京で開かれた。中国のナンバー5で、最近習氏に重用されている蔡奇氏がテーマ教育指導グループのトップとして出席した。
「テーマ教育学習会」は過去10年間で5回開催されており、大衆路線、共産党史、貧困脱却などがこれまでのテーマであった。今回は2023年4月から開催され、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」がテーマであった。これは習近平総書記の権威を一段と高めた2022年の第20回党大会で党規約に記入されたものであり、今や習近平政権を語るときは必ず言及される文言である。
学習会の詳細は公表されていないが、このように教育を強化するのは、1億人近くの党員たちが習氏の望むレベルに達していないからだとみられている。
経済成長目標
全人代では、2024年の経済成長率の目標は昨年と同じ「5%前後」とされた。昨年の実績は5.2%であり、「5%前後」は無理のない数字との見方もあるが、不動産不況や地方財政が深刻化し、金融・経済状況が厳しくなっている今年は昨年と同じようにはいかないとする見方もある。数字だけでは測れない問題にも注意が必要となるだろう。
なお、国防費だけは去年と比べて7.2%増となった。
反腐敗運動
不安定な状況は習近平政権が第1期から力を入れてきた反腐敗運動についてもあるようだ。現代ビジネス3月20日の林愛華氏の記事は、香港紙『明報』によりつつ、次の趣旨を伝えている(要約に問題があれば、責任は本稿の筆者にある)。
「最高人民法院の張軍院長と最高検察院の応勇院長が報告を読み上げた。すると、手元の資料を読んでいた習近平主席が、そばにいる趙楽際「人大」常務委員会委員長に向かって話しかけた。習主席は時に報告書を指差したりし、テーブルを叩くときもあった。約3分間話した後、習主席は報告書をテーブルに軽く叩きつけるように置いた。その時、趙楽際委員長は俯いたまま、習主席の指示を記録していた。2人の間の険悪な雰囲気は「百メートル離れた場所にいた『明報』記者にも感じられた。
最高検の報告書には「国家の安全と社会の安定を維持するため、(中略)昨年1年間で72.6万名の容疑者の逮捕を許可し、168.8万名を公訴した」と書かれていた。2023年の1年だけで、合わせて240万を超える人が、国家と社会の安全を乱すとして逮捕、起訴されたことになる。この国家秘密に当たるデータの公表が、習近平主席の怒りの原因ではないかと囁かれた。習近平主席は政権を思うままに操っているように思われがちだが、部下たちはまだ完全についていけないのかもしれない。」
『明報』の報道は正確か、慎重に確かめる必要があるが、習近平政権は大々的に反腐敗運動を進め、実績もあがったのは常識となっている。しかし、人民法院と検察院による報告のように相変わらず腐敗が蔓延しているのであれば、これまでの反腐敗運動は何だったのか問われかねない。
3中全会開催問題
重要会議の3中全会が開かれず、また開催予定について何の発表もなかったことも注目されていた。3中全会は中央委員会第3回全体会議のことで、中国共産党大会の翌年、経済政策などについて話し合う重要会議である。過去の3中全会を見ると、1978年には改革開放路線を打ち出した。習政権1期目の2013年には「一人っ子政策」からの転換を行ったなどの例がある。
今回は23年末になっても開催されなかったので、翌年の全人代において開催される、あるいは日程が公表されるのではないかと期待されていた。しかし、結局それもなかったのである。
3中全会が開かれれば、経済が大きな焦点となるのは間違いない。現在の経済状況が非常に厳しいことは前述したが、今後の方針を固めるのは容易でないだろう。年内の開催は難しくなっているとの見方もあるという。
取材活動規制(の変化)
現職首相による全人代閉幕後の記者会見は1988年から行われてきたが、ことしから廃止された。中国共産党のナンバー2で、政府のトップを務める首相が、外国の記者も含めて直接発信する数少ない機会がなくなるのであり、これには賛否両論がある。習近平国家主席が国家運営のすべてを掌握する体制が強化されたという見方もある。
全人代閉会の2日後(3月13日)、北京から約40km離れた河北省廊坊市燕郊鎮で、4階建てのビルが爆発し、7人が死亡、27人が負傷した。この事件の取材に中国の各メディアが殺到したので、取材活動は制限された。SNSでは、事故現場で治安要員とみられる男性が中央テレビの中継を遮ったり、大勢で記者を取り囲み移動させたりしている様子を捉えた映像が拡散した。中国報道機関の団体、中華全国新聞工作者協会は当局に対し、取材妨害に抗議する声明を発表し「正当な取材は記者の権利だ」と主張した。中国メディアによる当局批判は異例である。
