中国
2014.03.25
○3月17日および21日付のSouth China Morning Postは、数十名の武警が301医院に入院中の前中央軍事委員会副主席の徐才厚を家族とともに汚職容疑で連行した由。これは過去数カ月来注目されていた同人の扱いについて最終的決定が行われたことを意味している(多維新聞3月21日付)。
○雲南省副省長の沈培平が汚職の容疑で調査を受けた。これは今年になってから4番目の省部長級(各省と各部の長クラス)官吏の摘発である(多维新闻 3月9日付)。
江西省副省長の姚木根も摘発された。今年で5番目の省部級官吏である。
○2月28日付の香港雑誌『亚洲周刊』は李鵬の娘である李小琳が周永康集团関係の会社と関係していることを大きなスペースを割いて報道している。『亚洲周刊』の背景は特殊であり、中共と関係がよく、香港関係の記事では香港政府よりである。今回の李小琳に関する記事は驚くべき内容である。やはり香港の『開放』雑誌は、李小琳は太子党の中で最も派手に立ち回っている人物であり、李鵬の家族は三峡ダム関係で巨大な利益を収めた、中央規律検査委員会の摘発対象候補となっていると報道している。(多維新聞3月19日付)。
中国雑記3月21日まで
○中国の高名な経済学者、呉敬璉が講演で「我々が直面している最大の危険は何かと言うと、財政金融部門が問題だ。分かりやすく言うと、資産負債比率(leverage ratio)、負債比率が高すぎる。言い換えれば、資産バブルがすでに形成されているということである。システム危機が出現している。これが最も危険なことである」と述べた(股城網3月24日)○3月17日および21日付のSouth China Morning Postは、数十名の武警が301医院に入院中の前中央軍事委員会副主席の徐才厚を家族とともに汚職容疑で連行した由。これは過去数カ月来注目されていた同人の扱いについて最終的決定が行われたことを意味している(多維新聞3月21日付)。
○雲南省副省長の沈培平が汚職の容疑で調査を受けた。これは今年になってから4番目の省部長級(各省と各部の長クラス)官吏の摘発である(多维新闻 3月9日付)。
江西省副省長の姚木根も摘発された。今年で5番目の省部級官吏である。
○2月28日付の香港雑誌『亚洲周刊』は李鵬の娘である李小琳が周永康集团関係の会社と関係していることを大きなスペースを割いて報道している。『亚洲周刊』の背景は特殊であり、中共と関係がよく、香港関係の記事では香港政府よりである。今回の李小琳に関する記事は驚くべき内容である。やはり香港の『開放』雑誌は、李小琳は太子党の中で最も派手に立ち回っている人物であり、李鵬の家族は三峡ダム関係で巨大な利益を収めた、中央規律検査委員会の摘発対象候補となっていると報道している。(多維新聞3月19日付)。
2014.03.23
習近平はある未公開の会議で次のように発言した。
「共産党の指導は失うわけにいかない。ひとたび失えば、動乱、あるいは状況が不安定になる。」「党の指導を旗幟鮮明にしなければならない。自覚を以て思想上、政治上、行動上において党中央と高度の一致を保たなければならない。」
「中央全面深化改革指導小組」、「国家安全委員会」および「中央インターネットの安全情報化指導小組」の3大「超級」機構が成立したことに伴い、大権を掌握する各大機構は水平的に統合された。中国の特色ある集団指導制は次第に重要でなくなっていく。これに加えて、政治局常務委員は9名から7名に削減された。中央政法委員会は調整を行なわないことになった。外部では中国共産党が再び中央集権を進めているなどと言っている。
また、2014年初頭に開かれた別の未公開中央政法工作会議の記録によると、習近平は党委員会の重要な機能を数十回強調し、「党の政法に対する指導を堅持することに関し中国共産党は現在厳しい政治闘争に直面している」と指摘した。習近平は、敵対勢力が「顔色革命(文字の意味は「色の革命」である。何を指すかはっきりしないが、政権を変えるのでなく様相を変えることか)を起こすことを警戒し、「政法機関」という「刀」をしっかりと握っていなければならないと言うのである。習近平は「党の指導を強化すること」を異常に高いところにまで押し上げた。
習近平が党委員会の重要性を強調する頻度と強度は、政権を握っている共産党内部を重視することであってもきわめて珍しいことである。習近平は「集団指導制」の弊害を取り除こうとしている意図は明らかである。「集団指導制」は毛沢東時代を終わらせる意義があったが、胡錦涛時代にまで続くに及んで「九匹の龍が治める」ように政治局の各常務委員がそれぞれ政治を行なうようになってしまい、弊害が各所に現れた。たとえば、中共の政法系統は周永康政治局常務委員のほしいままになってしまい、他の委員は口をさしはさむことができなかった。
