中国
2016.11.02
11月1日、やはり仁川沖で、違法操業を取り締まっていた韓国の警備艇5隻が中国漁船に対し機関銃で600~700発銃撃した。警備艇の規模は3千~1千トンであった。韓国側の発表では、違法操業の中国船2隻を拿捕するため警備員が中国船に乗船していたところ、周辺にいた30隻の中国漁船が威嚇してきたので警備員の安全のために警告射撃を行った由。
注 この海域では時折、類似の事件が起こっている。北朝鮮と中国の船が衝突したこともあった。
(短文)韓国警備艇と中国漁船の衝突
10月7日、仁川市の西方の海上で、中国漁船が取り締まりに当たっていた韓国の高速警備艇に体当たりして沈没させる事件が発生した。警備艇に乗っていた隊員は救助された。11月1日、やはり仁川沖で、違法操業を取り締まっていた韓国の警備艇5隻が中国漁船に対し機関銃で600~700発銃撃した。警備艇の規模は3千~1千トンであった。韓国側の発表では、違法操業の中国船2隻を拿捕するため警備員が中国船に乗船していたところ、周辺にいた30隻の中国漁船が威嚇してきたので警備員の安全のために警告射撃を行った由。
注 この海域では時折、類似の事件が起こっている。北朝鮮と中国の船が衝突したこともあった。
2016.11.01
第1に、大統領に退陣を要求するデモはまことに激しい。帰国した同大統領の「友人の女性」、チェ・スンシル氏はデモ隊と取材記者の洪水で押しつぶされそうになり、脱げた靴を履きなおす余裕もないくらいだ。しかし、これまで判明していることと比べ、この批判の波は大きすぎはしないか。
「ミル」という財団の設立に際して大統領府が不正に便宜を図ったのではないかという疑惑はたしかに浮かんでいる。問題があったことを裏付けるいくつかの関連事実も挙げられている。
しかし、朴槿恵大統領がチェ・スンシルに「操られている」ということについては、父親同士からの関係で、かつ、新興宗教の影響があったことなど様々なことが言われているが、疑問だ。私は韓国政治に全く縁がなく、朴槿恵大統領の肩を持つわけではないが、同大統領は強い人だと思う。孤独であったことも自叙伝からうかがわれるが、そんな時、枕元に置いてある中国の古典を見ていたそうだ。四書五経のような有名な本ではない。普通の人は知らない古典だ。そのような人が、親しい友人であり、父親が宗教家であるとはいえ、チェ・スンシル氏の「操り人形」になるか。中国の古典の例は否定するほどの根拠でないが、簡単に「操り人形」説を信じるわけにいかない。
第2に、朴槿恵大統領は秘密文書を渡したことを認め、謝罪した。また、チェ・スンシルも大きな罪を犯したことを自認した。どちらも謝罪するのが非常に早かった。それで批判を抑えられると思ったのか。実際にはそのような効果はあげられなかったようだが、早々と謝罪したことは一種の政治的ジェスチャーのような気もする。
さらに、朴槿恵大統領はチェ・スンシルに近い側近の秘書官3名を更迭した。チェ・スンシルが送り込んだとも言われている秘書官で、評判は悪かったそうだ。
ともかく、朴槿恵大統領の動きは速い。これは韓国に特有のことか。前任の李明博大統領は、野田首相が慰安婦問題についてなかなか動かないので激怒した。
第3に、外交面でチェ・スンシルの影響は認められるか。今のところは、そのようなことはなさそうだ。外交と言えば、朴槿恵政権の初期においては日本に対する厳しい姿勢が目立った。しかし、今から約1年前から韓国の外交姿勢は日本に友好的・協力的になった。急展開したと言っても過言でないだろう。初期も後期も朴槿恵大統領自身の考えであったと思う。少なくとも、チェ・スンシルが一定の影響力を行使したという形跡は皆無であろう。
以上3つの疑問は、部分的には断定して書いたが、基本的にはさらに検証すべきことだ。前任の李明博大統領、さらにその前の廬武鉉大統領とは逆に、朴槿恵大統領は任期の後半において親日的な姿勢を見せている。だんだんよくなってきたのだ。知人との関係で確かに過ちを犯したが、日韓関係に悪影響が及ばないことを願いたい。
(短評)朴槿恵韓国大統領の窮状
朴槿恵大統領が私人に秘密文書を渡していたことが発覚し、韓国内で猛烈な批判が起こっている。同大統領の支持率は危険な水準まで落ちているそうだが、いくつか考えておきたいことがある。第1に、大統領に退陣を要求するデモはまことに激しい。帰国した同大統領の「友人の女性」、チェ・スンシル氏はデモ隊と取材記者の洪水で押しつぶされそうになり、脱げた靴を履きなおす余裕もないくらいだ。しかし、これまで判明していることと比べ、この批判の波は大きすぎはしないか。
