2014 - 平和外交研究所 - Page 87
2014.01.09
○『21世紀経済報道』紙(比較的独立傾向の「財新」グループの1つ)が1月2日、李克強首相でなく劉雲山(政治局常務委員、宣伝工作が長かった)が「深化改革小組」の第1副組長になることを示唆する報道。これだけで李国強に問題が発生していると断定するのは早すぎるが、見過ごすべきでない一事実。
○大公報(12月24日)など各紙、1人っ子政策を修正する三中全会での決定にしたがい、「单独两孩政策(夫婦のどちらかが1人っ子の場合、2人までの子供を持つことが認められる)」が検討されていることを報道。
○12月29日、広東省警察は武装警察と協力し、麻薬製造の一大拠点となっている陸豊市博社村を急襲。18の麻薬販売組織を摘発、容疑者182人を逮捕し、覚せい剤3トン弱、原料23トンを押収した(各紙)。この村は悪名高い麻薬関係組織で、過去何回か政府は取締りに失敗したと言われている。
○昨年の9月30日に徐才厚(総政治部主任、中国共産党中央政治局委員、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席を歴任。最終階級は上将)が1年ぶりに姿を現したという報道を2014年1月2日の大公報が報道した。何の意味があるのか?
○新華網1月2日、四川省政治協商会議主席の李崇禧が汚職容疑で職務を解任されたことを報道。汚職摘発に関しては多数の事件が報道されている。これは比較的ハイレベル。
中国雑記 2014年1月9日まで
○2013年12月26日は毛沢東生誕120周年記念日。「ネット上で毛支持派と否定派が激しく論争している。今年の記念日は異常である。外国のメディアが「毛誕節(中国語でクリスマスは「聖誕節」これをもじった言葉)」と呼んだことについても両派は賛否両論を戦わしている」(環球網12月23日)。言うまでもないが、最近の毛思想見直しの傾向を反映している。○『21世紀経済報道』紙(比較的独立傾向の「財新」グループの1つ)が1月2日、李克強首相でなく劉雲山(政治局常務委員、宣伝工作が長かった)が「深化改革小組」の第1副組長になることを示唆する報道。これだけで李国強に問題が発生していると断定するのは早すぎるが、見過ごすべきでない一事実。
○大公報(12月24日)など各紙、1人っ子政策を修正する三中全会での決定にしたがい、「单独两孩政策(夫婦のどちらかが1人っ子の場合、2人までの子供を持つことが認められる)」が検討されていることを報道。
○12月29日、広東省警察は武装警察と協力し、麻薬製造の一大拠点となっている陸豊市博社村を急襲。18の麻薬販売組織を摘発、容疑者182人を逮捕し、覚せい剤3トン弱、原料23トンを押収した(各紙)。この村は悪名高い麻薬関係組織で、過去何回か政府は取締りに失敗したと言われている。
○昨年の9月30日に徐才厚(総政治部主任、中国共産党中央政治局委員、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席を歴任。最終階級は上将)が1年ぶりに姿を現したという報道を2014年1月2日の大公報が報道した。何の意味があるのか?
○新華網1月2日、四川省政治協商会議主席の李崇禧が汚職容疑で職務を解任されたことを報道。汚職摘発に関しては多数の事件が報道されている。これは比較的ハイレベル。
2014.01.08
○ミサイル部隊のなかに規律違反で処分を受けるものが、2013年だけで4人いた。規則を無視してICBMの格納庫を開けたり、勤務中に居眠りしたためである。
○Maj. Gen. Michael Carey(Maj. Gen.は少将)は2013年10月にICBM部隊の司令官をクビになった。同少将は代表団を率いて3日間ロシアを訪問した際、泥酔し、現地のいかがわしい女性とパーティーをし、ロシア側のホスト役を侮辱し、他の人がいるところで自分の上司に対する不満をブチまけたためである。
○ICBM部隊は2人が1組となり、交代制で24時間、ミサイルに異常がないか、いつでも命令があれば発射できるか監視する。このような監視を数10年間継続してきたが、一度も発射されたことはなかった。冷戦中はそれでも緊張感があったが、今は明確な敵はおらず、脅威の実態は変わってきており、サイバー攻撃とかテロ攻撃が問題である。ICBMの監視は退屈極まりない仕事になっており、その真の敵は倦怠である。
○イランや北朝鮮をICBMで攻撃するにはロシア領を通過することになる公算が大であり、そうなるとロシアが自国への攻撃と誤解する危険もある。
