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2015.05.25

(短文)アジアインフラ投資銀行(AIIB)の正体

 シンガポールで開かれていたアジアインフラ投資銀行設立準備の会合で、設立協定の内容が合意されたと中国財務省が発表した。その内容は明かされていないが、各紙の報道によると、中国の出資比率がダントツに多くて29%、議決権は26%と、中国だけが拒否権を持つことになった。銀行の本部所在地は北京で決定済み。総裁はこれから決定されるが、中国が決定権を握っているので、やはり中国人になると見られている。代表格の理事は北京に常駐しないことも合意されたそうだが、本部所在地が北京であるという性質は何ら薄まらない。また、AIIBの事業は中国の構想である「一帯一路」の実現と密接な関係がある。
 中国が各国の協力を得てこのような銀行設立に漕ぎつけたことは中国の開発金融への取り組みとして、また、中国外交としても大成功であると思う。
 しかし、平等な主権国家が協力して設立する国際機関とは言えない。AIIBは、中国が圧倒的な決定権を持ち、中国のための(つまり、「一帯一路」のための)、中国に活動の本拠があり、中国人が代表するという性格の銀行だからである。これに日本が税金を使って拠出することはありえない。日本の企業は今後、AIIBの事業に商業ベースでかかわっていけばよい。株式を取得するもよし、あるいは債券を購入するもよし。
 
 なお、AIIBと「一帯一路」については、2月16,18,19、23日、3月27日、4月1、6、10、15,20日、5月1,13日に当HPに掲載した記事を参照していただければ幸いである。

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