これに対し現地政府は、公式サイトで「現場職員の乱暴な行動が誤解を招いた。深く反省し、謝罪する」と釈明した。習近平政権は「国家安全」の維持を重視し、社会不安を助長する恐れのある報道に神経をとがらせているという。
重要人事
今年の全人代では人事異動の発表はなかったが、その前後には唐一軍・前司法相(63)に対する調査、前空軍上将劉亞洲の終身刑の発表があった。唐氏は、習近平国家主席がかつてトップを務めた浙江省で長年勤務し、「習派」の一人とみられていたが、実際にどんな関係であったか、よくわからない。昨年国防相を解任された李尚福も習氏に信頼されていたといわれていた。だからと言って習氏にも害が及ぶとみるのは早計であろう
中国情勢(2024年第1四半期)
2024年の全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)は、例年通り春節後の3月5~11日に開催された。国政の重要問題を審議・決定する中国の最高会議であり、今後の政治・経済状況を示唆するとして注目された。愛国主義教育法
全人代に先立って、1月1日、「愛国主義教育法」が施行された。習近平氏は国家主席に就任以来言論統制を強化する一方、愛国主義教育に力を入れてきた。2014年2月、全人大常務委は南京大屠殺死難者国家公祭日(12月13日)と中国人民抗日戦争勝利記念日(9月3日)を2つの重要な日として法制化し、「双日」と名付けた。
「双日」の法制化以外にも、14年9月1日には9月30日(10月1日の国慶節の前日)を革命戦争や日中戦争の犠牲者を追悼する「烈士記念日」として新たに定め、最初の記念日には天安門広場の人民記念碑前に中央政治局常務委員7名が勢ぞろいし、献花儀式で烈士を哀悼する姿を全国に示した。
愛国主義教育法は教育面での集大成であったのだろう。全5章40条。この中に重要共産主義思想、党の歴史、「中国の特色ある社会主義制度」などが含まれていたのは当然であったが、さらに「中華民族発展史」が追加された。同法第1条は「社会主義現代化国家の全面的な建設と中華民族の偉大なる復興の全面的な前進のための大いなる力を結集する」と宣言し、また第8条は「中華の優秀な伝統文化の伝承と発展」を謳った。習氏が指示したといわれている。
また、これと並行して、台湾に関する言及も強化し、「祖国統一の方針政策の宣伝教育を強化」し、「台湾同胞を含むすべての中国人民の祖国統一という大業の完成という神聖な職責に対する認識を強化」するとともに、「法に基づき台湾同胞の権利と利益を守り、『台独』分裂行動に断固として反対し、中華民族の根本的利益を守る」という草案にはなかった内容を追加した(第23条)。要するに、台湾は中国に統一されるべきであり、台湾人は中国人であり、「台湾独立」は断じて許さないとしたのである。
テーマ学習教育
2月4日には、習近平総書記の思想を学ぶ「テーマ教育学習」キャンペーンの総括会議が北京で開かれた。中国のナンバー5で、最近習氏に重用されている蔡奇氏がテーマ教育指導グループのトップとして出席した。
「テーマ教育学習会」は過去10年間で5回開催されており、大衆路線、共産党史、貧困脱却などがこれまでのテーマであった。今回は2023年4月から開催され、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」がテーマであった。これは習近平総書記の権威を一段と高めた2022年の第20回党大会で党規約に記入されたものであり、今や習近平政権を語るときは必ず言及される文言である。
学習会の詳細は公表されていないが、このように教育を強化するのは、1億人近くの党員たちが習氏の望むレベルに達していないからだとみられている。
経済成長目標
全人代では、2024年の経済成長率の目標は昨年と同じ「5%前後」とされた。昨年の実績は5.2%であり、「5%前後」は無理のない数字との見方もあるが、不動産不況や地方財政が深刻化し、金融・経済状況が厳しくなっている今年は昨年と同じようにはいかないとする見方もある。数字だけでは測れない問題にも注意が必要となるだろう。
なお、国防費だけは去年と比べて7.2%増となった。
反腐敗運動
不安定な状況は習近平政権が第1期から力を入れてきた反腐敗運動についてもあるようだ。現代ビジネス3月20日の林愛華氏の記事は、香港紙『明報』によりつつ、次の趣旨を伝えている(要約に問題があれば、責任は本稿の筆者にある)。
「最高人民法院の張軍院長と最高検察院の応勇院長が報告を読み上げた。すると、手元の資料を読んでいた習近平主席が、そばにいる趙楽際「人大」常務委員会委員長に向かって話しかけた。習主席は時に報告書を指差したりし、テーブルを叩くときもあった。約3分間話した後、習主席は報告書をテーブルに軽く叩きつけるように置いた。その時、趙楽際委員長は俯いたまま、習主席の指示を記録していた。2人の間の険悪な雰囲気は「百メートル離れた場所にいた『明報』記者にも感じられた。
