平和外交研究所

中国

2024.04.09

中国情勢(2024年第1四半期)

 2024年の全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)は、例年通り春節後の3月5~11日に開催された。国政の重要問題を審議・決定する中国の最高会議であり、今後の政治・経済状況を示唆するとして注目された。

愛国主義教育法
 全人代に先立って、1月1日、「愛国主義教育法」が施行された。習近平氏は国家主席に就任以来言論統制を強化する一方、愛国主義教育に力を入れてきた。2014年2月、全人大常務委は南京大屠殺死難者国家公祭日(12月13日)と中国人民抗日戦争勝利記念日(9月3日)を2つの重要な日として法制化し、「双日」と名付けた。
 「双日」の法制化以外にも、14年9月1日には9月30日(10月1日の国慶節の前日)を革命戦争や日中戦争の犠牲者を追悼する「烈士記念日」として新たに定め、最初の記念日には天安門広場の人民記念碑前に中央政治局常務委員7名が勢ぞろいし、献花儀式で烈士を哀悼する姿を全国に示した。

 愛国主義教育法は教育面での集大成であったのだろう。全5章40条。この中に重要共産主義思想、党の歴史、「中国の特色ある社会主義制度」などが含まれていたのは当然であったが、さらに「中華民族発展史」が追加された。同法第1条は「社会主義現代化国家の全面的な建設と中華民族の偉大なる復興の全面的な前進のための大いなる力を結集する」と宣言し、また第8条は「中華の優秀な伝統文化の伝承と発展」を謳った。習氏が指示したといわれている。

 また、これと並行して、台湾に関する言及も強化し、「祖国統一の方針政策の宣伝教育を強化」し、「台湾同胞を含むすべての中国人民の祖国統一という大業の完成という神聖な職責に対する認識を強化」するとともに、「法に基づき台湾同胞の権利と利益を守り、『台独』分裂行動に断固として反対し、中華民族の根本的利益を守る」という草案にはなかった内容を追加した(第23条)。要するに、台湾は中国に統一されるべきであり、台湾人は中国人であり、「台湾独立」は断じて許さないとしたのである。

テーマ学習教育
 2月4日には、習近平総書記の思想を学ぶ「テーマ教育学習」キャンペーンの総括会議が北京で開かれた。中国のナンバー5で、最近習氏に重用されている蔡奇氏がテーマ教育指導グループのトップとして出席した。
 「テーマ教育学習会」は過去10年間で5回開催されており、大衆路線、共産党史、貧困脱却などがこれまでのテーマであった。今回は2023年4月から開催され、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」がテーマであった。これは習近平総書記の権威を一段と高めた2022年の第20回党大会で党規約に記入されたものであり、今や習近平政権を語るときは必ず言及される文言である。
 学習会の詳細は公表されていないが、このように教育を強化するのは、1億人近くの党員たちが習氏の望むレベルに達していないからだとみられている。

経済成長目標
 全人代では、2024年の経済成長率の目標は昨年と同じ「5%前後」とされた。昨年の実績は5.2%であり、「5%前後」は無理のない数字との見方もあるが、不動産不況や地方財政が深刻化し、金融・経済状況が厳しくなっている今年は昨年と同じようにはいかないとする見方もある。数字だけでは測れない問題にも注意が必要となるだろう。
 なお、国防費だけは去年と比べて7.2%増となった。

反腐敗運動
 不安定な状況は習近平政権が第1期から力を入れてきた反腐敗運動についてもあるようだ。現代ビジネス3月20日の林愛華氏の記事は、香港紙『明報』によりつつ、次の趣旨を伝えている(要約に問題があれば、責任は本稿の筆者にある)。
 「最高人民法院の張軍院長と最高検察院の応勇院長が報告を読み上げた。すると、手元の資料を読んでいた習近平主席が、そばにいる趙楽際「人大」常務委員会委員長に向かって話しかけた。習主席は時に報告書を指差したりし、テーブルを叩くときもあった。約3分間話した後、習主席は報告書をテーブルに軽く叩きつけるように置いた。その時、趙楽際委員長は俯いたまま、習主席の指示を記録していた。2人の間の険悪な雰囲気は「百メートル離れた場所にいた『明報』記者にも感じられた。
最高検の報告書には「国家の安全と社会の安定を維持するため、(中略)昨年1年間で72.6万名の容疑者の逮捕を許可し、168.8万名を公訴した」と書かれていた。2023年の1年だけで、合わせて240万を超える人が、国家と社会の安全を乱すとして逮捕、起訴されたことになる。この国家秘密に当たるデータの公表が、習近平主席の怒りの原因ではないかと囁かれた。習近平主席は政権を思うままに操っているように思われがちだが、部下たちはまだ完全についていけないのかもしれない。」

