オピニオン
2018.06.08
そもそも、「両首脳は北朝鮮の完全な非核化について合意した」というような文書に署名することはあり得ない。それだけであれば具体性に欠けるからだ。
2005年9月の6者協議共同声明は、北朝鮮の非核化に関しこれまで関係諸国が到達した最も内容のある合意だが、「朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること」と述べていた。今から思えば、具体性のない合意であった。
トランプ・金会談(以下TKS)でこのような文言が繰り返されるのであれば、会談は成功したことにならない。「大山鳴動、鼠ゼロ匹」と批判されるだろう。
TKSが成功とみなされるには、非核化の内容、検証の在り方および休戦協定の平和条約への転換について、具体的で明確な合意に達することが必要である。
米国や日本はCVIDを求めるべきだというが、CVIDだけではやはり具体性に欠けるのである。
以下、TKSが成功するのに必要な具体的内容を列挙する。
非核化については、まず、北朝鮮が保有する「すべての核兵器」の廃棄・処分でなければならない。「すべての」という形容詞がなく、単に「北朝鮮が保有する核兵器を廃棄する」であれば不十分だ。
北朝鮮は、段階的な廃棄を主張する可能性があるが、北朝鮮が一歩踏み出せば、米国も一歩進むというような形の合意であってはならない。それは、今までの経験からしてうまくいかないことが明らかだからであり、かりにそのような合意しか達成できないのであれば、TKSは失敗となろう。
廃棄には一定の時間が必要だということは別の問題であり、この点は認められるべきだ。しかし、時間が長くなりすぎると期限がないのと同じことになる危険が大きい。
今回のTKSでは、段階的廃棄ではなく、合理的な範囲内で廃棄の期限を明確に設定する必要がある。これができるかに会談の成功がかかっている。
今回、具体的な期限が決定できなければ、会談を再開して決定することはありうる。トランプ氏はそのことを想定して発言しているようだ。
廃棄以外の方法で非核化することもありうる。たとえば、核兵器の国外への持ち出しである。さらにほかの方法があるかもしれない。それらをすべて含めて「処分」と呼んでいるが、廃棄と同様の期限設定が必要である。
「関連施設」は、冷却塔、ウラン濃縮施設、実験場などかなりの数にのぼる。これらを一つずつ明記して廃棄することは、TKSには細かすぎる。しかし、「核関連施設」とか「核計画」などと包括的な名称で対象を示しつつその廃棄、ないし放棄することを明記すべきだろう。
非核化の対象地域は「北朝鮮」に絞るべきだ。これまでよく使われてきたのは「朝鮮半島の非核化」だが、そうする必要はないし、また、そうすれば、交渉が複雑化し合意が妨げられる危険がある。
原発など原子力の平和利用は普遍的な権利であり、国際法でも認められている。北朝鮮による原子力の平和利用問題をTKSが取り上げなくても失敗とみなすべきでない。
なお、1994年の米朝間のいわゆる枠組み合意では北朝鮮の原子力平和利用を認めていた。
北朝鮮側は廃棄・処分に要する費用の支払いを米側に求めてくる可能性がある。この問題もTKSが取り上げるかわからない。いずれにしても会談成功/失敗には関係ないだろう。
生物・化学兵器の廃棄を求めるべきだとの意見があるが、TKSでそれらについて合意を試みることは、北朝鮮が応じてくれば別だが、そうでない限り、深入りすべきでない。これらをも対象にすると、交渉が複雑化し、TKSの成功がより困難になるからだ。
核計画に関与した科学者を北朝鮮から国外へ移すとの意見もあるが、これも同じ理由で深入りすべきでない。しかも、科学者は将来育ってくることもありうるので、科学者を国外に移すことは北朝鮮の核開発の再開を不可能にする方法でなく、遅らせるだけの効果しかない。そのようなことによって交渉を遅らせたり、失敗させたりしてはならない。
以上は、北朝鮮が実行すべきことであるが、米国が北朝鮮に与えるべきことは後述する。