「ミル」という財団の設立に際して大統領府が不正に便宜を図ったのではないかという疑惑はたしかに浮かんでいる。問題があったことを裏付けるいくつかの関連事実も挙げられている。
しかし、朴槿恵大統領がチェ・スンシルに「操られている」ということについては、父親同士からの関係で、かつ、新興宗教の影響があったことなど様々なことが言われているが、疑問だ。私は韓国政治に全く縁がなく、朴槿恵大統領の肩を持つわけではないが、同大統領は強い人だと思う。孤独であったことも自叙伝からうかがわれるが、そんな時、枕元に置いてある中国の古典を見ていたそうだ。四書五経のような有名な本ではない。普通の人は知らない古典だ。そのような人が、親しい友人であり、父親が宗教家であるとはいえ、チェ・スンシル氏の「操り人形」になるか。中国の古典の例は否定するほどの根拠でないが、簡単に「操り人形」説を信じるわけにいかない。
第2に、朴槿恵大統領は秘密文書を渡したことを認め、謝罪した。また、チェ・スンシルも大きな罪を犯したことを自認した。どちらも謝罪するのが非常に早かった。それで批判を抑えられると思ったのか。実際にはそのような効果はあげられなかったようだが、早々と謝罪したことは一種の政治的ジェスチャーのような気もする。
さらに、朴槿恵大統領はチェ・スンシルに近い側近の秘書官3名を更迭した。チェ・スンシルが送り込んだとも言われている秘書官で、評判は悪かったそうだ。
ともかく、朴槿恵大統領の動きは速い。これは韓国に特有のことか。前任の李明博大統領は、野田首相が慰安婦問題についてなかなか動かないので激怒した。
第3に、外交面でチェ・スンシルの影響は認められるか。今のところは、そのようなことはなさそうだ。外交と言えば、朴槿恵政権の初期においては日本に対する厳しい姿勢が目立った。しかし、今から約1年前から韓国の外交姿勢は日本に友好的・協力的になった。急展開したと言っても過言でないだろう。初期も後期も朴槿恵大統領自身の考えであったと思う。少なくとも、チェ・スンシルが一定の影響力を行使したという形跡は皆無であろう。
以上3つの疑問は、部分的には断定して書いたが、基本的にはさらに検証すべきことだ。前任の李明博大統領、さらにその前の廬武鉉大統領とは逆に、朴槿恵大統領は任期の後半において親日的な姿勢を見せている。だんだんよくなってきたのだ。知人との関係で確かに過ちを犯したが、日韓関係に悪影響が及ばないことを願いたい。
2016.10.18
「北朝鮮が今年に入り2回目の核実験を行った。ミサイルは今年だけで既に20発超発射している。いずれも国連安全保障理事会決議に違反する重大な行為だが、今後さらに計6回目となる核実験を行う可能性もあると報じられている。
北朝鮮のこのような行動は日本など周辺の国にとって危険極まりない。日本の排他的経済水域(EEZ)へ落下したミサイルもあるという。かつては、日本上空を飛び越えて太平洋に向かっていったミサイルもあった。
安倍晋三首相、オバマ米大統領および韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は今回の核実験を受け、緊急に連絡を取り合い、北朝鮮を「最大限強く非難」した。国連安保理では新しい制裁決議の採択を目指した協議が続いている。
今年3月に採択された安保理決議は「史上最強」と言われるほど強い内容だったが、全ての関係国が忠実に実行することが前提だった。
しかし、北朝鮮に対し強い影響力のある中国は今も北朝鮮と取引を続けていると伝えられており、決議の履行には問題がある。最近訪朝した人も北朝鮮は一向に困窮している様子ではないと語っていた。
新しい決議には、強力な追加制裁とその実効性を担保するメカニズムを盛り込むことが肝要だ。米国は単独でも強い措置を取れる。例えば、北朝鮮と取引する企業を米国で活動できなくする単独制裁が挙げられる。オバマ大統領は北朝鮮に重大な代償を払わせると主張しており、それを裏書きする行為となる。
並行して、中国が安保理決議を本気で実行することが絶対的に必要だ。今回の核実験後、中国は北朝鮮に抗議したが、口先だけでなく本心から北朝鮮への働き掛けを強めてもらいたい。
しかし、私はそれでもまだ足りないと思っている。これらの措置では北朝鮮問題の核心に迫ることができないからだ。
