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2013.07.19

中国の大国化(レジュメ)

中国の大国化と東アジアの安全保障

2013/07/15
1 中国の大国化
 文革から早く立ち直る必要がある
 1978年12月 十一全3中全会 改革・開放路線
 4つの近代化 工 農 国防 科学技術 ←鄧小平の日米訪問
 人民公社から生産責任制
経済特区による外資と技術の導入
80~88年8~15%のGDP成長
1989年 天安門事件 89・90年4%
1992年 南巡講和 武漢、深圳、球海、上海
「社会主義市場経済」
91年 WTO加盟 以降GDP成長8~14%
政治改革より経済改革
 
 GDPは世界第2(2010年から)  世界のシェア9.3%(日本は8.6%)
 貿易 78年29位 2001年6位 10年2位 輸出ではすでに世界1位
中国企業も急成長 国家戦略と結び付く

 軍事力増強
  毛沢東の軍隊(専よりも紅、人民戦争理論、誘敵深入)
軍事改革 鄧小平 4つの近代化の1
 新兵役法 階級制 教育・訓練(国防大学) 兵器の近代化
国防費は1990年の1,208億元から2011年の6,012億元へと2桁の伸び
(但し2010年のみ7.8%)
  90年以前は低いレベル 80年代中葉には減少したこともあった
公表された予算額と実態のかい離
 兵器調達費、R&Dなどは他の予算項目
 「公共安全費」は国防予算を上回った 2011年
  
核兵器とミサイル 230万人の兵力は米ロに次ぐ 陸軍は世界随一

「機械化」(これまでの軍近代化)か「情報化」(今後の近代化)か
サイバー攻撃についてのミステリー 米は中国軍が企業秘密を盗んだことを重視?

2 対外摩擦
 
① 海洋大国化戦略 
  
  大陸棚
  
排他的経済水域(EEZ)
  
領海法

  アジアの安全保障にとって最大の不安定要因?

② 台湾問題
  
米中の矛盾
  
  サンフランシスコ平和条約 大戦処理と冷戦の交錯
  
日本の領土の再画定
   
ポツダム宣言 再画定の2原則 
明治以降の対外拡張の清算 連合国も領土不拡大
「本土四島は日本」 「島嶼の帰属は連合国が決定する」

朝鮮 
   台湾
   北方領土
   南沙諸島

  中国問題 台湾の地位未確定論
 
日米安保の役割 憲法 日本の国防方針

③ 巨大なために普通でなくなる
太平洋諸島への進出
ロシアへの越境労働
アイスランドでの不動産購入拒否
「ハーバード大 まるで党幹部養成の分校」
米国への出産ツアー

3 中国体の変化 「体制」だけでない「ありかた」も含める
  中国は変化している 「体制」というより全体的な変化なので「中国体」の変化
  中国は改革開放まで「革命」であった。
   革命の主体はプロレタリアート 労働者と農民
   前衛は共産党
   軍は伝統的には党と一体(革命の主体として当然)「鉄砲から政権が生まれる」
 党軍「党が鉄砲を支配」 1997年国防法 第19条
 この性格は軍事改革以後も残っている 「三位一体」?

 しかし、この国体の下で中国は停滞していた。国内も対外的にも
 4つの近代化はその反省に立っていた。
  工、農を近代化するとは経済発展、生産性、脱イデオロギー
  すなわち、資本、市場経済、経済的合理性、の重視、
  科学技術の近代化はそのためのツール
  国防の近代化←台湾問題の解決に力を注がねばならない
 4つの近代化は「富国強兵」と同じ。
  工、農、科学技術はいずれも「富」
  日本の富国強兵は市場経済が未発達のなかで進められ、対外進出は必要であった
  中国の近代化は、市場経済が発達している時代
→国家として市場経済を活用する 「中国モデル」

   江沢民の「三つの代表」 
先進的生産力 やはり経済発展優先
先進的文化 思想性を忘れてはならない
もっとも広範な国民の利益 いずれにしても国民が大事
経済重視の国体を4つの近代化だけでなく思想性を取り戻そうとした 形だけ?
しかし、革命に戻るのでないので「文化」
「民主化」に理解を示しつつ労農でないことを確認

   胡錦涛の科学的発展観 第18回党大会報告で指導思想として新たな位置づけ
     これも4つの近代化の枠内←経済発展のためには科学技術の振興

   経済発展に必要な国体
    革命でない
    国家として資本投入 
    変身した共産党
     党員資格
     エリート化
労農は不要 共産党として管理・運営に必要なのはテクノクラート
     「幹部」 三つの身分「農民、労働者、幹部」『百度百科』
      軍の幹部を除き約4千万人の幹部? 
      党員、軍人、国有企業経営者、太子党は幹部か
      私営企業家と共産党との結びつきが強くなる傾向 一種の幹部化か
     新階層化 『当代中国社会階層研究報告』
国家と社会の管理層 
企業経営幹部 
私営企業家 
専門技術職
事務・公務員
個人商工業者
商業従業員
産業労働者
農業労働者
無職・失業者

   根本的指導原理は不変
     「民主と集中」は共産党統治の形式的指導原理
実際には弱い「民主」 強い「集中」 これは不変
鄧小平の「四つの指導原理」(1979年)
 社会主義、プロレタリア独裁 共産党の指導 マ・レ主義と毛思想
 変化した?
 変化していない←集中がキーだとすれば

とくに「権力の集中」がキーか

4 国体を変革する諸要因と緊張関係

① 中国体への反発
格差・被搾取階層
権力・富を共有できる階層は5%くらいか?
「中間階層」は1億~2億人? 「中間層」は拡大しているか?
ジニ係数は大きくなる傾向
中央と地方
都市と農村
経済発展重視グループ(開発業者など)と住民 烏坎村事件

腐敗 
共産党・経済重視への不信

民族をめぐる不協和音
支配者・漢族への不信

② 不満の抑圧と緩和
(その一) 言論の自由を許さない 
民主化を許さないため
集中が必要なため
それでも変化
伝統的メディアの変貌
  ネット世論の力

  温州鉄道事故 部分的に統制をやぶった 報道ぶりが激変しかけたが、、
幹部が幹部でなくなった?

