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2013.10.30

三中全会の開催日の決定

10月29日の中共中央政治局会議で、三中全会は11月9~12日に開催されることが決定された。
これに呼応するかのように、中央軍事委員会は、各部隊、各組織に「巡視隊」派遣を決定した。決定文を見ると、腐敗の摘発が主要な目的らしく、「ハエだけでなく虎も叩け」の標語も出てくる。
一方、最高人民法院も同日、数項目からなる「意見」を発表した。その要点は、次のようなものであり、相変わらず司法の根本にかかわる問題が存在していることがうかがわれる。
「意见」の要点(抜粋)
独立した審判の確保と「保護主義(かばいあいなどを指すのであろう)」を排すること。
違法な裁判の禁止。
裁判以前に家屋などを強制的に撤去することを禁止。
専門家による解決の確保(専門家でない者、すなわち裁判官でない者が問題を解決することを指しているのであろう)。

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2013.10.29

天安門広場での車の炎上事故

昨日(28日)、北京の天安門広場で四輪駆動車が歩道に突っ込み、巻き添えになった者を含め5人が死亡した。乗っていた人が旗を振りながら暴走していたことが目撃されており、単なる事故ではなかったらしい。中国当局も事故でなくウイグル族により引き起こされた事件であったとの見方である。
中国各地で大小の事件が頻発しており、いわゆる「群体性事件」のように多数の人が参加するケースから個人の焼身自殺や爆破のような事件まで多種多様であるが、いずれも中央・地方の政府に対する抗議行動であることはほぼ間違いない。
天安門広場ではこれまで1989年の事件のように大規模なデモが起こっており、北京の当局は対応に慣れている。今回の事件も、現場での処理活動はもちろん、被疑者の身元や、「違法な容疑車両」を追っていることを手際よく発表している。
しかし、中国政府はどのような気持ちで見ているのだろうか。11月に開催される中共の三中全会ではいくつかの問題が取り上げられる、あるいは取り上げられるべきであると指摘されているが、そのなかで、個人や集団の抗議事件に直接かかわりうる問題としては、不動産の価格などに関係する「マクロコントロール」、工業用地の確保など土地問題、都市住民と差別されている農民の戸籍、村民を犠牲にする地方政府の歳入確保などの諸問題がある。つまり、三中全会での主要議題と目されていることの多くが抗議事件と関係があるのだ。
しかるに、今回の事件がウイグル族のような少数民族によって引き起こされたとなれば、民族問題が原因であるという印象が強くなり、その分だけ、中国で広く存在する内政問題であるという性格がかすんでくる。
中国政府がこのようなことを認識していたか否か、もとより知る由はないが、一般論としては、政府は、重要会議を控えて政治状況が不安定であるという印象を国民に与えないよう努めるであろうし、また、抗議する側としては、まさにそのために事件を起こしたのかもしれない。いたずらに想像を重ねることは控えなければならないが、中国の政治には日本などでは想像もできないような不安定性がある。

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2013.10.28

383改革法案

11月に開催される三中全会は、改革開放の大方針を決めた1978年末の三中全会(第11期。今回のは第18期)にも比肩しうる重要な中共中央委員会全体会議であると期待感を込めて語る人もいるようである。
それはともかくとして、同会議で取り上げられるべき重要な問題について、国務院のシンクタンク、「発展研究中心」は以下のような意見書「383改革法案」を発表した。項目だけであるが、参考になる。
○三つの改革を打ち出すことが鍵となる。意見書は「三位一体改革」と呼んでいるが、その言葉を使うことには異論があるかもしれないので、書き換えた。「市場経済の改善(原文は「市場体系の完善」)」「政府機能の改革」「新しい企業体制の創設」である。中国の経済は今なお計画経済と諸々の規制が残っており、市場の機能が著しく制約されていること、政府の権限があまりにも大きすぎるのを改革する必要があること、国有企業の優遇をあらため、民営企業中心にする必要があることなどを指摘しているのである。
○そのために次の8つの改革を行なわなければならない。
‐法律に依拠した行政、政府の許可権限の大幅縮小
‐独占の排除、競争の促進
‐権利の平等などを尊重した土地制度改革
‐金融業への参入条件を低くし、利子率と為替を市場に委ねるなどの金融改革
‐財政制度改革
‐国有資産の資本化など国有資産管理体制の改革
‐環境にやさしい発展
‐対外経済体制の改革
○以上に関連する3つの改革
‐参入規制の緩和、外国資本の導入、競争の強化
‐社会保障制度の改革
‐土地制度、取引の改革

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