平和外交研究所

2013年5月

2013.05.28

韓国中央日報の暴言

5月20日付けの韓国中央日報が、我が国への原爆投下は神の懲罰である等の表現を含む論説委員のコラムを掲載したことについて、菅義偉官房長官は23日、また、岸田外務大臣は翌24日、それぞれに記者会見で「そのような認識は断じて容認できない(官房長官)」「誠に不見識であり、強く抗議する(外相)」と発言した。これにはもろ手を挙げて賛成するが、官房長官も外相もその発言の前に述べている「わが国は唯一の被爆国であり」というのは何のことか。「わが国は唯一の被爆国である」ことと、「断じて容認できない」はどうつながるのか。「わが国は唯一の被爆国であり」ことと、「誠に不見識であり、強く抗議する」はどうか。被爆国でなくても中央日報のコラムには憤りを覚えるだろう。「わが国は唯一の被爆国である」というのは核問題で政府がいつも使う言葉だが、このような文脈では読者の心に響かない。
端的に言えば、官房長官としては、そのようなコラムは「犠牲となった多数の無辜の人々を冒涜するものであり、断じて容認できない」と発言するべきでなかったか。また、外相は「犠牲となった多数の無辜の人々を冒涜するもので、まことに不見識であり、強く抗議する」と言うべきでなかったか。

2013.05.26

北朝鮮の柔軟姿勢は本物か

4月末のミサイルの日本海側からの撤去、北朝鮮軍総政治部長の訪中など、北朝鮮が一時の挑戦的態度を改め対外関係を重視している姿勢を見せていることに注目が集まっているが、内政との関連も重要である。
いつものことながら、北朝鮮内部で何が起こっているか情報は少ないし、分かりにくいが、金正恩が軍内での権威を確立するために必要以上に強硬な姿勢を取った可能性がある。しかし、単なる肝試しではなかった。金正恩は就任以来軍のトップ(総参謀長)を2回交代させている(金格植元総参謀長が復帰)。前任の玄永哲は、昨年7月に総参謀長への就任が確認された。金格植は2010年に韓国・大延坪島砲撃を指揮した強硬派と目されている。
中国は6者協議の再開に力を入れているようだが、これはワークしないだろう。

2013.05.24

北朝鮮軍総政治部長の訪中

北朝鮮人民軍の崔龍海総政治部長の中国訪問は、昨年12月12日の「人工衛星」発射以来初めての正しい行為であった、と中国の新聞が論評している。中国が北朝鮮の挑戦的な言動をいかに不快視していたか、まざまざと浮かび上がってくる。これはたんなる一新聞報道でなく、中国政府内の見方を反映していると思う。この中国紙の論評はさらに続けて、「もし北朝鮮がこれまでの誤った行動を続けるならば、中国としてはいつまでも北朝鮮を味方することはできない」とも述べている。かなりの激しさである。
北朝鮮は今月(5月)5日、中国の漁船を拿捕し、2週間以内に約1千万円を支払うよう要求していたが、前回(約1年前)と異なり今回はあっさりと釈放した。北朝鮮が中国の船員と漁船の返還を報道したのは20日である。要求された金銭を支払ったかどうかは報道していない。定かではないが、北朝鮮は早期に釈放することにより、中国に友好的であることを強調しようとしたのかもしれない。

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