徹底した検証についての合意はTKSの成功に不可欠であるが、具体的な内容を盛り込もうとすれば、きわめて技術的、専門的な問題が出てくるので非常に扱いにくい。原則としては、「いつでも、どこでも」査察ができることと、正常な査察が北朝鮮側の原因でできなくなった場合、すべての合意は破棄されることが明確にされる必要がある。このような検証メカニズムが合意されれば、かつてのように、北朝鮮が軍事施設を理由に査察を拒否できなくなる。拒否すれば、すべての合意は崩れる。
北朝鮮の核不拡散条約(NPT)への復帰も必要だ。これが実現すると、北朝鮮に対する査察について法的な根拠が明確になる。
一方で、原子力の平和利用は北朝鮮の権利であることが明確になる。
米国が北朝鮮に与えるのは「国家承認」である。朝鮮戦争の休戦協定を「平和条約」に転換することとか、「不可侵協定」、「攻撃しないとの保証」などで表現されることもある。
メディアの一部には、「体制保証」を使う傾向がみられるが、「保証」は与える側が責任を持つことであり、「北朝鮮の体制」については、金体制であれ、共産主義体制であれ、あるいはその他の体制であれ、米国が「保証」することはあり得ない。米国はこの問題について「体制保証」に相当する言葉を使っていない。1994年の枠組み合意や前述の2005年共同声明が用いているのは、「米国が北朝鮮を攻撃しない」ということである。これであれば、「保証」と違って、米国が決めればできることである。また、トランプ大統領は「安全protection」と表現している。
米国が北朝鮮を承認するのは核兵器の廃棄が完了した時点とすべきだ。米国による北朝鮮の承認と北朝鮮による核兵器の廃棄は最終的目標である。
この目標を達成するためには、トランプ氏と金氏が複数回会談を重ねることもありうる。問題の困難性にかんがみると、むしろそのほうが自然である。
さらに、仮に将来、合意されたことが順守されない場合には、承認の条件が失われたことになるので、取り消されるべきである。このこともTKSで明確に合意すべきである。
6月12日に、非核化交渉が開始し、最終目標が達成されるまでの間、北朝鮮は制裁の解除を求めてくる可能性がある。米朝交渉の初めと終わりが明確になっているのであれば、制裁の解除は交渉次第であり、交渉成立に寄与するのであれば、米国が応じることはありうる。
ただこの問題についても、2005年の共同声明のように、「約束対約束、行動対行動」の原則を謳うことは避けなければならない。この原則は役に立たなかったからである。
米朝首脳会談が成功する条件
米朝首脳会談に向けて詰めの協議が進んでいる。トランプ大統領の最近の発言は準備が順調でないことを示唆しているとの観測が流れているが、「会談は1回で終わらない」とか「文書に署名するつもりはない」などの発言は、合意内容の詰めが進んでいることの表れである。そもそも、「両首脳は北朝鮮の完全な非核化について合意した」というような文書に署名することはあり得ない。それだけであれば具体性に欠けるからだ。
2005年9月の6者協議共同声明は、北朝鮮の非核化に関しこれまで関係諸国が到達した最も内容のある合意だが、「朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること」と述べていた。今から思えば、具体性のない合意であった。
トランプ・金会談(以下TKS)でこのような文言が繰り返されるのであれば、会談は成功したことにならない。「大山鳴動、鼠ゼロ匹」と批判されるだろう。
TKSが成功とみなされるには、非核化の内容、検証の在り方および休戦協定の平和条約への転換について、具体的で明確な合意に達することが必要である。
米国や日本はCVIDを求めるべきだというが、CVIDだけではやはり具体性に欠けるのである。
以下、TKSが成功するのに必要な具体的内容を列挙する。