 『明報』の報道は正確か、慎重に確かめる必要があるが、習近平政権は大々的に反腐敗運動を進め、実績もあがったのは常識となっている。しかし、人民法院と検察院による報告のように相変わらず腐敗が蔓延しているのであれば、これまでの反腐敗運動は何だったのか問われかねない。

3中全会開催問題
 重要会議の3中全会が開かれず、また開催予定について何の発表もなかったことも注目されていた。3中全会は中央委員会第3回全体会議のことで、中国共産党大会の翌年、経済政策などについて話し合う重要会議である。過去の3中全会を見ると、1978年には改革開放路線を打ち出した。習政権1期目の2013年には「一人っ子政策」からの転換を行ったなどの例がある。
 今回は23年末になっても開催されなかったので、翌年の全人代において開催される、あるいは日程が公表されるのではないかと期待されていた。しかし、結局それもなかったのである。
 3中全会が開かれれば、経済が大きな焦点となるのは間違いない。現在の経済状況が非常に厳しいことは前述したが、今後の方針を固めるのは容易でないだろう。年内の開催は難しくなっているとの見方もあるという。

取材活動規制(の変化)
 現職首相による全人代閉幕後の記者会見は1988年から行われてきたが、ことしから廃止された。中国共産党のナンバー2で、政府のトップを務める首相が、外国の記者も含めて直接発信する数少ない機会がなくなるのであり、これには賛否両論がある。習近平国家主席が国家運営のすべてを掌握する体制が強化されたという見方もある。

 全人代閉会の2日後(3月13日)、北京から約40km離れた河北省廊坊市燕郊鎮で、4階建てのビルが爆発し、7人が死亡、27人が負傷した。この事件の取材に中国の各メディアが殺到したので、取材活動は制限された。SNSでは、事故現場で治安要員とみられる男性が中央テレビの中継を遮ったり、大勢で記者を取り囲み移動させたりしている様子を捉えた映像が拡散した。中国報道機関の団体、中華全国新聞工作者協会は当局に対し、取材妨害に抗議する声明を発表し「正当な取材は記者の権利だ」と主張した。中国メディアによる当局批判は異例である。
 これに対し現地政府は、公式サイトで「現場職員の乱暴な行動が誤解を招いた。深く反省し、謝罪する」と釈明した。習近平政権は「国家安全」の維持を重視し、社会不安を助長する恐れのある報道に神経をとがらせているという。

重要人事
 今年の全人代では人事異動の発表はなかったが、その前後には唐一軍・前司法相(63)に対する調査、前空軍上将劉亞洲の終身刑の発表があった。唐氏は、習近平国家主席がかつてトップを務めた浙江省で長年勤務し、「習派」の一人とみられていたが、実際にどんな関係であったか、よくわからない。昨年国防相を解任された李尚福も習氏に信頼されていたといわれていた。だからと言って習氏にも害が及ぶとみるのは早計であろう
2024.01.27

孔子学院は先細っていくか 2024年1月

 中国は胡錦涛政権下の2004年、孔子学院を設立し、世界各国に広めてきた。2023年12月の時点では、160の国・地域の498校と設置契約を結んでいる。
 
 孔子学院は文化面での「一帯一路」といえるもので、世界各国の民衆が中国語を学び、中国文化を理解するのを援助することが目的である。孔子学院には本部から中国語教科書、教師、活動資金が送られてくる。財政難に陥っている各国の大学などにとって貴重な資金源となっている。

