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2013.09.01

シリアー中国紙による米国の報道

中国のシリア報道には、米国の好戦性を印象付けようとする傾向が目立つ。
「平和勢力が好戦勢力を圧倒。米国がシリアを攻撃するという脅しを支持するものは少ない」(明報2013/09/01)
「シリア政府が化学兵器を使用したという米国の口頭説明に証拠はない」(明報同日)

シリアは米英仏に対し次の三つのカードを持っている。
① 湾岸戦争やリビア攻撃などの場合にかんがみ、シリアが現有するロシア製のミサイルで攻撃側の戦闘機などにかなりの被害が出る。
② シリア軍の兵士は死を恐れないカミカゼ式訓練を受けている。1983年にバース党の決死隊がベイルートの米海兵隊基地を自爆攻撃し、220人の隊員が死亡したことがあった。
③ 反政府軍には米英仏から500人が戦闘に参加している。これらは反政府軍から訓練を受けており、シリアの内戦が終わった後テロリストになって本国を脅かす危険がある。
(多維0830)

2013.08.30

シリアへの軍事行動に英国は参加しない

8月29日、英国議会はシリアに対する軍事行動の開始を求める動議を、賛成272、反対285で否決した。この意外な結果に終わったのは保守党議員の一部が反対に回ったからである。
動議否決にかかわらず英国政府として軍事行動を起こすことは可能だそうだが、キャメロン首相は、それはしない、国民の声を代表する議会の判断を尊重すると述べている。
今回の出来事により米国との同盟関係が悪化するとは思えないが、オバマ大統領は英仏などと共同で行動することを強調していたので、失望は大きいであろう。対シリア軍事行動への支持が三国のなかでは最も高いフランスとしても、英国の不参加の衝撃は大きいであろう。
しかし、化学兵器問題は終わっていない。強い態度で臨む必要があることをキャメロン首相自身が述べており、今後もこのままではおさまらない。国連の調査団の調査結果が出てきた時にどのように展開するかが、次の注目点となる。

2013.08.30

北朝鮮総参謀長の再度の解任

北朝鮮の金格植(キム・ギョクシク)軍総参謀長が解任されたと韓国の中央日報が報道している(8月30日)。金格植は今年5月に玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)の後任として総参謀長に昇進したが、わずか3カ月で更迭されたことになる。
いつものことながら、北朝鮮内部で何が起こっているか情報は少なく、分かりにくいが、金正恩が高級軍人の人事をいじるのが目立っており、金正恩が就任以来軍のトップである総参謀長)を交代させるのはこれで3回目である。金格植は金正日時代の総参謀長であり、2010年に韓国・大延坪島砲撃を指揮した強硬派と目されている。これが2012年7月に玄永哲に交代していることが判明した。金正日によって任命された総参謀長を挿げ替えること自体かなり大胆なことであったが、金正恩は今年の5月に再度人事に手をつけ、玄永哲をクビにし、金格植を総参謀長に復帰させた。その金格植をわずか3ヵ月でまた解任したのである。これはかなり異常な人事である。
金正恩第一書記は高級軍人の任免をそれほど激しく繰り返せるほどに権威を確立しているのか。それとも、側近の影響が強いのか。
今回の人事で、後任には李永吉(リ・ヨンギル)作戦局長が大将昇進と同時に任命された。「新しく総参謀長に昇進した李永吉は江原道駐屯の第5軍団長を務めた軍部の少壮派に分類される。5月には崔竜海総政治局長の北京特使訪問に随行するなど、金正恩時代に入って浮上した軍首脳部に挙げられる」と中央日報は解説している。

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