非核化については、まず、北朝鮮が保有する「すべての核兵器」の廃棄・処分でなければならない。「すべての」という形容詞がなく、単に「北朝鮮が保有する核兵器を廃棄する」であれば不十分だ。
北朝鮮は、段階的な廃棄を主張する可能性があるが、北朝鮮が一歩踏み出せば、米国も一歩進むというような形の合意であってはならない。それは、今までの経験からしてうまくいかないことが明らかだからであり、かりにそのような合意しか達成できないのであれば、TKSは失敗となろう。
廃棄には一定の時間が必要だということは別の問題であり、この点は認められるべきだ。しかし、時間が長くなりすぎると期限がないのと同じことになる危険が大きい。
今回のTKSでは、段階的廃棄ではなく、合理的な範囲内で廃棄の期限を明確に設定する必要がある。これができるかに会談の成功がかかっている。
今回、具体的な期限が決定できなければ、会談を再開して決定することはありうる。トランプ氏はそのことを想定して発言しているようだ。
廃棄以外の方法で非核化することもありうる。たとえば、核兵器の国外への持ち出しである。さらにほかの方法があるかもしれない。それらをすべて含めて「処分」と呼んでいるが、廃棄と同様の期限設定が必要である。
「関連施設」は、冷却塔、ウラン濃縮施設、実験場などかなりの数にのぼる。これらを一つずつ明記して廃棄することは、TKSには細かすぎる。しかし、「核関連施設」とか「核計画」などと包括的な名称で対象を示しつつその廃棄、ないし放棄することを明記すべきだろう。
非核化の対象地域は「北朝鮮」に絞るべきだ。これまでよく使われてきたのは「朝鮮半島の非核化」だが、そうする必要はないし、また、そうすれば、交渉が複雑化し合意が妨げられる危険がある。
原発など原子力の平和利用は普遍的な権利であり、国際法でも認められている。北朝鮮による原子力の平和利用問題をTKSが取り上げなくても失敗とみなすべきでない。
なお、1994年の米朝間のいわゆる枠組み合意では北朝鮮の原子力平和利用を認めていた。
北朝鮮側は廃棄・処分に要する費用の支払いを米側に求めてくる可能性がある。この問題もTKSが取り上げるかわからない。いずれにしても会談成功/失敗には関係ないだろう。
生物・化学兵器の廃棄を求めるべきだとの意見があるが、TKSでそれらについて合意を試みることは、北朝鮮が応じてくれば別だが、そうでない限り、深入りすべきでない。これらをも対象にすると、交渉が複雑化し、TKSの成功がより困難になるからだ。
核計画に関与した科学者を北朝鮮から国外へ移すとの意見もあるが、これも同じ理由で深入りすべきでない。しかも、科学者は将来育ってくることもありうるので、科学者を国外に移すことは北朝鮮の核開発の再開を不可能にする方法でなく、遅らせるだけの効果しかない。そのようなことによって交渉を遅らせたり、失敗させたりしてはならない。
以上は、北朝鮮が実行すべきことであるが、米国が北朝鮮に与えるべきことは後述する。
徹底した検証についての合意はTKSの成功に不可欠であるが、具体的な内容を盛り込もうとすれば、きわめて技術的、専門的な問題が出てくるので非常に扱いにくい。原則としては、「いつでも、どこでも」査察ができることと、正常な査察が北朝鮮側の原因でできなくなった場合、すべての合意は破棄されることが明確にされる必要がある。このような検証メカニズムが合意されれば、かつてのように、北朝鮮が軍事施設を理由に査察を拒否できなくなる。拒否すれば、すべての合意は崩れる。
北朝鮮の核不拡散条約(NPT)への復帰も必要だ。これが実現すると、北朝鮮に対する査察について法的な根拠が明確になる。
一方で、原子力の平和利用は北朝鮮の権利であることが明確になる。
米国が北朝鮮に与えるのは「国家承認」である。朝鮮戦争の休戦協定を「平和条約」に転換することとか、「不可侵協定」、「攻撃しないとの保証」などで表現されることもある。