(その二) 実力で鎮圧 武装警察

不満緩和の試み

定年制 差額選挙 
村民自治

③ 中国体を変える力

さらなる近代化-今の富国強兵では不十分、不徹底?

とくに軍 近代化しなければ強くなれない→党軍に影響?
軍を強くするのは経済力→同上

民主化要求
 「集中」がある限り抑圧・被抑圧があると感じるか?
権力への伝統的な不信 体制との距離

権力闘争-大国化を進める主体間の亀裂
  2013年5月以降の「憲政論争」
  習近平は6月下旬の政治局会議で「政治局委員は率先して党中央の権威を守り、党中央との思想的・行動的一致を保たなければならない」と指示した。この発言の背景が憲政論争か。

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2013.07.17

ミサイルなど輸送中の北朝鮮貨物船の拘束

先週(7月8日の週)、パナマ政府は、ミサイルやミグ戦闘機の部品をキューバから北朝鮮に輸送中の北朝鮮貨物船Chong Chon Gang号をパナマ運河で拘束したことを発表した。この船はかなり抵抗したらしく、船長はのどを掻き切って自殺を図ったということも報道されている。これに先立って、7月1日に北朝鮮のハイレベル軍事代表団がキューバを訪問していた。これらの物品が輸送されたのは修理のためだと報道されているが、国連決議違反である疑いが強い。米国は当然のことながら、パナマの措置を称賛している。
キューバ外務省は7月16日、「1万トンの砂糖と240トンの古くなった武器を積んでいる」と発表した。
以上は基本的には事実関係の羅列であるが、中国の新華社電も17日、「パナマが拘束した北朝鮮の船舶には対空ミサイルとミグ戦闘機が搭積載されている」とキューバ外務省声明を引用する形で短く報道した。最小限の報道であるが、中国はこのようなことをこれまで報道してきたか。最近の中国の北朝鮮に対する態度硬化の一環なのか、気になる。

以下、米国の報道などから関連の諸情報を追加しておく。
パナマでは大統領自らが捜索を指揮していることがテレビで報道されており、北朝鮮の船舶を追跡している米国との間で緊密な連携があったことがうかがわれる。
一方、北朝鮮は何の目的でキューバから旧式のミサイルなどを運ぼうとしたのか。北朝鮮政府が沈黙しているのは驚くに値しないが、キューバについては、かつてのように米国と激しく対立することを改め、最近は態度を和らげようとする気配があっただけに、なぜ北朝鮮にそこまで協力したのか、と疑問を抱かれている。
パナマ当局の捜査はまだ進行中であり、今後新しい発見が出てくる可能性もある。
今回の事件は、米国の偵察衛星を使った情報収集活動にもあらためて関心が向けられる結果になった。米国は北朝鮮船舶の行動を監視しているが、百パーセント把握できているわけではなく、一定期間追跡が途切れることもあるそうだ。シリアが北朝鮮の協力で原子炉を建設していたことを、2007年にイスラエルに指摘されるまで把握できていなかったのもその一例である。
北朝鮮のチョン・チョン・ガン号は最近4年間西側へは航行していないことになっているが、通常の航行において使われる位置測定装置をオフにすると偵察衛星でも把握しにくくなる。そうするのは船の航行に危険であるが、危険な物資を積載している場合にはそういうこともありうる。パナマ当局の臨検に対して乗員が激しく抵抗したことを見ると、そのようなことがないとは言えない、というのが専門家の見方である。

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2013.07.13

中国での核加工工場建設反対デモ

香港の明報紙(明報新聞網 7月13日)が、廣東の江門市と鶴山市で発生した核燃料加工工場の建設に反対する運動を要旨次の通り報道している。
「400億元が投下されるこの工場は人口密度が高い鶴山市で建設予定であり、抗議運動には香港および海外から参加している者も含まれている。
市政府と専門家は周辺住民に対し、この工場の放射線レベルは低く、健康に影響はないと言い続けてきたが、江門市民がこの建設計画を知ったのは着工直前の今月初めであり、しかも公示から着工まで10日間しかなかった。また、市政府は建設計画を発表する以前に、建設地の住民から建設土地を獲得していた。
昨日(12日)朝8時ころ、抗議する人たちがネットを通じて集まり始め、約2千人に増大し、警察隊が制止しようとするのを押しのけて、市政府の門前にまで至った。しかし、警察は付近の道路を封鎖するなどしたため、その日の抗議デモはいったんそれで終息した。しかし、このようなデモはその日の午後も、また鶴山市でも発生した。
鶴山市政府は10日の公示期間を20日に延長すると発表したが、デモ隊は工場の建設計画を棚上げにすべきだと要求しており、明14日には大規模抗議デモが実行される予定である。」

中国では今後多数の原発が建設予定であり、これにともない、核燃料の再処理工場も必要となる。これは中国の急増するエネルギー需要に応じるため必要なものと考えられている。
この計画全体への影響が問題である。
この「加工工場」の詳細はまだ不明である。
政府の方針に不満な民衆の抗議行動としても注目される。


この数時間後(実際には時間差のため、ほぼ同時であったかもしれない)、鶴山政府は工場の建設計画を中止したこととを発表した。建設予定の工場が住民の反対で中止されるのはこれが初めてではないが、まれなケースであることは間違いない。

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