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2019.03.02

米朝首脳会談についての李容浩外相の記者会見

 李容浩外相は会談終了から半日以上たった深夜(すでに3月1日になっていた)、突然記者会見を行い、北朝鮮の非核化交渉に臨む立場を説明した。李外相は用意された原稿(朝鮮語)を読み上げたのだが、明らかに金正恩委員長の指示であった。

 各国のメディアは、「トランプ大統領は北朝鮮が制裁の全面解除を求めたと述べたが、北朝鮮が求めているのは一部解除だと李外相が反論した」ことに焦点を置いて報道した。
李外相がトランプ大統領に反論したことは誤りではないが、李外相の説明の主旨はその点ではなかったと思う。

 李外相による説明の要点は、①寧辺の施設の廃棄は非核化の一部であることは認める、②北朝鮮は現在一部の措置しか取れない、③その理由は、米朝間に信頼関係がないからである、④信頼関係の構築は非核化のために必要であり、また早道である、⑤北朝鮮は今後もこの方針で臨む、であった。

 2国間の交渉でその説明ぶりが彼我あい異なるのは時折生じることであり、北朝鮮と米国との間で起こっても不思議でない。真実の究明もさることながら、今後の米朝交渉にどのような意味があるかが重要な問題であろう。

 北朝鮮の主張を分かりやすく言えば、「たしかに『完全な非核化』にコミットしたが、今はあまりにも信頼関係がない、その構築を急ぎたい」ということであり、それなりに説得力がある。今後継続される交渉でも北朝鮮はこの主張を展開していくのだろう。北朝鮮は今回の首脳会談で何も得られず、今後も「制裁」の剣を保持する米国との関係で弱い立場にあるが、そのなかでこの主張は唯一国際的にも理解されうる「盾」である。

 しかし、「信頼関係の構築」は交渉を遅らせたり、「非核化」を長期にわたって先延ばししたりする口実にもなりうる。制裁の「剣」を保持する米国がこの「盾」をどう破るかが今後の交渉の焦点になる。

 ともかく、李外相の説明は非常に示唆に富む。以下、韓国の中央日報が伝える李外相説明の全文を引用しておく。

「今回の2回目の朝米首脳対面会談結果に対する私たちの立場をお知らせします。

朝米両国の首脳は、今回素晴らしい忍耐力と自制力を持って2日間にわたって真剣な会談を進めました。私たちは昨年6月のシンガポール会議中、1回目の朝米首脳対面会談共同認識で成し遂げられた信頼造成と段階的解決の原則により、今回の会談で現実的提な案を提起しました。
米国が国連制裁の一部、すなわち民需経済と人民生活に支障を与える項目の制裁を解除すれば、私たちは寧辺(ヨンビョン)核のプルトニウムとウランを含めたすべての核物質生産施設を、米国専門家の立ち会いの下、両国技術者の共同作業により永久的に完全に廃棄するというものです。
私たちが要求するのは全面的な制裁解除ではなく一部解除、具体的には国連制裁決議11件のうち2016年から2017年まで採択された5件、そのうち民需経済と人民生活に支障を与える項目だけを先に解除するというものです。これは朝米両国間の現信頼水準をおいてみる時、現段階で私たちにできる最も大きい幅の非核化措置です。
私たちが非核化措置を取っていくにあたり、さらに重要な問題は安全担保問題だが、米国がまだ軍事分野の措置を取ることが負担になるだろうと考えて部分的制裁解除を相応措置として提案したのです。
今回の会談で、私たちは米国の懸念を少なくするために核実験と長距離ロケット試験発射を永久的に中止するという確約も文書形態で渡す用意を明らかにしました。
信頼造成段階を経れば今後非核化過程はもっとはやく前進できるでしょう。しかし、会談過程で、米国側は寧辺地区核施設廃棄措置の他にあと一つしなければなければならないと最後まで主張し、これにより米国が私たちの提案を受け入れる準備ができていないということが明白になりました。
現段階で私たちが提案したことよりも良い合意ができるかどうかこの席で申し上げるのは難しいです。このような機会すら再びやってくるのは難しいかもしれません。
完全な非核化への旅程には必ずこのような第一段階工程が避けられず、私たちが出した最大限の方案が実現される過程を必ず経なければならないでしょう。
私たちのこのような原則的立場にはいささかも変わりはなく、今後米国側が交渉を再び提起してくる場合にも、私たちの方案には変わりはないでしょう。

以上です。」

2019.03.01

米朝首脳会談 ハノイ

ハノイで開催された米朝首脳会談について一文をザページに寄稿しました。
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2019.02.28

三・一運動記念演説

 3月1日は100年前、韓国の独立運動が起こった日です。今、日韓関係はちょっと手が付けられないくらい落ち込んでいますが、文大統領はどんな演説をするのでしょうか。
ザページに次の一文を寄稿しました。

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