メディアの一部には、「体制保証」を使う傾向がみられるが、「保証」は与える側が責任を持つことであり、「北朝鮮の体制」については、金体制であれ、共産主義体制であれ、あるいはその他の体制であれ、米国が「保証」することはあり得ない。米国はこの問題について「体制保証」に相当する言葉を使っていない。1994年の枠組み合意や前述の2005年共同声明が用いているのは、「米国が北朝鮮を攻撃しない」ということである。これであれば、「保証」と違って、米国が決めればできることである。また、トランプ大統領は「安全protection」と表現している。
米国が北朝鮮を承認するのは核兵器の廃棄が完了した時点とすべきだ。米国による北朝鮮の承認と北朝鮮による核兵器の廃棄は最終的目標である。
この目標を達成するためには、トランプ氏と金氏が複数回会談を重ねることもありうる。問題の困難性にかんがみると、むしろそのほうが自然である。
さらに、仮に将来、合意されたことが順守されない場合には、承認の条件が失われたことになるので、取り消されるべきである。このこともTKSで明確に合意すべきである。
6月12日に、非核化交渉が開始し、最終目標が達成されるまでの間、北朝鮮は制裁の解除を求めてくる可能性がある。米朝交渉の初めと終わりが明確になっているのであれば、制裁の解除は交渉次第であり、交渉成立に寄与するのであれば、米国が応じることはありうる。
ただこの問題についても、2005年の共同声明のように、「約束対約束、行動対行動」の原則を謳うことは避けなければならない。この原則は役に立たなかったからである。
2018.05.25
翌日、北朝鮮の金桂寛第1外務次官は、「委任に従って」、つまり金委員長の指示によるとしつつ談話を発表した。
世界中の多くが実現を望んでいた米朝首脳会談の突然の取り消しは衝撃的であるが、米朝両国が北朝鮮の非核化に向け対話を進めるという大きな方向は今後も変わらないと思われる。そう考える理由は、双方ともお互いの立場にしっかりと配慮しあい、努力を認めあい、かつ今後対話が再開されることを希望しあっているからである。
いくつかの脚注を加えておきたい。
第1に、トランプ大統領が書簡で非難していることは、金委員長というよりむしろ北朝鮮である。そして、金委員長個人に配慮する言及をしている。
金次官の談話も、会談取り消しの決定は遺憾だとしつつ、トランプ大統領の努力をたたえ、評価している。
つまり、会談取り消しという事態になりながらも、トランプ氏と金氏はお互いにたたえ合っており、エールの交換とも見える言及をしているのである。
第2に、承認しあっていない二つの国家の指導者が考えを開陳するなかで、個人的にはお互いにたたえつつ、側近を非難するというのは奇妙なことである。世界のどこかに、かつてそのようなことがあったか、寡聞にして知らない。批判されたのは、北朝鮮では崔善姫外務次官と労働新聞、米国ではペンス副大統領やボルトン補佐官などである。
第3に、トランプ氏と金氏は、これまで個人的と言っても過言でない強いリーダーシップで対話に向かってきたが、問題発言をした側近に限らず、補佐をする人たち全体が指導者に追い付いていないのではないか。どちらの国内にも調整の必要が残っているのは何ら不思議でない。
第4に、トランプ氏は、今回の書簡に先立って、金委員長が第2回目の訪中後態度が変わったと不満を漏らしていたが、額面通りとることはできない。ポンペオ国務長官は金委員長が訪中から帰国した翌日に会見し、その結果に満足し、また、3人の米人の釈放に大喜びした。つまり、金・ポンペオ会談では、習近平主席がトランプ氏の気に入らないことを吹き込んでいた形跡はなかったのだ。ポンペオ氏と金氏との会談は首脳会談のために最も重要な準備の場であり、金氏の心変わりが現れるとすれば、この場からであるはずだ。
では、トランプ氏がなぜ中国のことに言及したかであるが、トランプ氏は、金氏との会談の準備を進めつつも、中国の問題、とくに貿易問題などが頭にあり、中国をけん制しようとしたのではないか。
