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2014.12.24

北朝鮮のサイバー攻撃に関する米中の協力?

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが作成した映画「ザ・インタビュー」の上映にする北朝鮮からのサイバー攻撃と米国の反発、それに21日から22日にかけて発生した、北朝鮮のインターネットが接続不能になっていることなど、IT関係の問題は素人には分からないことばかりである。
私は去る10月、平壌を訪問した際インターネットを使いたいと申し出た。答えはノーであり、訪問の前からその希望を伝えておけば、使用できるように準備しておくことは可能であるという説明であった。
今回の一連の報道から、ロシアの企業や、某国の在ピョンヤン大使館などがインターネットを使用していることが分かってきた。また、北朝鮮には4本の基幹ネットワーク回線があり、4本すべてが中国を経由していることも分かったが、北朝鮮のインターネット事情についてはまだまだ分からないことが多い。北朝鮮は対外的に開放姿勢を取ろうとしているが、外国人がインターネットを利用する環境を整備することが必要になってくるであろう。

今回のサイバー攻撃の関連で、米国は中国に対し協力を要請し、その後両国の外相が電話で話し合っている。この分野での協力が進むことは日本としても歓迎できるが、素人として素朴な疑問がある。米国は被害の実情を中国によく説明しなければならないのではないか。どんな問題でも被害を受けた側が、将来のさらなる被害を防ぐため、あるいは攻撃に対する反撃を行なうためには、協力を要請する側と協力する側が被害の状況を共有することが必要であろう。サイバー攻撃という特殊技術的なことについても同じことが言えるのではないか。
米国と中国との間でもサイバー攻撃問題があり、中国政府は中国も被害者だと主張しており、両国の主張はかみ合っていない。それでは実情はどうなっているのか、両国が協力しあって調査すればよいだろうが、そう簡単にはいかない。我々から見ると真相はやぶの中である。そのような状況があるなかで、北朝鮮について米中がサイバー攻撃問題で協力するかどうかという問題が出てきた。2次元の方程式が3次元の難問になった感がある。今後の推移を見守ることが必要であるが、この方面に明るい人に指南してもらいたい。

2014.12.24

SUICAにプレミア感?

東京駅開業百周年を記念して特別のSUICA(磁気カード)が発売されるというので大勢の人が殺到し、危険な状況も出てきたため発売は途中で中止された。しかし突然の予定変更である。JRに怒りをぶつけた人も多く、現場は険悪な雰囲気になったそうである。今回発売されることとなった特別カードの数が限定されていたことが混乱の原因であり、疑問や批判が相次いだ。JRはその後方針を変更し、販売数を増加することにしたと報じられている。
JRが販売数を限定したのは「プレミア感」を出そうとしたためであろうと言う人がいる。これはどういう意味か。「プレミア」という言葉を冠した商品は他にもある。それは普通の商品でなく、とくに品質が高いものを言うようだ。SUICAは、今回記念に発売されるカードも普段使うカードも性能はまったく変わらないが、記念カードの特別デザインが価値を高めているのであろう。また、「プレミア感」はその販売数が限定されているためだとも指摘されている。希少価値ということで付加価値が生まれているのである。インターネットでは記念SUICAは驚くほど高値で転売されているそうである。

しかし、「プレミア感」という言葉を使うことには抵抗感を覚える。なぜ日本語を使わないのかといぶかっているのではない。我々の生活の中に外国語があふれていることは、決して理想的なことと思わないが、あまりの数のため外来語の使用をやめようと旗を振る気にはなれない。そんなことをしたら平成のドンキホーテになってしまうだろう。問題は外国語の使い方であり、外国語を無批判的に導入し、どんどん使っていくなかで、本来の意味とは違った意味で使用されることが既成事実化することである。
「プレミア」はそもそもpremierのことだろうが、これは「第一の」あるいは「首位の」という意味である。プレミア・リーグなどはそうであろう。これには、premiumのように付け加わるという意味はない。品質が追加的に、あるいは特別によいと言いたいのであれば、「プレミアム」と言うべきである。しかし、それは言いにくいので「プレミア」で代替させたということであろう。つまり、記念SUICAの場合も「プレミアム」というべきなのであるが、便宜的に「プレミア」と言っているのであろう。このような用法は記念SUICAが初めてではなく、以前からあったらしい。たとえば『広辞苑』なども、「プレミア」が「プレミアム」の意味で使われることがあるとしているので、日本社会ではかなり広く見られる現象となっているようである。
3千ページもある大きな辞書でさえ受け入れていることであり、また外来語の導入は日本人の柔軟性の表れでもあるが、それでも私は、「プレミア」の使用には抵抗がある。外来語の安易な使用が思わぬ結果を招来することをつくづく思わされる出来事があったので紹介する。北朝鮮が現在行っている特別調査に関することであるが、伊原外務省アジア大洋州局長は平壌訪問から帰国後、北朝鮮は拉致問題について「前回の調査結果にこだわらず」全面的に調査しなおしていると説明した。これ聞いた永田町界隈にいる外国語マニアが「ゼロベースで調査しているという説明であった」と言い換えた。「ゼロベース」は、情けないことに、国会でも使われた。これを聞いた拉致被害者家族会の代表である飯塚さんは、「今更ゼロベースで調査するとは何事」と反発したそうである。
要するに、「前回の結果にこだわらず」を「ゼロベースで」と言い換えるのは、「プレミアム」を「プレミア」と言い換えるのと同様、一般にはさほど目くじらを立てるほどのことでないかもしれないが、状況いかんで罪づくりになるのである。以上の理由から、かつ頭が固いためか、私は「プレミア感」などという言葉を使用する気になれない。
2014.12.22

永暑礁を拠点にする中国

軍事情報会社HIS Jane’sは2014年11月末、南沙諸島内の永暑礁(フィアリィ・クロス)の衛星写真を公開し、中国が全長3千メートル、幅200~300メートルの人工島を建設中であり、南沙諸島における中国初の滑走路になる可能性が高いと報道した。この岩礁は、1988年、中国がベトナムと戦い(スプラトリー諸島海戦)手中に収めた6つの岩礁の一つである。
南沙諸島全体では約18の小島や岩礁があり、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、中国が領有権を主張している。実効支配はいずれかの国が行なっており(複数の国が行動すると衝突となる)、南沙諸島で最大の太平島は台湾が支配し、軍用飛行場を建設している。
中国が実効支配している6つの岩礁は国別ではむしろ少数であり、中国ではかねてから、南沙諸島における中国の拠点は他国に比べ弱いとみなされていた。そして最近、中国は永暑礁を拠点として強化することを決定したのであろう。滑走路のほか、港湾や海洋観測所なども建設すると見られている。
このような中国の動きはベトナムやフィリピンを刺激する。しかし中国は、2013年10月、習近平主席がASEANを訪問した際建設を提案した「海上のシルクロード」構想(本HPには11月25日アップ)を掲げてこれらの国を牽制し、また、おりしもAPECやASEANの首脳会議が相ついだため、ベトナムやフィリピンは反発する機会がなかったとも言われている。
もちろんベトナムやフィリピンが納得したわけではないが、永暑礁だけであれば大きな問題に発展しないかもしれない。中国以外の国はそれぞれ実効支配している島、岩礁で中国以上の活動をしているからである。HISジェーンズなどは、南沙諸島に関する限り中国はこれで他国と対等になるとコメントしている。しかし、これは一面的な見方である。問題は、滑走路が完成し、観測所なども建設された後に中国がどのような行動に出るか、つまり、中国の海洋戦略いかんである。

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