○オバマ大統領は核兵器を減少しようとしている。いずれはなくなるという期待感さえ口しており、ICBM部隊にとって先行きはますます暗くなっている。
○ヘーゲル国防長官も、長官就任以前、10年以内にICBMをすべて廃棄すべきだという意見に賛成していた。国防長官就任後は、さすがにそのようなことは言わなくなったが、各部隊には「職業的な沈滞がある」ことは指摘している。
米ICBM部隊の沈滞
米国の核ミサイル部隊で種々問題が発生していることは、軍や議会の関係者の間ではすでに知られていたらしいが、昨年の12月23日、AP通信のRobert Burns記者が現場の状況を報道して注目を集めた。全体的に核ミサイル部隊は深刻な沈滞ムードにあることを伝えている。主な点は次の通りである。○ミサイル部隊のなかに規律違反で処分を受けるものが、2013年だけで4人いた。規則を無視してICBMの格納庫を開けたり、勤務中に居眠りしたためである。
○Maj. Gen. Michael Carey(Maj. Gen.は少将)は2013年10月にICBM部隊の司令官をクビになった。同少将は代表団を率いて3日間ロシアを訪問した際、泥酔し、現地のいかがわしい女性とパーティーをし、ロシア側のホスト役を侮辱し、他の人がいるところで自分の上司に対する不満をブチまけたためである。
○ICBM部隊は2人が1組となり、交代制で24時間、ミサイルに異常がないか、いつでも命令があれば発射できるか監視する。このような監視を数10年間継続してきたが、一度も発射されたことはなかった。冷戦中はそれでも緊張感があったが、今は明確な敵はおらず、脅威の実態は変わってきており、サイバー攻撃とかテロ攻撃が問題である。ICBMの監視は退屈極まりない仕事になっており、その真の敵は倦怠である。
○イランや北朝鮮をICBMで攻撃するにはロシア領を通過することになる公算が大であり、そうなるとロシアが自国への攻撃と誤解する危険もある。
○オバマ大統領は核兵器を減少しようとしている。いずれはなくなるという期待感さえ口しており、ICBM部隊にとって先行きはますます暗くなっている。
○ヘーゲル国防長官も、長官就任以前、10年以内にICBMをすべて廃棄すべきだという意見に賛成していた。国防長官就任後は、さすがにそのようなことは言わなくなったが、各部隊には「職業的な沈滞がある」ことは指摘している。
2014.01.07
しかるに三中全会から日も浅い時点で、一部の新聞が、国防部は「統一作戦司令部」の設置を決めたと断定的に報道したのに対し、国防部のスポークスマンは11月28日の定例記者会見でそれを否定した経緯があった。
その後一部の新聞が「国防部は連合作戦司令部を将来の適当な時期に設立することにしており、その準備を始めている」と、今度は設立の時期をぼかした報道をしたのに対し、年が明けて早々の5日、国防部はそれも「根拠のない報道である」と完全否定した。
事実関係はそれだけのことであるが、国防部の非常に神経質な反応は、軍内でこの決定がまだ行われていないだけでなく、陸軍などが承服せず微妙な問題になっていることをうかがわせるものである。
人民解放軍の統一司令部設立問題
昨年秋の三中全会いらい人民解放軍の指揮系統を統一する問題が注目されている。人民解放軍は歴史的経緯から陸海空の三軍がバラバラであり、そのなかでは陸軍の力が圧倒的に強く、中枢機能である総政治部、総参謀部、総後勤部および総装備部も陸軍に置かれてきたが、近年海空両軍の重要性が飛躍的に高まり、統一的に軍を運用することが必要になったのにともない、3軍を統一指揮のもとに置き、総参謀部なども陸軍ではなく3軍の上に置くことが課題となっている。しかるに三中全会から日も浅い時点で、一部の新聞が、国防部は「統一作戦司令部」の設置を決めたと断定的に報道したのに対し、国防部のスポークスマンは11月28日の定例記者会見でそれを否定した経緯があった。
その後一部の新聞が「国防部は連合作戦司令部を将来の適当な時期に設立することにしており、その準備を始めている」と、今度は設立の時期をぼかした報道をしたのに対し、年が明けて早々の5日、国防部はそれも「根拠のない報道である」と完全否定した。
事実関係はそれだけのことであるが、国防部の非常に神経質な反応は、軍内でこの決定がまだ行われていないだけでなく、陸軍などが承服せず微妙な問題になっていることをうかがわせるものである。
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