オピニオン
2017.02.21
○倉田ちひろ氏より
「駐韓大使の一時帰国
THE PAGEに寄稿した一文
を拝読しましたが、あまりにも世論とのずれを感じました。
今や韓国に対する国民感情は低下、断交しろと言う大袈裟な意見に対しても、全否定する人は少数です。
失礼ですが、日本は終戦後、ずっと「へたれ外交」を続けて、この国は「米国の犬」のみならず、「媚中」「媚韓」と言われ続けてます。
半日活動を国を挙げて行っている中国と韓国に対して、強い態度にも出れない考えには、本当にうんざりしています。
この記事が、元外務相の方が書かれていると言うことで、未だに外務省のへたれっぷりが健在なのかと、残念な気持ちになりました。
日本を貶める国に対して、こんな媚びた態度でどうするんですか。
戦後70年を超え、そろそろ考え直していただきたいです。
断交しろとまでは言いませんが、そうなってもやむない、と思っています。
そう言う世論が、芽生えています。」
○匿名希望の某氏より
「駐韓日本大使の「一時帰国」が続くとどんな影響が出る?
の記事について。
今現在大使を一時帰国させているのは、韓国に対して誠意をもって国がした約束を守れという事を促している。
国の下約束を守れないのであれば、どうのような条約、合意、協議も無駄である。
つまりだ、大使が居たって無駄って事だ。
これを理解させるために一時帰国させているのに、事態が全く進捗していないのに大使を返してどうする?
今大使を帰任させたところで、日韓の国交にとって百害一利無しだ。」
「駐韓大使の一時帰国」へのご意見
「駐韓大使の一時帰国」に対しつぎのご意見が寄せられました。○倉田ちひろ氏より
「駐韓大使の一時帰国
THE PAGEに寄稿した一文
を拝読しましたが、あまりにも世論とのずれを感じました。
今や韓国に対する国民感情は低下、断交しろと言う大袈裟な意見に対しても、全否定する人は少数です。
失礼ですが、日本は終戦後、ずっと「へたれ外交」を続けて、この国は「米国の犬」のみならず、「媚中」「媚韓」と言われ続けてます。
半日活動を国を挙げて行っている中国と韓国に対して、強い態度にも出れない考えには、本当にうんざりしています。
この記事が、元外務相の方が書かれていると言うことで、未だに外務省のへたれっぷりが健在なのかと、残念な気持ちになりました。
日本を貶める国に対して、こんな媚びた態度でどうするんですか。
戦後70年を超え、そろそろ考え直していただきたいです。
断交しろとまでは言いませんが、そうなってもやむない、と思っています。
そう言う世論が、芽生えています。」
○匿名希望の某氏より
「駐韓日本大使の「一時帰国」が続くとどんな影響が出る?
の記事について。
今現在大使を一時帰国させているのは、韓国に対して誠意をもって国がした約束を守れという事を促している。
国の下約束を守れないのであれば、どうのような条約、合意、協議も無駄である。
つまりだ、大使が居たって無駄って事だ。
これを理解させるために一時帰国させているのに、事態が全く進捗していないのに大使を返してどうする?
