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2015.06.18

(短文)辺野古へ移転しないでよいのではないか

 普天間飛行場の辺野古への移設問題について書くのはちょっと勇気がいる。複雑な経緯があり、歴代の政府、防衛省や外務省、米軍などで智慧を絞って出された結論について、事情を十分承知していない者が軽々に物を言うのははばかられるが、次の理由から辺野古移転不要論を率直に書いてみた。このHPの「ご意見・お問い合わせ」を通じてご叱正いただければ幸甚である。

 思い切って書いた理由の第1は、辺野古への移転に関してすべてのことを知っている人はまずいないことである。防衛・外務両省の人たちでもすべて知っているわけではないだろう。長年、防衛省で普天間問題に取り組んできた守屋武昌氏の著作からもそのようなことがうかがえる。
 第2に、あくまで辺野古での飛行場建設を強行するならば流血の事態が発生する恐れがある。政府として、時には強硬手段もやむをえない場合があることは承知しているが、21世紀に入って15年、日本人の大多数が基本的には豊かで安全な生活を送っている今日、米軍が使う飛行場を建設するために流血の犠牲を払ってでも強行しなければならないとはどうしても思えない。この日本にそのようなことが起こってはならないのではないか。国際約束であっても、そんなことをすれば末代まで悔いが残るだろう
 第3に、辺野古移転しか解決の方法はない、と政府は説明するが、そんなことが言えるか、他の方法を真剣に検討したのか、どうしても疑問が残る。

 では具体的にどうするのがよいかであるが、辺野古に新しい飛行場を作るのではなく、普天間飛行場は残し、周囲の危険な場所に住んでいる人たちの移住により解決を図るという考えに賛成である。
 このような意見は沖縄ですでに出ているようであるが、なぜかあまり広がっていない。辺野古案と住民移転案の費用比較、沖縄への政府からの補助への影響、運動を推進している政党の問題などさまざまな事情が絡んでいるのだろうが、細かい損得勘定はともかくとして、飛行場移転より住民移転のほうが痛みは少ないということはきわめて重要なことであり、国民の政治的信条、政党の主張などを超えて合意を形成できる案であると考える。

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