第5に、文在寅大統領は、これまで巧みな外交を展開してきたが、今回はメンツをつぶされ、損な役回りになった。文氏がトランプ氏に会ったのはこの書簡のわずか2日前であったが、トランプ氏から事前に聞かされていなかったと思う。
ともかく、トランプ大統領は、書簡を締めくくるに際し、金委員長に「電話してほしい」と言わんばかりの言及をしている。
一方、金次官の談話は「我々は、いつでも、いかなる方式であれ対座して問題を解決する用意があることを米国側に改めて明らかにする」と述べ、米側が先に動くことを待つ姿勢である。両者の間には若干の距離があるが、次の展開が、いかなる形で起こるか注目される。
米朝首脳会談の取り消し
トランプ大統領は5月24日付で北朝鮮の金正恩委員長にあて書簡を送り、6月12日に予定されている米朝首脳会談を取り消す考えを示した。翌日、北朝鮮の金桂寛第1外務次官は、「委任に従って」、つまり金委員長の指示によるとしつつ談話を発表した。
世界中の多くが実現を望んでいた米朝首脳会談の突然の取り消しは衝撃的であるが、米朝両国が北朝鮮の非核化に向け対話を進めるという大きな方向は今後も変わらないと思われる。そう考える理由は、双方ともお互いの立場にしっかりと配慮しあい、努力を認めあい、かつ今後対話が再開されることを希望しあっているからである。
いくつかの脚注を加えておきたい。
第1に、トランプ大統領が書簡で非難していることは、金委員長というよりむしろ北朝鮮である。そして、金委員長個人に配慮する言及をしている。
金次官の談話も、会談取り消しの決定は遺憾だとしつつ、トランプ大統領の努力をたたえ、評価している。
つまり、会談取り消しという事態になりながらも、トランプ氏と金氏はお互いにたたえ合っており、エールの交換とも見える言及をしているのである。
第2に、承認しあっていない二つの国家の指導者が考えを開陳するなかで、個人的にはお互いにたたえつつ、側近を非難するというのは奇妙なことである。世界のどこかに、かつてそのようなことがあったか、寡聞にして知らない。批判されたのは、北朝鮮では崔善姫外務次官と労働新聞、米国ではペンス副大統領やボルトン補佐官などである。
第3に、トランプ氏と金氏は、これまで個人的と言っても過言でない強いリーダーシップで対話に向かってきたが、問題発言をした側近に限らず、補佐をする人たち全体が指導者に追い付いていないのではないか。どちらの国内にも調整の必要が残っているのは何ら不思議でない。
第4に、トランプ氏は、今回の書簡に先立って、金委員長が第2回目の訪中後態度が変わったと不満を漏らしていたが、額面通りとることはできない。ポンペオ国務長官は金委員長が訪中から帰国した翌日に会見し、その結果に満足し、また、3人の米人の釈放に大喜びした。つまり、金・ポンペオ会談では、習近平主席がトランプ氏の気に入らないことを吹き込んでいた形跡はなかったのだ。ポンペオ氏と金氏との会談は首脳会談のために最も重要な準備の場であり、金氏の心変わりが現れるとすれば、この場からであるはずだ。
では、トランプ氏がなぜ中国のことに言及したかであるが、トランプ氏は、金氏との会談の準備を進めつつも、中国の問題、とくに貿易問題などが頭にあり、中国をけん制しようとしたのではないか。
第5に、文在寅大統領は、これまで巧みな外交を展開してきたが、今回はメンツをつぶされ、損な役回りになった。文氏がトランプ氏に会ったのはこの書簡のわずか2日前であったが、トランプ氏から事前に聞かされていなかったと思う。
ともかく、トランプ大統領は、書簡を締めくくるに際し、金委員長に「電話してほしい」と言わんばかりの言及をしている。
一方、金次官の談話は「我々は、いつでも、いかなる方式であれ対座して問題を解決する用意があることを米国側に改めて明らかにする」と述べ、米側が先に動くことを待つ姿勢である。両者の間には若干の距離があるが、次の展開が、いかなる形で起こるか注目される。
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