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2013.05.24

北朝鮮軍総政治部長の訪中

北朝鮮人民軍の崔龍海総政治部長の中国訪問は、昨年12月12日の「人工衛星」発射以来初めての正しい行為であった、と中国の新聞が論評している。中国が北朝鮮の挑戦的な言動をいかに不快視していたか、まざまざと浮かび上がってくる。これはたんなる一新聞報道でなく、中国政府内の見方を反映していると思う。この中国紙の論評はさらに続けて、「もし北朝鮮がこれまでの誤った行動を続けるならば、中国としてはいつまでも北朝鮮を味方することはできない」とも述べている。かなりの激しさである。
北朝鮮は今月(5月)5日、中国の漁船を拿捕し、2週間以内に約1千万円を支払うよう要求していたが、前回(約1年前)と異なり今回はあっさりと釈放した。北朝鮮が中国の船員と漁船の返還を報道したのは20日である。要求された金銭を支払ったかどうかは報道していない。定かではないが、北朝鮮は早期に釈放することにより、中国に友好的であることを強調しようとしたのかもしれない。

2013.05.15

中国銀行と北朝鮮銀行の取引停止

中国は最近、四大銀行の北朝鮮の銀行との取引を停止した。国連での制裁強化と米国からの強い要請にこたえた結果であると見られている。中国が北朝鮮に対してどの程度強い態度に出るかはかねてからの問題であり、米国などの期待に、口先ではともかく、実際にはなかなか応じず、お茶を濁す程度の対応であったこともあるようだ。しかし、最近は北朝鮮のあまりの激しさに中国としても嫌気がさし、お灸を据えようとした可能性がある。日本などにも意見を求めてくることもあることを見ると、単なるポーズだけでもなさそうである。
しかし、もう少し見届けなければならないこともある。一つは、銀行間取引の停止により北朝鮮がどのくらい困るか、であり、もう一つは、取引停止のニュースがどのように出てきたかである。中国はみずからそのニュースを流したのではない、も確かめてみたい。

2013.05.14

パキスタン下院選挙

パキスタンの下院選挙で野党のシャリフ派が第1党になった。同氏はタリバンとも対話路線であるし、これまでの米国との協調路線は修正されるだろう。米国はアフガニスタンから兵を撤退させるが、タリバンとの関係がますます困難になる可能性がある。ビンラディンを殺害したのは成功であったが、パキスタンとの関係では後遺症が思いのほか強く残っているようだ。バルチスタン州での作戦ではパキスタン軍の協力が不可欠であり、そちらの方面でも今後の展開は予測しがたい面がある。無人機による被害も印象を悪くした。中国との関係は米国とちがってよくなるか。

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