 孔子学院には習近平主席自身力を入れており、2015年10月、ロンドンで開かれた英国全土の学院関係者が集まる年次総会に出席し、同学院の意義を強調したこともある。

 ところが最近、各地で孔子学院を閉鎖する事例が増えてきた。米国の場合、多い時には100以上の学校に孔子学院が置かれていたが、その後廃止する学校が続出し、2023年6月の全米科学者協会(National Association of Scholars NAS)の報告では、孔子学院として残っているのは10校になっていた。ただし、米国における孔子学院に対する警戒心が強くなるに伴い、名称を変えるなどして生き残りを図っているところもある。教育内容はほとんど変わらないという。
 スウェーデンは2005年、欧州で初めて孔子学院を開校したが、2020年までに8校すべてを閉鎖した。政府が指示したわけでなく、大学や自治体が自ら決めたことである。

 これらのほか、カナダ、ベルギー、オランダなどでも孔子学院を存続するべきか、検討が始められており、いずれ閉鎖される可能性が高いとみられている。

 日本においては2023年5月、政府は早稲田大や立命館大など国内の少なくとも13大学に、中国政府による中国語や自国文化の普及を目的とした教育機関「孔子学院」設置が確認されていると明らかにした(参政党の神谷宗幣参院議員の質問に対する答弁書 内閣参質二一一第六三号)。このうち、福山大(広島県福山市)は2024年3月での閉鎖を決めている。日本全国では3校目の閉鎖となる。
 
 このような動きが広まってきた理由について、全米科学者協会(National Association of Scholars NAS)、米国大学教授協会(American Association Of University Professors AAUP)、カリフォルニア大学・アネンバーグ校(USC Annenberg)などの報告・声明は以下のような問題を指摘している。
・孔子学院は中国政府の一機関で、学問の自由を無視している。世界の孔子学院を統括する北京の孔子学院本部は独立法人だが、その最高幹部の人選には国務院(政府)の承認が必要である。孔子学院の運営には、中国政府や共産党の意向が働く仕組みになっている。

・孔子学院は教育支援の目的を離れ、中国共産党の宣伝機関になっている。最近中国はそのことを隠そうとしなくなっており、李長春中国共産党中央政治局常務委員は、「(孔子学院は)中国の外国におけるプロパガンダ組織の重要な一部」と述べている。

・孔子学院本部と大学側が結ぶ合意文書のほとんどに非開示条項があり、教員を管理することや授業内容の選択をすることが孔子学院側に許されている。大学側は「中国の国益を害する行為に関与すれば契約を打ち切る」とする誓約書を提出させられている。

・孔子学院は台湾独立問題や天安門事件など物議を醸す議題は扱わない。
 
・孔子学院は国家安全保障の脅威となっている。彼らは情報機関や国営企業、民間企業を始め、大学院生や研究者ら様々な人々を使って情報を取っている。
 
・中国政府は米国が中国の教育機関に支援することをきらい、妨害している。
 
・(スウェーデンの場合)習近平体制のもとで民主や人権、言論の自由などの価値が後退し、権威主義的な政治潮流が高まり、官民ともに幻滅している。中国政府はビザの制限などをちらつかせ、批判的なメディアや政府を威嚇しており、スウェーデン政府は何度も抗議している。中国に不愉快に感じる市民も多く、姉妹都市などの交流を打ち切る自治体も増えている。

 孔子学院を創設して以来驚異的なペースで世界に広げられたのは、中国にとって一大成果であったが、各国で警戒心が強まり、学院の閉鎖が相次いでいることは習近平政権として心穏やかでないだろう。

 だが中国は以上述べたような世界の状況変化に柔軟に対応するか。意に介さないかもしれない。米国で指摘されている名称変更などは役立たないどころか有害であろう。
 
 2023年10月に全国人民代表大会(全人代)常務委員会で「愛国主義教育法」という新法が可決されたことが想起される。同法は、「中華民族と偉大な祖国への思い入れを育み、愛国の力を結集させる」などと中華の伝統を称揚し、国民はそれに沿って行動するよう求めている。孔子学院は世界的に減少傾向になるなかで、その背景においてはこのような中華意識の高揚が謳われているのである。