北朝鮮には、国家の安全を確保しなければならないという究極の問題がある。そんな国は他にはまずないだろう。各国から見れば北朝鮮が各国に脅威を与えており、まるで正反対の状況に見えるだろうが、北朝鮮が安全を確保できていないと感じているのは事実だ。
この問題を解決できるのは、米国だけだ。中国は既に北朝鮮という国を承認している。
米国はグローバルパワーとして世界各地で多大な犠牲と負担を強いられており、各国の十分な理解と協力が必要だ。だが、北朝鮮の安全保障問題は米国以外、他のどの国にも解決できない。
米国は中国が真剣に決議を履行すれば北朝鮮の核・ミサイル問題を解決できるとの立場だが、中国が米国に代わって北朝鮮を認めることはできないのは自明の理である。
北朝鮮の核と弾道ミサイルはいかなる理由でも認められないが、北朝鮮に核兵器を放棄させるには安全保障問題の根本的な解決が不可欠だ。
米国は嫌がるかもしれないが、真の問題解決には米国が北朝鮮と平和条約交渉を行い、核兵器を放棄させるしかない。日朝平壌宣言の調印から14年が過ぎた。核・ミサイルに加え、拉致の問題を抱える日本も米国を説得するべきだ。」
北朝鮮による5回目の核実験
北朝鮮が9月9日に行った第5回目の核実験の後で共同通信の「識者評論」に寄稿した一文です。「北朝鮮が今年に入り2回目の核実験を行った。ミサイルは今年だけで既に20発超発射している。いずれも国連安全保障理事会決議に違反する重大な行為だが、今後さらに計6回目となる核実験を行う可能性もあると報じられている。
北朝鮮のこのような行動は日本など周辺の国にとって危険極まりない。日本の排他的経済水域(EEZ)へ落下したミサイルもあるという。かつては、日本上空を飛び越えて太平洋に向かっていったミサイルもあった。
安倍晋三首相、オバマ米大統領および韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は今回の核実験を受け、緊急に連絡を取り合い、北朝鮮を「最大限強く非難」した。国連安保理では新しい制裁決議の採択を目指した協議が続いている。
今年3月に採択された安保理決議は「史上最強」と言われるほど強い内容だったが、全ての関係国が忠実に実行することが前提だった。
しかし、北朝鮮に対し強い影響力のある中国は今も北朝鮮と取引を続けていると伝えられており、決議の履行には問題がある。最近訪朝した人も北朝鮮は一向に困窮している様子ではないと語っていた。
新しい決議には、強力な追加制裁とその実効性を担保するメカニズムを盛り込むことが肝要だ。米国は単独でも強い措置を取れる。例えば、北朝鮮と取引する企業を米国で活動できなくする単独制裁が挙げられる。オバマ大統領は北朝鮮に重大な代償を払わせると主張しており、それを裏書きする行為となる。
並行して、中国が安保理決議を本気で実行することが絶対的に必要だ。今回の核実験後、中国は北朝鮮に抗議したが、口先だけでなく本心から北朝鮮への働き掛けを強めてもらいたい。
しかし、私はそれでもまだ足りないと思っている。これらの措置では北朝鮮問題の核心に迫ることができないからだ。
北朝鮮には、国家の安全を確保しなければならないという究極の問題がある。そんな国は他にはまずないだろう。各国から見れば北朝鮮が各国に脅威を与えており、まるで正反対の状況に見えるだろうが、北朝鮮が安全を確保できていないと感じているのは事実だ。
この問題を解決できるのは、米国だけだ。中国は既に北朝鮮という国を承認している。
米国はグローバルパワーとして世界各地で多大な犠牲と負担を強いられており、各国の十分な理解と協力が必要だ。だが、北朝鮮の安全保障問題は米国以外、他のどの国にも解決できない。
米国は中国が真剣に決議を履行すれば北朝鮮の核・ミサイル問題を解決できるとの立場だが、中国が米国に代わって北朝鮮を認めることはできないのは自明の理である。
北朝鮮の核と弾道ミサイルはいかなる理由でも認められないが、北朝鮮に核兵器を放棄させるには安全保障問題の根本的な解決が不可欠だ。
米国は嫌がるかもしれないが、真の問題解決には米国が北朝鮮と平和条約交渉を行い、核兵器を放棄させるしかない。日朝平壌宣言の調印から14年が過ぎた。核・ミサイルに加え、拉致の問題を抱える日本も米国を説得するべきだ。」
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