今大使を帰任させたところで、日韓の国交にとって百害一利無しだ。」
2017.02.21
「慰安婦少女像をめぐって日本政府が長嶺駐韓大使と森本在釜山総領事を一時帰国させて1か月がたちます。ソウルの日本大使館前に像が設置されたのが5年前の2011年、日韓両政府が慰安婦問題の最終的解決に合意し、韓国政府が慰安婦少女像について「適切に解決されるよう努力する」と明言したのが2015年、そして釜山の日本総領事館前に新しい像が設置されたのが昨年。5年以上もこの問題は未解決となっており、しかも状況はさらに悪化しています。
長嶺大使らを一時帰国させたことについては賛否両論がありましたが、日本政府は長く我慢を強いられてきたことであり、韓国政府に強く抗議し、また迅速な対応を促すためにやむを得ないことだったと思います。
大使の一時帰国について国際的なルールはありません。日本は2010年にロシア・メドベージェフ大統領(当時)が北方領土を訪問した際や、2012年に韓国・李明博大統領(同)が竹島を訪問した際に大使を一時帰国させたことがありましたが、1週間前後で帰任させました。
なお、大使を「召喚」することもあります。これは一時的な措置という意味合いはなく、外交関係断絶に発展してもやむを得ないという覚悟で呼び戻す場合に使われることが多いです。これに比べれば、「一時帰国」は単に事務的な理由からも行われることなので深刻な事態とは限りません。
しかしながら、長嶺大使らをこれ以上日本にとどめておくのがよいか、疑問です。
大使は少女像問題の解決だけが任務なのではありません。長嶺大使らは日本国を代表し、韓国において日本に対する理解の増進を図り、また、日本が韓国を正しく理解するよう努めることが任務です。さらに、日本と韓国の間の経済・文化交流の状況をしっかりとフォローし、必要に応じて対応しなければなりません。たとえば、日本側が不利になることがあれば韓国政府と協議して正さなければなりません。そのため、大使や総領事は大統領以下の韓国政府要人と常に意思疎通をよくしておくことが必要です。
長嶺大使が一時帰国している間、ソウルの日本大使館では公使が大使の代理となっていますが、それはあくまで臨時の措置であり、どんなに頑張っても大使のようなわけにはいきません。大使は一言でいえば日本を代表していますが、公使は大使を補佐するのが役割であり、その違いは非常に大きいです。北朝鮮によるミサイル発射のような挑発的行動への対処の面で日韓両政府は常に連携、協力し合っていますが、大使が不在であると韓国政府のハイレベル要人との協議などにも困難が生じるでしょう。会える人も格下になる恐れがあります。要するに、困難な問題であるほど大使が外相など韓国政府の責任者と直接交渉して解決策を探る必要があるのです。
また、長嶺大使らが長期間任地を離れていることに韓国民の間でも不満の声が上がっています。少女像の問題を別にすれば、韓国民がそのように思うのはもっともな面があります。
一方、韓国においては、昨年秋以来の朴槿恵大統領の側近をめぐるスキャンダルから発して朴大統領が議会において弾劾され、その職務が停止されました。黄教安首相が大統領代行を務めていますが、大きな政策を打ち出すことはできません。代行が大統領の職務を代わって行えないのは大使の臨時代理以上でしょう。
韓国がこのような状況に立ち至っているときに日韓両国間で厄介な問題が生じたことは不幸なことですが、慰安婦少女像問題も野党の主張などから再燃した面があり、韓国の政情と絡み合っているようです。
しかしながら、慰安婦像問題はあくまで他の問題と区別し、切り離して早期の解決を図るべきです。日本と韓国の間には、慰安婦少女像以外に、金融・通貨に関するスワップ(交換)、盗難文化財の返還など解決を要する問題があります。
政情困難の中ではありますが、長嶺大使らには早期に帰任して諸問題の解決に取り組んでもらいたいと思います。」
駐韓大使の一時帰国
THE PAGEに寄稿した一文「慰安婦少女像をめぐって日本政府が長嶺駐韓大使と森本在釜山総領事を一時帰国させて1か月がたちます。ソウルの日本大使館前に像が設置されたのが5年前の2011年、日韓両政府が慰安婦問題の最終的解決に合意し、韓国政府が慰安婦少女像について「適切に解決されるよう努力する」と明言したのが2015年、そして釜山の日本総領事館前に新しい像が設置されたのが昨年。5年以上もこの問題は未解決となっており、しかも状況はさらに悪化しています。
