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2014.03.27

中国不動産市場の過熱

中国各地で建造しても入居者がいないマンションや建築が中断されている建物が問題となっている。英デーリー・テレグラフ紙は17日、中国の『経済日報』に基づき、寧波の不動産開発業者、浙江興潤不動産購入投資会社が5.7億元の負債をかかえ倒産の危機に瀕していることを報道している。野村証券の張智威によれば、「これは近年破産の危機に瀕した最大の不動産開発業者だ。不動産市場の激烈な調整は中国のシステム危機に発展する恐れがある。三四線(北京と上海は一線、天津は二線)の都市で特に危険が大きい。これらの都市での住宅建設は、2013年に全国の67%を占めている」「入居者がいない、あるいは建築が途中で中断している「鬼城」はオルドス(内蒙古)、温州からさらに8つの都市に広がっている。遼東半島の営口の不動産開発業者3社は半分建てただけで放棄し、外地へ逃れている。冀州と銅川も同様である」(多維新聞3月19日付)

「鬼城」については新華社など政府系メディアも報道している。問題はその程度であり、このアナリストの見方は、それが今後さらに悪化し、中国のシステム危機に発展する恐れがあるというものである。そこまで悪化するとは言えないにしても、不動産問題は地方政府の財政収入、農民の生活手段の喪失などの危険を伴う、現中国経済の主要問題の一つである。

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2014.03.26

日米韓首脳会談

25日(ハーグ現地時間)、日米韓の首脳会談が実現したことは積極的な第1歩である。しかし、これが日韓首脳会談につながるか疑問がある。今回の3ヵ国首脳会談では、東アジアの安全や北朝鮮の問題など3カ国共通の話題について議論することは会談前から決まっていたらしく、メディアなどにもそのことが伝わっていた。しかし、日韓間の懸案が解決に向け進んだのではないのである。
今後日韓首脳会談は実現するか。安倍首相はいつでも首脳会談に応じると言っているし、今後もそうであろう。朴槿恵大統領がどのような態度に出るかが問題であるが、同大統領が考えを変えたとは思われない。今回は米国の顔を立てたが、その背景には4月に予定されているオバマ大統領の日韓両国などへの訪問がある。米国は韓国だけでないが、日本に対しても日韓関係の改善を希望し、アジアの安定にとって両国の果たす役割は大きいと期待している。今回の3ヵ国首脳会議はそのような考え、枠組みの下で開催された。
朴槿恵大統領は、日本の指導者が歴史問題を直視し解決することを求めている。これは信念であり今後も変わらないであろう。両国の局長級協議が開催されることになっており、これで結論が出れば首脳会談も実現するだろうが、簡単でない。鍵は日韓両国政府が慰安婦問題の解決に合意することになるかであり、日本政府だけが義務を負うという形であれば合意は困難だと思う。
一方、両国政府で合意するにしても困難がすぐに出てくるであろう。日本としては当然慰安婦問題以外は協議の対象としないし、そのことについて韓国政府が承諾することを求めるであろう。しかし、韓国政府は慰安婦以外の問題、たとえば徴用工(強制連行と言われることもある)については今後も問題にしないと言えるか。非常に疑問であり、韓国政府が立ち往生する危険さえあるのではないかと思われる。
この問題の根底には、日韓両国の司法当局の判断が食い違っているという事実があり、局長級協議では必ずこの問題が出てくる。韓国側だけがその法的主張をあらためるべきであるとは言えないが、韓国側としても日本政府は司法の判断に拘束されることを尊重してもらわなければならない。

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2014.03.25

中国雑記3月21日まで

○中国の高名な経済学者、呉敬璉が講演で「我々が直面している最大の危険は何かと言うと、財政金融部門が問題だ。分かりやすく言うと、資産負債比率(leverage ratio)、負債比率が高すぎる。言い換えれば、資産バブルがすでに形成されているということである。システム危機が出現している。これが最も危険なことである」と述べた(股城網3月24日)

○3月17日および21日付のSouth China Morning Postは、数十名の武警が301医院に入院中の前中央軍事委員会副主席の徐才厚を家族とともに汚職容疑で連行した由。これは過去数カ月来注目されていた同人の扱いについて最終的決定が行われたことを意味している(多維新聞3月21日付)。

○雲南省副省長の沈培平が汚職の容疑で調査を受けた。これは今年になってから4番目の省部長級(各省と各部の長クラス)官吏の摘発である(多维新闻 3月9日付)。
江西省副省長の姚木根も摘発された。今年で5番目の省部級官吏である。

○2月28日付の香港雑誌『亚洲周刊』は李鵬の娘である李小琳が周永康集团関係の会社と関係していることを大きなスペースを割いて報道している。『亚洲周刊』の背景は特殊であり、中共と関係がよく、香港関係の記事では香港政府よりである。今回の李小琳に関する記事は驚くべき内容である。やはり香港の『開放』雑誌は、李小琳は太子党の中で最も派手に立ち回っている人物であり、李鵬の家族は三峡ダム関係で巨大な利益を収めた、中央規律検査委員会の摘発対象候補となっていると報道している。(多維新聞3月19日付)。

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