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2013.10.24
現在わが国でアクセスできる人民日報など中国の公式メディアでは、両首相の会談で貿易・投資の促進、航空・宇宙・原子力・ハイテク・イノベーション分野の共同研究開発と共同生産協力、エネルギー面での包括的・戦略的協力、青年などの人的・文化交流の緊密化、国連・上海協力機構・BRICS・G20など多国間枠組みでの協調などが合意されたこと、会談後に「第18回中ロ定期首相会談共同声明」が署名されたことなどが説明されているが、共同声明の内容については何もなく、何らかの理由で発表が遅れているようである。確認しなければならないが、発表されないかもしれない。
多維新聞は次のような説明も行なっている。
「「非同盟」の語がなくなったことは中ロ両国が連携して米国に対応することを意味している。」
「中国の外交は、これまでの敵と友人を区別しない政策をあらため、遠近や親疎をはっきりさせ、対象目標を明確化しつつある。」
「「非集団化」については、中ロ両国が同盟関係にあるというのは現実的でなく、アジア・太平洋地域においてこれまでと異なる新しい「联盟(原文通り)」を樹立しようとする意味がある。」(注 「集団化」は米国の主導で行なわれてきた協力のことらしい)
「共同声明は二国間の問題の他、国際的なホットスポットや世界秩序にも触れており、「紛争や意見の相違を平和的方法で解決する」とは、中国とアジア太平洋諸国との領土・領海に関する紛争(原文は「纠纷」)について述べたものである。中国は一貫して外部勢力が南シナ海および「釣魚島」問題に関与することに反対してきた。「中ロ双方は、アジア太平洋の諸国とともに(原文は「一道」)」という意味は、ロシアが今後これらの問題の解決に参画する(原文は「参与」)ということである。」
中ロ両首相共同声明
中国の李克強首相とロシアのメドベージェフ首相の会談が行なわれ、終了後共同声明が発表された。そのなかで、これまで中ロ間の共同声明ではいつも使用されてきた「非同盟(中国語の原文は「不結盟」)」という言葉が消え、「非集団化」という新しい言葉が使用されていると10月23日の『多維新聞』が論評している。現在わが国でアクセスできる人民日報など中国の公式メディアでは、両首相の会談で貿易・投資の促進、航空・宇宙・原子力・ハイテク・イノベーション分野の共同研究開発と共同生産協力、エネルギー面での包括的・戦略的協力、青年などの人的・文化交流の緊密化、国連・上海協力機構・BRICS・G20など多国間枠組みでの協調などが合意されたこと、会談後に「第18回中ロ定期首相会談共同声明」が署名されたことなどが説明されているが、共同声明の内容については何もなく、何らかの理由で発表が遅れているようである。確認しなければならないが、発表されないかもしれない。
多維新聞は次のような説明も行なっている。
「「非同盟」の語がなくなったことは中ロ両国が連携して米国に対応することを意味している。」
「中国の外交は、これまでの敵と友人を区別しない政策をあらため、遠近や親疎をはっきりさせ、対象目標を明確化しつつある。」
「「非集団化」については、中ロ両国が同盟関係にあるというのは現実的でなく、アジア・太平洋地域においてこれまでと異なる新しい「联盟(原文通り)」を樹立しようとする意味がある。」(注 「集団化」は米国の主導で行なわれてきた協力のことらしい)
「共同声明は二国間の問題の他、国際的なホットスポットや世界秩序にも触れており、「紛争や意見の相違を平和的方法で解決する」とは、中国とアジア太平洋諸国との領土・領海に関する紛争(原文は「纠纷」)について述べたものである。中国は一貫して外部勢力が南シナ海および「釣魚島」問題に関与することに反対してきた。「中ロ双方は、アジア太平洋の諸国とともに(原文は「一道」)」という意味は、ロシアが今後これらの問題の解決に参画する(原文は「参与」)ということである。」
2013.10.21
この決定は、中国の対英投資の面で注目を集めている。英中仏3国の協力案件であるが、中国の株式保有比率は、最初は低いが、将来支配権を持つ(majority)まで増加する可能性があるとオズボーン財務相は答えている。香港の新聞『明報』によれば、40%くらいになるそうである。一般的には、株式の過半数、つまり50%以上でないとmajorityと言わないように思うが、実際にどのような了解になっているのかよく分からない。
具体的な数字はともかく、中国がmajorityを持つようになる可能性があることを英国は許容しているわけであり、英国のエネルギー政策はそのようなものかと考えさせられる。
もっとも、英国の国際的感覚は我々よりはるかに進んでいる(?)可能性があり、それほど抵抗はないのかもしれない。本件を報道したロイターの記事のなかには、「昨年、日本の日立はドイツのRWEおよびEONから核関連の合弁会社を購入した。アジアの企業は英国の核工業に関心を抱いているのである。」という説明がある。E.ONは欧州最大のエネルギー会社、RWEはライン・ヴェストファーレン電力会社であり、ドイツの電力会社としてそれぞれ第一、第二位であり、日立は2012年秋、これら2社が保有していた英国の原子力発電会社ホライズン・ニュークリア・パワーを買収した。そこまではよいとして、中国と日本の会社をひとくくりにして「アジアの会社」と呼ぶ感覚は日本人にはない。ロイターは立派な通信社であるが、日本も中国も同じアジアの国という感覚がどこかに残っているのであろう。
