平和外交研究所

中国

2014.03.18

中国の統一不動産登記制度

最近「国家新型城鎮化規則(2014-2020)」が発布され、2020年以前に不動産統一登記制度を設立し、全国住宅情報網を実現することになった。1年前には国務院弁公庁が住宅市場の抑制に関する通知の中で、一定レベル以上の都市については2015年以前に情報網を完成するよう指示していたので、期限が5年延びたことになる。
住宅の登記についてはこれまで国務院住宅都市建設部が主管していたが、あまり進んでいなかった。そこで2013年末から、住宅の登記制度を国土部による全国の土地、家屋、草原、林、海などの統一的登記制度に切り替えることとなった。新しい規則はその一環である。

2014年3月18日付『21世紀経済報道』の記事の要旨である。
不動産は、地方の財政において主要な財政収入源であり、また、大多数の農民は土地を取り上げられ、一部の者が甘い汁を吸う構造的問題があることがかねてから指摘されていた。また、権力者は蓄財のため不正な方法で複数の住宅を取得している。習近平政権にとっては格差の是正に対する本気度を問われる一大問題である。
この記事によると、中国政府は対処しようとしているが、ほんとうに前進できるか。これまでの1年あまりの間は、うまくいかなかったように見える。

2014.03.17

習近平の軍制改革小組組長への就任

中央軍事委員会の深化国防・軍隊改革指導小組が設置され、その組長に就任した習近平によって、3月15日、第1回全体会議が開かれた。この小組の成立により、「深化改革」は政治、経済、文化、社会、環境(生態文明)の他、「党建改革(注 党建設改革という意味であろう)」と「国防・軍隊改革」に分けて行われることとなった。これを5+1+1の改革体制(改革架構)と呼んでいる(大公網、3月16日)。

習近平は総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の他に、すでに「全面深化改革小組」、「国家安全委員会」、「インターネットの安全・情報化小組」の長に就任していたが、それに加え「国防・軍隊改革小組」の長をも兼ねることとなり、権力集中の傾向がさらに強くなった。

2014.03.15

習近平の権力闘争?

習近平主席が、年初以来、中央政法工作会議、中央規律検査委員会全体会議、中央農村工作会議のすべての会議で「党の政法工作に対する指導」を重要中の重要事と位置付け、「旗幟鮮明に党の指導を堅持し、思想上、政治上、行動上自覚して党中央と高度の一致を保持しなければならない。中国の特色ある社会主義のもっとも本質的な特徴は中国共産党の指導である」と述べ、また、その際厳粛な言葉で「党の政法工作に対する指導を堅持することをめぐって、我々は深刻(厳粛)な政治闘争に直面している」と述べたことが注目されている。
中国のハイレベルに近い人が多維新聞の記者に語ったそうである(多維新聞は米国に本部がある中立的な新聞で報道は3月14日)。

直訳調で読みにくいかもしれないが、要するに、党政軍の権力を掌握し、さらに「全面深化改革小組」「国家安全委員会」「インターネットの安全および情報化小組」すべての主任になるなど権力を一身に集中させている習近平が、なぜ「共産党の指導」を繰り返し強調し、「政治闘争」に直面しているなどと大げさなことを言っているのかということがポイントであろう。
習近平が言っているのは何のことか。あえて推測すれば、前政治局常務委員の周永康の処分はすでに決着がついているというのが多数の見方であるが、その背後にある江沢民や曾慶紅の抵抗が強くて最後の結末をつけるのに難儀しているいということかと思われる。これだけでは材料が乏しすぎるのでいたずらに想像をたくましくすべきでないか。

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