ともかく、各国における孔子学院の閉鎖傾向は今後も続いていくとみられる。一定期間をおいてまた検討してみたい。
2024.01.15

台湾の総統選挙 2024

 台湾で1月13日投開票された総統選で与党・民進党の頼清徳が当選した。4年前の前回選挙では民進党と国民党の戦いであったが、今回は民進党、国民党および民衆党の与野党3党が競り合う接戦であった。
 
 民進党は国民党の統治時代、非合法の団体であったが、台湾人の支持を背景に1986年に政党を結成し、2000年の総統選で国民党を破って初めて民進党政権を実現した。その後一時期、8年間だけ国民党の総統(馬英九)が復活したが、それ以外の16年間は民進党政権であった。

 国民党は民進党に敗れて以降政権奪回を目標に戦ってきた。2020年の総統選挙でチャンスが訪れたが、蔡英文候補を擁する民進党に惨敗し、逆に、民進党優位の傾向が一層強まった。台湾の総統は2期8年までと決まっている。今回の選挙では、民進党は多数の台湾人から支持を受けつつも、「政権交代の必要がある」と考える人が6割近くになっていた。国民党は政権奪回を実現すべく奮戦したのだろうが、結局民進党に再度敗れた。

 勝利した頼清徳はもともと内科医・衛生学者であったが、政治に転じてからは何事にも歯切れよく発言し、順調に民進党の新しいリーダーとなった人物である。
 日本との関係は緊密であり、2011年3月の東日本大震災被災者に対し日本語でのツイートを投稿して慰問し、さらに震災発生から3か月後には、「行こう日光」と大書きされたTシャツを着て、300人を超える市民旅行団と共に日光を訪問した。

 頼清徳には不安材料もある。特に、頼清徳は台湾独立派として知られており、かつて、「私は台湾独立を主張する」、「台湾が独立主権国家であるという台湾の人々の主張を中国は尊重すべき」などと述べたこともある。2014年に上海を訪問した際には「私は親中であって反中ではない。親中愛台だ」と述べつつ、「台湾独立は台湾人の大きな共通認識だ」と述べていた。

 米国は総統選の結果が出ると、直ちに頼清徳に「祝福する」との声明を発表した。それと同時にバイデン米大統領は、記者団の質問に対しであったが、「(台湾の)独立を支持しない」と明言した。米国が台湾独立を望まないことについて頼清徳に誤解があってはならないと考えているのである。

 中国が以前から、また今回の総統選でも国民党を支援しており、民進党を嫌っていることは周知の事実である。台湾近海にミサイルを飛ばしたこともあった。経済面で脅しに近い行動をとったこともあった。国民党候補が総統になるとメリットがあると宣伝したこともあった。

 しかしながら中国の国民党びいきは総統選で何ら効果を発揮できなかった。それどころか、かえって台湾人の中国に対する嫌悪感を増幅する結果になった。

 台湾には、自分を「台湾人」と思うか、それとも「中国人」と思うかを問う世論調査がある。これによれば、最近の調査結果では、「中国人」と答えた人はわずか2.5%程度であった。台湾で総統直接選挙が行われるようになったのは1996年であり、そのころは約20%の人が「中国人だ」と答えていたが、その後ほぼ一貫して減少傾向となっていた。この傾向が続けば「中国人」はさらに減少するだろう。

 もっとも意識調査がそのまま選挙結果となって表れるわけではない。今回の総統選挙では国民党の侯友宜候補に約34%の人が投票した。「台湾人」と答えた人の中に国民党に投票した人がかなりいたわけである。

 国民党はこのことをどのように解しているのか、よくわからないが、今後国民党の党勢を拡大するにはこのような「台湾人」を増やすことは絶対的に必要である。しかし、それは可能か。国民党は中国との統一を旗印に掲げられない。国民党の候補であった侯友宜は、「自分が当選すれば中国との対話を拡大する」と述べる一方、「任期中は中国との統一問題には触れない」と明言した。当然の発言である。国民党が統一を旗印にすれば、国民党に投票してくれる「台湾人」はゼロ近くまで下がるだろうからである。