長嶺大使らを一時帰国させたことについては賛否両論がありましたが、日本政府は長く我慢を強いられてきたことであり、韓国政府に強く抗議し、また迅速な対応を促すためにやむを得ないことだったと思います。
大使の一時帰国について国際的なルールはありません。日本は2010年にロシア・メドベージェフ大統領(当時)が北方領土を訪問した際や、2012年に韓国・李明博大統領(同)が竹島を訪問した際に大使を一時帰国させたことがありましたが、1週間前後で帰任させました。
なお、大使を「召喚」することもあります。これは一時的な措置という意味合いはなく、外交関係断絶に発展してもやむを得ないという覚悟で呼び戻す場合に使われることが多いです。これに比べれば、「一時帰国」は単に事務的な理由からも行われることなので深刻な事態とは限りません。
しかしながら、長嶺大使らをこれ以上日本にとどめておくのがよいか、疑問です。
大使は少女像問題の解決だけが任務なのではありません。長嶺大使らは日本国を代表し、韓国において日本に対する理解の増進を図り、また、日本が韓国を正しく理解するよう努めることが任務です。さらに、日本と韓国の間の経済・文化交流の状況をしっかりとフォローし、必要に応じて対応しなければなりません。たとえば、日本側が不利になることがあれば韓国政府と協議して正さなければなりません。そのため、大使や総領事は大統領以下の韓国政府要人と常に意思疎通をよくしておくことが必要です。
長嶺大使が一時帰国している間、ソウルの日本大使館では公使が大使の代理となっていますが、それはあくまで臨時の措置であり、どんなに頑張っても大使のようなわけにはいきません。大使は一言でいえば日本を代表していますが、公使は大使を補佐するのが役割であり、その違いは非常に大きいです。北朝鮮によるミサイル発射のような挑発的行動への対処の面で日韓両政府は常に連携、協力し合っていますが、大使が不在であると韓国政府のハイレベル要人との協議などにも困難が生じるでしょう。会える人も格下になる恐れがあります。要するに、困難な問題であるほど大使が外相など韓国政府の責任者と直接交渉して解決策を探る必要があるのです。
また、長嶺大使らが長期間任地を離れていることに韓国民の間でも不満の声が上がっています。少女像の問題を別にすれば、韓国民がそのように思うのはもっともな面があります。
一方、韓国においては、昨年秋以来の朴槿恵大統領の側近をめぐるスキャンダルから発して朴大統領が議会において弾劾され、その職務が停止されました。黄教安首相が大統領代行を務めていますが、大きな政策を打ち出すことはできません。代行が大統領の職務を代わって行えないのは大使の臨時代理以上でしょう。
韓国がこのような状況に立ち至っているときに日韓両国間で厄介な問題が生じたことは不幸なことですが、慰安婦少女像問題も野党の主張などから再燃した面があり、韓国の政情と絡み合っているようです。
しかしながら、慰安婦像問題はあくまで他の問題と区別し、切り離して早期の解決を図るべきです。日本と韓国の間には、慰安婦少女像以外に、金融・通貨に関するスワップ(交換)、盗難文化財の返還など解決を要する問題があります。
政情困難の中ではありますが、長嶺大使らには早期に帰任して諸問題の解決に取り組んでもらいたいと思います。」
2017.02.13
なお、その中では触れていませんが、北朝鮮によるミサイル発射について両首脳は特別の記者会見でそろって抗議・非難しました。その時にも思ったのですが、トランプ大統領は安倍首相のいうことは何でも聞くという方針ではないかと思われます。そうであれば、米国として北朝鮮政策を見直すよう日本からアドバイスする絶好の機会です。
「2月10日、安倍首相はトランプ大統領と初めての首脳会談を行いました。トランプ大統領は今回の首脳会談でどのような出方を見せるか、懸念を持って見守っていた人は少なくなかったでしょう。
しかし、安倍首相と会談したトランプ大統領は、一言で言えば、我々日本人が心に描く理想的な大統領であり、今回は日本に対する無理な要求はしませんでした。
両首脳の会談は約40分間でした。その後に約1時間のワーキングランチがありましたが、重要な話し合いは40分の間に行われたはずです。かりに両首脳が同じ長さの発言をしたならば、各20分、しかも通訳がつきますから一人の発言時間はそれぞれ10分強でした。この持ち時間で話せることは最重要問題だけで、しかも原則的なことしか説明できないでしょう。外務省は会談の概要(以下単に「概要」)を発表していますが、おそらく会談のほとんどすべてがそれに含まれていると思います。
