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2013.05.15

中国銀行と北朝鮮銀行の取引停止

中国は最近、四大銀行の北朝鮮の銀行との取引を停止した。国連での制裁強化と米国からの強い要請にこたえた結果であると見られている。中国が北朝鮮に対してどの程度強い態度に出るかはかねてからの問題であり、米国などの期待に、口先ではともかく、実際にはなかなか応じず、お茶を濁す程度の対応であったこともあるようだ。しかし、最近は北朝鮮のあまりの激しさに中国としても嫌気がさし、お灸を据えようとした可能性がある。日本などにも意見を求めてくることもあることを見ると、単なるポーズだけでもなさそうである。
しかし、もう少し見届けなければならないこともある。一つは、銀行間取引の停止により北朝鮮がどのくらい困るか、であり、もう一つは、取引停止のニュースがどのように出てきたかである。中国はみずからそのニュースを流したのではない、も確かめてみたい。

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2013.05.14

パキスタン下院選挙

パキスタンの下院選挙で野党のシャリフ派が第1党になった。同氏はタリバンとも対話路線であるし、これまでの米国との協調路線は修正されるだろう。米国はアフガニスタンから兵を撤退させるが、タリバンとの関係がますます困難になる可能性がある。ビンラディンを殺害したのは成功であったが、パキスタンとの関係では後遺症が思いのほか強く残っているようだ。バルチスタン州での作戦ではパキスタン軍の協力が不可欠であり、そちらの方面でも今後の展開は予測しがたい面がある。無人機による被害も印象を悪くした。中国との関係は米国とちがってよくなるか。

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2013.05.10

沖縄の帰属未定論

「侵略という言葉は定義されていない」と主張する人は、日本が中国や韓国に対して行なった行動をどのように表現するのだろうか。「侵略」という言葉が絶対的に必要というわけではない。
もし、「侵略」という言葉が定義されていないからという理由で何も言わないのであれば、それはそれで一つの意思表示であるが、そのような態度を取ることには賛成できない。中国や韓国のみならず、米国も厳しい態度を取る可能性がある。慰安婦問題や村山談話についてはすでに黄色信号というより、赤信号に近いものが点いている。
また、もし、日本は何も過ちを犯していなかったという主張をするのであれば、それは日本国民の意思でもないし、アジアの諸国と友好関係を維持することも困難になるだろう。さらに、憲法の言う「国際社会において名誉ある地位を占める」ことはできなくなるだろうし、「いずれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」ことに反することになるであろう。
「沖縄の帰属は未解決」と人民日報が言い出した。これは尖閣諸島問題と関連がある暴論であるのはもちろんであるが、歴史問題で中韓のみならず米国とも認識を共有でき、日本が孤立することを見越して始めた行動ではないか。日本の指導者は国際情勢に対する感度を高めてほしい。

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