 つまり国民党は、イメージとしては台湾の中国への統一を向いているが、それを看板にすることはできず、経済問題や安全保障問題を理由に中国との友好を唱えるしかない。このような見方が正しいとすれば、国民党の将来は決して明るいとは言えない。

 新たに現れたのが「民衆党」である。同党は2019年8月に結成さればかりであるが、短い期間に勢力を拡大した。今回の総統選では、民進党にも国民党にも及ばなかったが、三つ巴と言われたくらいの勢いを示したことは注目される。

 民衆党を立ち上げた柯文哲は救急医療・臓器移植の権威である台湾大学教授であり、政治の世界では無名の人物であった。ところが2014年11月の統一地方選挙において、台北市長に立候補すると、本命候補と目されていた国民党の連勝文より人気が集まっていることが世論調査で判明した。連勝文は国民党名誉主席・連戦の息子で金も地位も知名度もあったが、評判は上がらなかった。あわてた国民党は、柯文哲の家庭は「青山」という日本名を持っていたことなどを口実に個人攻撃したのでますます票を失ったという。

 ちなみに、この台北市長選で民進党は候補を出さなかった。最初の段階では候補を出そうとしていたが、柯文哲に勝てそうもないので早々と自党候補は引っ込め、柯文哲支持に回ったのだという。

 今回の総統選で柯文哲の得票率は26%余りであった。これは驚異的な数字である。もちろん柯文哲は政治経験が浅く、また民衆党は組織力がまだ弱い。しかし柯文哲は、次回総統戦では現在以上に強くなっているのではないか。

 柯文哲にも弱点あるいは疑問点がある。中国との関係であるが、「台湾の民主的で自由な政治制度や生活様式を確保したうえで、対岸(中国)との対話と交流を促進することが必要だ」と述べている。ところが、中国はそんなどっちつかずの姿勢を許さない可能性が大きい。そうすると、柯文哲もいずれは旗幟鮮明にせざるを得なくなるだろう。柯文哲にとって中国との関係は今後の課題である。