今次会談終了後両首脳は共同記者会見を行いました。さらに日米両国の共同声明も発表されました。共同会見はどの首脳会談でも行われますが、共同声明が発表されるのは時と場合によりまちまちです。傾向としては重要な会談では共同声明が発表されることが多いでしょう。
今回の共同声明の内容はこれから述べるように申し分のないものですが、いちじるしく官僚的であり、細かいことも含んでいます。両首脳はもちろんその内容を承知し、了承しているでしょうが、彼ら自身の議論を反映しているか疑問です。それより「概要」の方が実際の会談内容と雰囲気をよく表していると思います。
会談の内容については、まず経済面では、安倍首相は日本企業の米国における投資や雇用の創出について実情をよく説明しました。このことは「概要」にも共同声明にも明確に反映されています。一方、トランプ大統領は日本企業が米国の雇用を奪っていることなどの持論を封印しました。
また、安倍首相が米国へ向け出発する前、日本企業による米国での投資と雇用創出に関するパッケージ案を持参するとのうわさが流れたことがあり、米国でも期待感が生まれていましたが、パッケージ案の提示はなかったようです。両首脳が合意した「麻生副総理とペンス副大統領の下での経済対話」で今後協議が行われていくものと思われます。
政治・安全保障面では、両首脳は東シナ海・南シナ海での拡張的行動や北朝鮮による核・ミサイルの開発を取り上げて議論し、「懸念を共有」しました。また、両首脳は日米安保条約と在日米軍の役割を再確認しました。
尖閣諸島については安保条約が適用されることをとくに確認し、また「同諸島に対する 日本の施政を損なおうとするいかなる一方的行動にも反対する(共同声明)」ことが合意されました。
今回の首脳会談は日本側の主張をほぼ全面的に受け入れたと見てよいでしょうが、米国、特にトランプ大統領が日本と関係をどう見ているか、どのような期待を抱いているかにも注意が必要です。
トランプ大統領がかねてからの持論を封印したことは繰り返しませんが、同大統領にとって重要なことは、国内外から批判を受けて孤立気味になっている中で、「馬が合う」安倍首相をひきつけ日本を米国の最良の味方にすることだったと思います。首脳会談が終わってからなお2日間、ゴルフや会食で共に過ごすことは前代未聞ですが、トランプ大統領はかねてからゴルフ場で親しくなることを重視しており、今回の接待はまさにトランプ氏らしいものです。
これに対し、安倍首相が積極的に応えることは当然とも考えられますが、トランプ大統領はあまりにも予測困難です。移民制限の大統領令など米国内でトランプ氏の政策に強く批判、反対する人が多いことも問題ですが、対外面の問題もあります。トランプ大統領は、日本に異例の好意的姿勢をみせつつ、中国の習近平主席に書簡を送り、また電話でも会談し、中国が問題視していた「一つの中国」に縛られないという発言も封印しました。トランプ大統領は全般的に中国に非常に批判的ですが、日本と中国とのバランスにも気配りをしています。
経済面では、今後の成り行きいかんではトランプ氏の持論が表面に出てきて貿易などで譲歩を迫ってくる可能性があります。麻生副首相とペンス副大統領の話し合いを建設的に進めることが必要です。
安倍首相とトランプ大統領は初めて会ってから短い時間ですが、ハグを繰り返し、また長い握手をするなどどの国の首脳も真似できない親密な関係を築いたようです。しかし、最初がよすぎるとそれを維持していくのは大変だということもあります。安倍首相が強烈な個性のトランプ大統領との間で、今後も積極的かつ慎重に日米関係を発展させていくことが期待されます。
米新政権として初の日米首脳会談
安倍首相とトランプ大統領の会談に関する評価をザ・ページに寄稿しました。以下の通りです。なお、その中では触れていませんが、北朝鮮によるミサイル発射について両首脳は特別の記者会見でそろって抗議・非難しました。その時にも思ったのですが、トランプ大統領は安倍首相のいうことは何でも聞くという方針ではないかと思われます。そうであれば、米国として北朝鮮政策を見直すよう日本からアドバイスする絶好の機会です。
「2月10日、安倍首相はトランプ大統領と初めての首脳会談を行いました。トランプ大統領は今回の首脳会談でどのような出方を見せるか、懸念を持って見守っていた人は少なくなかったでしょう。