最高検の報告書には「国家の安全と社会の安定を維持するため、(中略)昨年1年間で72.6万名の容疑者の逮捕を許可し、168.8万名を公訴した」と書かれていた。2023年の1年だけで、合わせて240万を超える人が、国家と社会の安全を乱すとして逮捕、起訴されたことになる。この国家秘密に当たるデータの公表が、習近平主席の怒りの原因ではないかと囁かれた。習近平主席は政権を思うままに操っているように思われがちだが、部下たちはまだ完全についていけないのかもしれない。」
『明報』の報道は正確か、慎重に確かめる必要があるが、習近平政権は大々的に反腐敗運動を進め、実績もあがったのは常識となっている。しかし、人民法院と検察院による報告のように相変わらず腐敗が蔓延しているのであれば、これまでの反腐敗運動は何だったのか問われかねない。
3中全会開催問題
重要会議の3中全会が開かれず、また開催予定について何の発表もなかったことも注目されていた。3中全会は中央委員会第3回全体会議のことで、中国共産党大会の翌年、経済政策などについて話し合う重要会議である。過去の3中全会を見ると、1978年には改革開放路線を打ち出した。習政権1期目の2013年には「一人っ子政策」からの転換を行ったなどの例がある。
今回は23年末になっても開催されなかったので、翌年の全人代において開催される、あるいは日程が公表されるのではないかと期待されていた。しかし、結局それもなかったのである。
3中全会が開かれれば、経済が大きな焦点となるのは間違いない。現在の経済状況が非常に厳しいことは前述したが、今後の方針を固めるのは容易でないだろう。年内の開催は難しくなっているとの見方もあるという。
取材活動規制(の変化)
現職首相による全人代閉幕後の記者会見は1988年から行われてきたが、ことしから廃止された。中国共産党のナンバー2で、政府のトップを務める首相が、外国の記者も含めて直接発信する数少ない機会がなくなるのであり、これには賛否両論がある。習近平国家主席が国家運営のすべてを掌握する体制が強化されたという見方もある。
全人代閉会の2日後(3月13日)、北京から約40km離れた河北省廊坊市燕郊鎮で、4階建てのビルが爆発し、7人が死亡、27人が負傷した。この事件の取材に中国の各メディアが殺到したので、取材活動は制限された。SNSでは、事故現場で治安要員とみられる男性が中央テレビの中継を遮ったり、大勢で記者を取り囲み移動させたりしている様子を捉えた映像が拡散した。中国報道機関の団体、中華全国新聞工作者協会は当局に対し、取材妨害に抗議する声明を発表し「正当な取材は記者の権利だ」と主張した。中国メディアによる当局批判は異例である。
これに対し現地政府は、公式サイトで「現場職員の乱暴な行動が誤解を招いた。深く反省し、謝罪する」と釈明した。習近平政権は「国家安全」の維持を重視し、社会不安を助長する恐れのある報道に神経をとがらせているという。
重要人事
今年の全人代では人事異動の発表はなかったが、その前後には唐一軍・前司法相(63)に対する調査、前空軍上将劉亞洲の終身刑の発表があった。唐氏は、習近平国家主席がかつてトップを務めた浙江省で長年勤務し、「習派」の一人とみられていたが、実際にどんな関係であったか、よくわからない。昨年国防相を解任された李尚福も習氏に信頼されていたといわれていた。だからと言って習氏にも害が及ぶとみるのは早計であろう
2024.04.01
岸田発言に対して北朝鮮側は2月15日、金与正労働党副部長の談話で反応してきた。「解決済みの拉致問題を障害物としなければ」と条件付きであったが、「日本が政治的決断を下せば、両国はいくらでも新しい未来を共に開いていくことができる」、「首相が平壌を訪問する日が来る可能性もある」、「岸田首相の発言は、肯定的なものとして、評価されないはずがない」などと語った。
翌16日、林官房長官は記者会見で「金与正談話は留意している。拉致問題を解決済みとすることについてはまったく受け入れられない」と表明。
すると金与正氏は1か月後の3月25日、「これ以上解決すべきことも、知るよしもない拉致問題に依然として没頭するなら首相の構想が人気取りにすぎないという評判を避けられなくなるであろう」、「自分が願うからといって、決心したからといってわが国家の指導部に会うことができ、また会ってくれるのではないということを首相は知るべきである」と再度の談話を発表。
崔善姫(チェソンヒ)外相も4日後の29日、「朝日対話は我々の関心事ではなく、日本のいかなる接触の試みも容認しない」、拉致問題について「解決してあげられるものがないばかりか、努力する義務もない。またそうする意思も全くない」との談話を発表し、日朝間の交渉を改めて拒否した。