なお、中国の対英投資はすでにかなり進展しており、英国にとって第3位の投資国だそうである。歴史的に英国と中国が深い関係にあるのは周知のことであるが、実務面、経済面でも中国は英国経済にとって重要な地位を占めていることが窺われる。
中国の対英原子力協力
英国で1995年以来初めて原発が新設されることになった。イングランド南西部に建設予定である。オズボーン財務相が北京で、英中両国はこの建設に協力するため覚書を結んだと発表した。この決定は、中国の対英投資の面で注目を集めている。英中仏3国の協力案件であるが、中国の株式保有比率は、最初は低いが、将来支配権を持つ(majority)まで増加する可能性があるとオズボーン財務相は答えている。香港の新聞『明報』によれば、40%くらいになるそうである。一般的には、株式の過半数、つまり50%以上でないとmajorityと言わないように思うが、実際にどのような了解になっているのかよく分からない。
具体的な数字はともかく、中国がmajorityを持つようになる可能性があることを英国は許容しているわけであり、英国のエネルギー政策はそのようなものかと考えさせられる。
もっとも、英国の国際的感覚は我々よりはるかに進んでいる(?)可能性があり、それほど抵抗はないのかもしれない。本件を報道したロイターの記事のなかには、「昨年、日本の日立はドイツのRWEおよびEONから核関連の合弁会社を購入した。アジアの企業は英国の核工業に関心を抱いているのである。」という説明がある。E.ONは欧州最大のエネルギー会社、RWEはライン・ヴェストファーレン電力会社であり、ドイツの電力会社としてそれぞれ第一、第二位であり、日立は2012年秋、これら2社が保有していた英国の原子力発電会社ホライズン・ニュークリア・パワーを買収した。そこまではよいとして、中国と日本の会社をひとくくりにして「アジアの会社」と呼ぶ感覚は日本人にはない。ロイターは立派な通信社であるが、日本も中国も同じアジアの国という感覚がどこかに残っているのであろう。
なお、中国の対英投資はすでにかなり進展しており、英国にとって第3位の投資国だそうである。歴史的に英国と中国が深い関係にあるのは周知のことであるが、実務面、経済面でも中国は英国経済にとって重要な地位を占めていることが窺われる。
2013.10.20
この災害で「特別警報」が出なかったことが適当か、議論を呼んでいるようであるが、「特別警報」という、特別の種類の警報を新設すること自体が疑問である。
「特別警報」は、大変な事態であることを伝えるのに役立つとは思う。どのような危険もその実態は複雑であるが、危険性を一言で伝えているからである。しかし、基準に照らすと「特別警報」には少し届かない危険の場合が問題である。この場合も「警報」は出ているので、理論的には警戒すべきであるが、警報を受け取る一般国民にとっては、「特別警報」と普通の「警報」では重みがまるで違うので、大したことはない、と思ってしまうのではないか。とくに、今回の伊豆大島で起こった災害のように、基準には達しないが非常に危険な状況がある。
今次災害の発生後、基準を見直すべきであるという意見が出てきている。検討するのはよいが、基準すれすれで「特別警報」に該当しないと警戒されなくなるという問題は解消しない。これは「特別警戒」と「警戒」の区別がある限り付きまとう問題である。
「夏日」「真夏日」というネーミングにも同様の問題があり、最高気温が24.9度の場合は「夏日」でないが、実際には25度以上の場合と違わないどころか、湿度や風の有無で人が感じる不快さは逆に高くなることもある。
「夏日」などはそれほど深刻でないかもしれないが、「特別警報」は生命の危険にかかわる問題である。それより、等級で危険度を知らせるほうがよいのではないか。天気予報ほど全国民が注目することは他にない。気象庁の賢明な対応を期待したい。
「特別警報」は有益か
伊豆大島において大規模な土砂災害が発生し、多数の方が亡くなられた。心からお悔やみ申し上げるとともに、行方不明者の一刻も早い発見を切望している。この災害で「特別警報」が出なかったことが適当か、議論を呼んでいるようであるが、「特別警報」という、特別の種類の警報を新設すること自体が疑問である。
「特別警報」は、大変な事態であることを伝えるのに役立つとは思う。どのような危険もその実態は複雑であるが、危険性を一言で伝えているからである。しかし、基準に照らすと「特別警報」には少し届かない危険の場合が問題である。この場合も「警報」は出ているので、理論的には警戒すべきであるが、警報を受け取る一般国民にとっては、「特別警報」と普通の「警報」では重みがまるで違うので、大したことはない、と思ってしまうのではないか。とくに、今回の伊豆大島で起こった災害のように、基準には達しないが非常に危険な状況がある。
今次災害の発生後、基準を見直すべきであるという意見が出てきている。検討するのはよいが、基準すれすれで「特別警報」に該当しないと警戒されなくなるという問題は解消しない。これは「特別警戒」と「警戒」の区別がある限り付きまとう問題である。
「夏日」「真夏日」というネーミングにも同様の問題があり、最高気温が24.9度の場合は「夏日」でないが、実際には25度以上の場合と違わないどころか、湿度や風の有無で人が感じる不快さは逆に高くなることもある。
「夏日」などはそれほど深刻でないかもしれないが、「特別警報」は生命の危険にかかわる問題である。それより、等級で危険度を知らせるほうがよいのではないか。天気予報ほど全国民が注目することは他にない。気象庁の賢明な対応を期待したい。
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