しかし、安倍首相と会談したトランプ大統領は、一言で言えば、我々日本人が心に描く理想的な大統領であり、今回は日本に対する無理な要求はしませんでした。
両首脳の会談は約40分間でした。その後に約1時間のワーキングランチがありましたが、重要な話し合いは40分の間に行われたはずです。かりに両首脳が同じ長さの発言をしたならば、各20分、しかも通訳がつきますから一人の発言時間はそれぞれ10分強でした。この持ち時間で話せることは最重要問題だけで、しかも原則的なことしか説明できないでしょう。外務省は会談の概要(以下単に「概要」)を発表していますが、おそらく会談のほとんどすべてがそれに含まれていると思います。
今次会談終了後両首脳は共同記者会見を行いました。さらに日米両国の共同声明も発表されました。共同会見はどの首脳会談でも行われますが、共同声明が発表されるのは時と場合によりまちまちです。傾向としては重要な会談では共同声明が発表されることが多いでしょう。
今回の共同声明の内容はこれから述べるように申し分のないものですが、いちじるしく官僚的であり、細かいことも含んでいます。両首脳はもちろんその内容を承知し、了承しているでしょうが、彼ら自身の議論を反映しているか疑問です。それより「概要」の方が実際の会談内容と雰囲気をよく表していると思います。
会談の内容については、まず経済面では、安倍首相は日本企業の米国における投資や雇用の創出について実情をよく説明しました。このことは「概要」にも共同声明にも明確に反映されています。一方、トランプ大統領は日本企業が米国の雇用を奪っていることなどの持論を封印しました。
また、安倍首相が米国へ向け出発する前、日本企業による米国での投資と雇用創出に関するパッケージ案を持参するとのうわさが流れたことがあり、米国でも期待感が生まれていましたが、パッケージ案の提示はなかったようです。両首脳が合意した「麻生副総理とペンス副大統領の下での経済対話」で今後協議が行われていくものと思われます。
政治・安全保障面では、両首脳は東シナ海・南シナ海での拡張的行動や北朝鮮による核・ミサイルの開発を取り上げて議論し、「懸念を共有」しました。また、両首脳は日米安保条約と在日米軍の役割を再確認しました。
尖閣諸島については安保条約が適用されることをとくに確認し、また「同諸島に対する 日本の施政を損なおうとするいかなる一方的行動にも反対する(共同声明)」ことが合意されました。
今回の首脳会談は日本側の主張をほぼ全面的に受け入れたと見てよいでしょうが、米国、特にトランプ大統領が日本と関係をどう見ているか、どのような期待を抱いているかにも注意が必要です。
トランプ大統領がかねてからの持論を封印したことは繰り返しませんが、同大統領にとって重要なことは、国内外から批判を受けて孤立気味になっている中で、「馬が合う」安倍首相をひきつけ日本を米国の最良の味方にすることだったと思います。首脳会談が終わってからなお2日間、ゴルフや会食で共に過ごすことは前代未聞ですが、トランプ大統領はかねてからゴルフ場で親しくなることを重視しており、今回の接待はまさにトランプ氏らしいものです。
これに対し、安倍首相が積極的に応えることは当然とも考えられますが、トランプ大統領はあまりにも予測困難です。移民制限の大統領令など米国内でトランプ氏の政策に強く批判、反対する人が多いことも問題ですが、対外面の問題もあります。トランプ大統領は、日本に異例の好意的姿勢をみせつつ、中国の習近平主席に書簡を送り、また電話でも会談し、中国が問題視していた「一つの中国」に縛られないという発言も封印しました。トランプ大統領は全般的に中国に非常に批判的ですが、日本と中国とのバランスにも気配りをしています。
経済面では、今後の成り行きいかんではトランプ氏の持論が表面に出てきて貿易などで譲歩を迫ってくる可能性があります。麻生副首相とペンス副大統領の話し合いを建設的に進めることが必要です。
安倍首相とトランプ大統領は初めて会ってから短い時間ですが、ハグを繰り返し、また長い握手をするなどどの国の首脳も真似できない親密な関係を築いたようです。しかし、最初がよすぎるとそれを維持していくのは大変だということもあります。安倍首相が強烈な個性のトランプ大統領との間で、今後も積極的かつ慎重に日米関係を発展させていくことが期待されます。
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