中国
2013.10.15
批判・自己批判は文化大革命でしばしば行われた、悪名高いことであり、「民主生活会」の強調は左傾化を示すことと受け止められている。とくに、さらなる経済成長が必要であり、そのためには一層の開放、改革が必要と考える勢力から強く警戒されている。
この会議は4日半も続いたが、習近平は全期間出席したらしい。薄熙来事件を契機に革命路線の重要性が再認識されているだけに、このような習近平の姿勢には強い関心が寄せられている。
「民主生活会」は全国の約3分の2の省レベルで行われており、今後さらに増える可能性がある。
現在、中国では、さらなる改革が必要であると主張する意見もあり、一種の論争となっている。
「民主生活会」-革命路線の重視か
習近平主席は最近河北省党常務委員会が主催した「民主生活会」に出席し重要講話を行なった。「民主生活会」とは中国革命の早期から行われてきた、批判と自己批判を行なう場であり、河北省の「民主生活会」では、各人は「自分を見直し、衣冠を正し、体を清め、病を治す」ことに努め、形式主義、官僚主義、享楽主義および浪費傾向を排する「四風」の原則に合致しているかを点検・批判した。批判・自己批判は文化大革命でしばしば行われた、悪名高いことであり、「民主生活会」の強調は左傾化を示すことと受け止められている。とくに、さらなる経済成長が必要であり、そのためには一層の開放、改革が必要と考える勢力から強く警戒されている。
この会議は4日半も続いたが、習近平は全期間出席したらしい。薄熙来事件を契機に革命路線の重要性が再認識されているだけに、このような習近平の姿勢には強い関心が寄せられている。
「民主生活会」は全国の約3分の2の省レベルで行われており、今後さらに増える可能性がある。
現在、中国では、さらなる改革が必要であると主張する意見もあり、一種の論争となっている。
2013.10.14
中央規律検査委員会のような公的機関はまだ動き出していない。少なくとも表面的にはそのように見えるが、実際に李小琳に対する追及が始まると、習近平の力を入れてきた反腐敗闘争の新たな成果となるであろう。李小琳は、すでに調査を開始されている中国最高人民検察院検察長(院長 同院党組書記)の曹建明や国有資産監督管理委員会主任(大臣クラス)の蒋潔敏および中国石油天然ガス集団公司(CNPC)の幹部4名(蒋潔敏はCNPCの前会長であった)などと並ぶ大物である。
さらに大物の周永康前政治局常務委員の処遇が残っており、習近平がこれについても追及の決定を行なえば、権力闘争の様相を一段と強めることになる。もっとも、周永康はあまりに大物過ぎてお茶を濁す程度で終わらせるかもしれないとも言われており、事態はまだ不明確である。習近平としては、他の政治問題ではあまり成果が上がっているとは言えないなかで、反腐敗闘争だけは成果を誇らなければならないが、周永康の追及はほどほどにしつつ、曹建明や蒋潔敏への調査決定で、さらに李小琳も含めるとしても、足りるか、微妙なところであろう。
李小琳は李鵬元首相の娘であり、太子党がまたやったか、という感じである。太子党の関係では、今夏、鄧樸方(鄧小平の息子。文革中の迫害が原因で障碍者となった)と三女の鄧榕(「鄧蓉」とも書く)がオーストラリアなどへ出国したことが想起される。鄧樸方は大金を持ち出しての出国であり、中国政府は行方を追っているそうである。
李小琳の収賄容疑
李小琳中国電力国際公司社長がスイスの保険会社の中国市場への参入に便宜を与えた代わりに賄賂を受け取ったと、10月13日の新華社電が外国の新聞を引用して伝えている。李小琳は、「悪意に満ちた卑劣な中傷だ」と言っていることも紹介し、中立を装っているが、公的な通信機関である新華社が外国の報道を引用したことに意味があるのは当然であり、新華社は認めたも同然である。外国の新聞とはどれか明示していないが、英紙デーリー・テレグラフである。中央規律検査委員会のような公的機関はまだ動き出していない。少なくとも表面的にはそのように見えるが、実際に李小琳に対する追及が始まると、習近平の力を入れてきた反腐敗闘争の新たな成果となるであろう。李小琳は、すでに調査を開始されている中国最高人民検察院検察長(院長 同院党組書記)の曹建明や国有資産監督管理委員会主任(大臣クラス)の蒋潔敏および中国石油天然ガス集団公司(CNPC)の幹部4名(蒋潔敏はCNPCの前会長であった)などと並ぶ大物である。
さらに大物の周永康前政治局常務委員の処遇が残っており、習近平がこれについても追及の決定を行なえば、権力闘争の様相を一段と強めることになる。もっとも、周永康はあまりに大物過ぎてお茶を濁す程度で終わらせるかもしれないとも言われており、事態はまだ不明確である。習近平としては、他の政治問題ではあまり成果が上がっているとは言えないなかで、反腐敗闘争だけは成果を誇らなければならないが、周永康の追及はほどほどにしつつ、曹建明や蒋潔敏への調査決定で、さらに李小琳も含めるとしても、足りるか、微妙なところであろう。
李小琳は李鵬元首相の娘であり、太子党がまたやったか、という感じである。太子党の関係では、今夏、鄧樸方(鄧小平の息子。文革中の迫害が原因で障碍者となった)と三女の鄧榕(「鄧蓉」とも書く)がオーストラリアなどへ出国したことが想起される。鄧樸方は大金を持ち出しての出国であり、中国政府は行方を追っているそうである。
2013.10.09
改革に前向きの表明を行なったことがよいことであるのは当然としても、この言葉がなぜそのように特別なのか。中国の外ではわかりにくい。習近平は革命路線重視か、改革のさらなる推進かという路線対立の真っ最中にあってどちらをより重視しているかよく分からない態度を取っているため、一部の人からは旗幟鮮明にすべきであると迫られていたのである。そのような背景とともにこの態度表明を聞けば、習近平がとうとう改革重視だと断言した、だから重要なのだということになりそうである。
しかし、この表明だけで路線対立の決着がついたか。ことは簡単でない。習近平は就任以来「大衆を尊重せよ」と呼びかけており、また数週間前には「毛沢東思想を大事にしなければ天下は大乱になる」と言っていた。今回の態度表明もどこまで実行されるか、まだよく分からない。
習近平は決意を固めたか
10月8日付の多維新聞(海外中国人の新聞 中国によく通じている)は、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙(南華早報)を引用して、APECに出席のためバリ島に滞在中の習近平主席が、講演の中で「一挙に改革を深化させる。後ろ向きの道を歩む「転覆性過ち」が出てくるのを許さない」と語ったことを紹介した上、これは習近平が昨年11月に中共総書記に就任して以来、中国の改革の方向性について行ったもっとも重要な態度表明であると評している。改革に前向きの表明を行なったことがよいことであるのは当然としても、この言葉がなぜそのように特別なのか。中国の外ではわかりにくい。習近平は革命路線重視か、改革のさらなる推進かという路線対立の真っ最中にあってどちらをより重視しているかよく分からない態度を取っているため、一部の人からは旗幟鮮明にすべきであると迫られていたのである。そのような背景とともにこの態度表明を聞けば、習近平がとうとう改革重視だと断言した、だから重要なのだということになりそうである。
しかし、この表明だけで路線対立の決着がついたか。ことは簡単でない。習近平は就任以来「大衆を尊重せよ」と呼びかけており、また数週間前には「毛沢東思想を大事にしなければ天下は大乱になる」と言っていた。今回の態度表明もどこまで実行されるか、まだよく分からない。
アーカイブ
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年10月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月