習近平の権力集中
3月19日の多維新聞(海外に本部がある中立系中国語新聞)は習近平の権力集中についてつぎのように報道している。直訳調であるが。習近平はある未公開の会議で次のように発言した。
「共産党の指導は失うわけにいかない。ひとたび失えば、動乱、あるいは状況が不安定になる。」「党の指導を旗幟鮮明にしなければならない。自覚を以て思想上、政治上、行動上において党中央と高度の一致を保たなければならない。」
「中央全面深化改革指導小組」、「国家安全委員会」および「中央インターネットの安全情報化指導小組」の3大「超級」機構が成立したことに伴い、大権を掌握する各大機構は水平的に統合された。中国の特色ある集団指導制は次第に重要でなくなっていく。これに加えて、政治局常務委員は9名から7名に削減された。中央政法委員会は調整を行なわないことになった。外部では中国共産党が再び中央集権を進めているなどと言っている。
また、2014年初頭に開かれた別の未公開中央政法工作会議の記録によると、習近平は党委員会の重要な機能を数十回強調し、「党の政法に対する指導を堅持することに関し中国共産党は現在厳しい政治闘争に直面している」と指摘した。習近平は、敵対勢力が「顔色革命(文字の意味は「色の革命」である。何を指すかはっきりしないが、政権を変えるのでなく様相を変えることか)を起こすことを警戒し、「政法機関」という「刀」をしっかりと握っていなければならないと言うのである。習近平は「党の指導を強化すること」を異常に高いところにまで押し上げた。
習近平が党委員会の重要性を強調する頻度と強度は、政権を握っている共産党内部を重視することであってもきわめて珍しいことである。習近平は「集団指導制」の弊害を取り除こうとしている意図は明らかである。「集団指導制」は毛沢東時代を終わらせる意義があったが、胡錦涛時代にまで続くに及んで「九匹の龍が治める」ように政治局の各常務委員がそれぞれ政治を行なうようになってしまい、弊害が各所に現れた。たとえば、中共の政法系統は周永康政治局常務委員のほしいままになってしまい、他の委員は口をさしはさむことができなかった。
2014.03.18
住宅の登記についてはこれまで国務院住宅都市建設部が主管していたが、あまり進んでいなかった。そこで2013年末から、住宅の登記制度を国土部による全国の土地、家屋、草原、林、海などの統一的登記制度に切り替えることとなった。新しい規則はその一環である。
2014年3月18日付『21世紀経済報道』の記事の要旨である。
不動産は、地方の財政において主要な財政収入源であり、また、大多数の農民は土地を取り上げられ、一部の者が甘い汁を吸う構造的問題があることがかねてから指摘されていた。また、権力者は蓄財のため不正な方法で複数の住宅を取得している。習近平政権にとっては格差の是正に対する本気度を問われる一大問題である。
この記事によると、中国政府は対処しようとしているが、ほんとうに前進できるか。これまでの1年あまりの間は、うまくいかなかったように見える。
中国の統一不動産登記制度
最近「国家新型城鎮化規則(2014-2020)」が発布され、2020年以前に不動産統一登記制度を設立し、全国住宅情報網を実現することになった。1年前には国務院弁公庁が住宅市場の抑制に関する通知の中で、一定レベル以上の都市については2015年以前に情報網を完成するよう指示していたので、期限が5年延びたことになる。住宅の登記についてはこれまで国務院住宅都市建設部が主管していたが、あまり進んでいなかった。そこで2013年末から、住宅の登記制度を国土部による全国の土地、家屋、草原、林、海などの統一的登記制度に切り替えることとなった。新しい規則はその一環である。
2014年3月18日付『21世紀経済報道』の記事の要旨である。
不動産は、地方の財政において主要な財政収入源であり、また、大多数の農民は土地を取り上げられ、一部の者が甘い汁を吸う構造的問題があることがかねてから指摘されていた。また、権力者は蓄財のため不正な方法で複数の住宅を取得している。習近平政権にとっては格差の是正に対する本気度を問われる一大問題である。
この記事によると、中国政府は対処しようとしているが、ほんとうに前進できるか。これまでの1年あまりの間は、うまくいかなかったように見える。
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