The following was translated automatically.
Taiwan presidential election 2024
In Taiwan’s presidential election held on January 13, Lai Ching-te of the ruling Democratic Progressive Party was elected. The last election four years ago was a battle between the Democratic Progressive Party and the Kuomintang, but this time it was a close contest between the three ruling and opposition parties: the Democratic Progressive Party, the Kuomintang Party, and the People’s Party.
The Democratic Progressive Party was an illegal organization during the Kuomintang’s rule, but it formed a political party in 1986 with the support of Taiwanese people, and achieved its first Democratic Progressive Party government by defeating the Kuomintang in the presidential election in 2000 . After that, the Kuomintang’s president (Ma Ying-jeou) was reinstated for eight years, but the Democratic Progressive Party remained in power for the remaining 16 years.
Since losing to the Democratic Progressive Party, the Kuomintang Party has been fighting with the goal of regaining power. A chance arose in the 2020 presidential election, but the Kuomintang Party was defeated by candidate Tsai Ing-wen, further reinforcing the Democratic Progressive Party’s dominance. Taiwan’s president can be elected for two terms, lasting up to eight years. In this election, although the Democratic Progressive Party received the support of a large number of Taiwanese, nearly 60% of people thought there was a need for a change of government . The Kuomintang Party must have fought hard to regain power, but in the end it lost again to the Democratic Progressive Party.
The victorious Lai Ching-te was originally a physician and hygienist, but after turning to politics, he spoke out clearly on all matters and smoothly became the new leader of the Democratic Progressive Party.
He has a close relationship with Japan, and in March 2011, he posted tweets in Japanese to express our condolences to the victims of the Great East Japan Earthquake , and three months after the earthquake , he even held a message called “Let’s go to Nikko.” Wearing a T-shirt with large print on it, he visited Nikko with a group of over 300 Taiwanese citizens .
There is also cause for concern regarding Lai Ching-te. In particular, Lai is known as a Taiwanese independence advocate, and he said things like “I advocate Taiwan’s independence” and “China should respect the Taiwanese people’s claim that Taiwan is an independent and sovereign nation.” When he visited Shanghai in 2014, he said, “I’m pro-China, not anti-China. I’m proTaiwn.” He also said, ` `Taiwan independence is a common understanding among Taiwanese people . ”
Immediately after the presidential election results were announced, the United States issued a statement offering its “congratulations” to Lai Ching-te. At the same time, US President Biden , in response to a question from reporters , said clearly that he does not support (Taiwan) independence . He believes that Lai Ching-de should not have any misunderstanding about the fact that the United States does not want Taiwan to become independent.
It is a well-known fact that China has supported the Kuomintang Party in the past and in the recent presidential election, and dislikes the Democratic Progressive Party. It flew missiles into waters near Taiwan, made threatening remarks on Taiwan economy, etc..
However, China’s preference for the Kuomintang did not have any effect in the presidential election. On the contrary, it has actually amplified Taiwanese hatred towards China.
In Taiwan, there is a public opinion poll that asks people whether they consider themselves “Taiwanese” or “Chinese.” According to the results of a recent survey, only about 2.5 % of people answered “Chinese. ” Direct presidential elections began to be held in Taiwan in 1996, and at that time about 20% of people answered that they were Chinese, but the trend has been steadily decreasing ever since. If this trend continues, the number of “Chinese” people will continue to decline.
However, polls do not directly reflect into election results. In this presidential election, approximately 34% of the people voted for the Nationalist Party’s candidate Hou Youyi. It means that among those who answered “Taiwanese,” a large number voted for the Kuomintang.
I am not sure how the Kuomintang understands this situation, but it is absolutely necessary to increase the number of such “Taiwanese” in order to expand the Kuomintang’s strength in the future. But is it possible? The Kuomintang cannot raise the banner of unification with China. Hou Youyi, the Kuomintang candidate, said, “If I am elected, I will expand dialogue with China,” but also clarified that “during my term in office, I will not touch on the issue of unification with China.” This is a natural statement. If the Kuomintang were to make unification its banner, the number of Taiwanese who would vote for the Kuomintang would drop to nearly zero.
In other words, although the Kuomintang’s image is toward the unification of Taiwan with China, it cannot use that as a signboard, and has no choice but to advocate friendship with China based on economic and security issues. If this view is correct, the future of the Kuomintang cannot be said to be bright.
The new party that emerged was the People’s Party. Although the party was only formed in August 2019 , it has expanded in power in a short period of time . In this presidential election , although it was not as good as the Democratic Progressive Party or the Kuomintang, it is noteworthy that it showed enough momentum to be called a three-way race.
Ko Wen-che, who founded the People’s Party, was a professor at Taiwan University and an authority on emergency medicine and organ transplants, but he was an unknown figure in the political world. However, in the November 2014 unified local elections, he ran for mayor of Taipei, then public opinion polls showed that when he was more popular than the Kuomintang’s candidate. Lian Sheng-wen was the son of the Kuomintang honorary president Lianchan and had money, status, and name recognition, but his reputation did not improve. The KMT, which was in a panic, personally attacked Ko Wen-che saying his family was using the Japanese name “Aoyama or Qingshan” , only causing them to lose even more votes .
The Democratic Progressive Party did not field a candidate in the Taipei mayoral election. At the beginning, they were planning to put forward a candidate, but since it seemed unlikely that they would be able to defeat Ko Wen-che, they quickly withdrew their own candidate and turned to supporting Ko Wen-che.
In this presidential election, Ko Wen-che received more than 26% of the votes. This is an astonishing number. Of course, Ko Wen-che has little political experience, and the People’s Party’s organizational strength is still weak. However, Ke Wen-che will probably be even stronger in the next presidential match than he is now.
Ke Wen-che also has weaknesses or questionable points. Regarding relations with China, he stated, “It is necessary to ensure Taiwan’s democratic and free political system and lifestyle, and then promote dialogue and exchange with the other side (China).” However, there is a strong possibility that China will not tolerate such a ‘Neither one nor the other’ stance. If that happens, Ko Wen-che will eventually have no choice but to make his flag clearer. For Ke Wen-che, relations with China are a future issue.

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