また、北朝鮮の李竜男(リリョンナム)駐中国大使は同日、北京の日本大使館の関係者が28日、北朝鮮の大使館員に電子メールで接触を提案してきたと表明した(朝鮮中央通信)。
北朝鮮側は、岸田首相が試みてきた首脳会談の働きかけには応じない、本件については日本側とこれ以上話さないとの態度をとったのだが、今後日本側としてはどのように北朝鮮との関係を考えていくべきか。
首脳会談を何回呼び掛けても同じことの繰り返しになるだけであり、いたずらに状況を悪化させてしまう危険さえあるだろう。
カギはやはり拉致問題である。日本政府は今後も「拉致被害者を全員日本へ帰国させよ」の姿勢をあくまで堅持していくだろう。しかし日本政府は、拉致問題に関して為すべきことを全て実行しているのではない。
横田めぐみさんの「遺骨」について疑問が残ったままになっている。日本政府は北朝鮮から引き渡された「遺骨」は横田めぐみさんのものではないと発表したが、この発表に対しては深刻な疑問が呈されており、それに対し日本政府は疑問を解く努力をしていない。この問題の解明には警察の協力が不可欠だが、政府は警察に解明を命じていない。一部警察官僚の言いなりになっているとの見方さえある。
拉致問題の解決は、「遺骨」問題を通じて日朝両国が前進できるかにかかっている。もちろん横田めぐみさんのご家族次第であるが、この「遺骨」問題を突破口として関係者があらためて検討を行い、日朝関係が前進することを望んでいる。
日朝首脳会談は開催できない
岸田首相はかねてから日朝関係を打開するために金正恩総書記と首脳会談を行いたいとの意向を表明してきた。2023年11月26日の「国民大集会」でも「様々なルートを通じ、働きかけを絶えず行い続けている。早期の首脳会談の実現に向け、働きかけを一層強めていく」と発言していた。そして2024年2月9日の国会の衆議院予算委員会においても同じ発言を行った。岸田発言に対して北朝鮮側は2月15日、金与正労働党副部長の談話で反応してきた。「解決済みの拉致問題を障害物としなければ」と条件付きであったが、「日本が政治的決断を下せば、両国はいくらでも新しい未来を共に開いていくことができる」、「首相が平壌を訪問する日が来る可能性もある」、「岸田首相の発言は、肯定的なものとして、評価されないはずがない」などと語った。
翌16日、林官房長官は記者会見で「金与正談話は留意している。拉致問題を解決済みとすることについてはまったく受け入れられない」と表明。
すると金与正氏は1か月後の3月25日、「これ以上解決すべきことも、知るよしもない拉致問題に依然として没頭するなら首相の構想が人気取りにすぎないという評判を避けられなくなるであろう」、「自分が願うからといって、決心したからといってわが国家の指導部に会うことができ、また会ってくれるのではないということを首相は知るべきである」と再度の談話を発表。
崔善姫(チェソンヒ)外相も4日後の29日、「朝日対話は我々の関心事ではなく、日本のいかなる接触の試みも容認しない」、拉致問題について「解決してあげられるものがないばかりか、努力する義務もない。またそうする意思も全くない」との談話を発表し、日朝間の交渉を改めて拒否した。
また、北朝鮮の李竜男(リリョンナム)駐中国大使は同日、北京の日本大使館の関係者が28日、北朝鮮の大使館員に電子メールで接触を提案してきたと表明した(朝鮮中央通信)。
北朝鮮側は、岸田首相が試みてきた首脳会談の働きかけには応じない、本件については日本側とこれ以上話さないとの態度をとったのだが、今後日本側としてはどのように北朝鮮との関係を考えていくべきか。
首脳会談を何回呼び掛けても同じことの繰り返しになるだけであり、いたずらに状況を悪化させてしまう危険さえあるだろう。
カギはやはり拉致問題である。日本政府は今後も「拉致被害者を全員日本へ帰国させよ」の姿勢をあくまで堅持していくだろう。しかし日本政府は、拉致問題に関して為すべきことを全て実行しているのではない。
横田めぐみさんの「遺骨」について疑問が残ったままになっている。日本政府は北朝鮮から引き渡された「遺骨」は横田めぐみさんのものではないと発表したが、この発表に対しては深刻な疑問が呈されており、それに対し日本政府は疑問を解く努力をしていない。この問題の解明には警察の協力が不可欠だが、政府は警察に解明を命じていない。一部警察官僚の言いなりになっているとの見方さえある。
拉致問題の解決は、「遺骨」問題を通じて日朝両国が前進できるかにかかっている。もちろん横田めぐみさんのご家族次第であるが、この「遺骨」問題を突破口として関係者があらためて検討を行い、日朝関係が前進することを望んでいる。
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