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2015.06.17

(短文)范長龍中国中央軍事員会副主席を米国はどう扱ったか

 范長龍中央軍事員会副主席が訪米し、6月11日、カーター国防長官と会談した。米側の対応は決して熱烈歓迎でなく、むしろ「冷淡」に近かったようだ。過去、中国の軍事委員会副主席が訪中した際は大統領も会っていたが、今回これはなく、国防総省での歓迎行事では儀仗(儀仗隊が整列する前を通って栄誉を受けること)は行なわれず、19発の礼砲もなかった。米国は南シナ海での中国の行動を強く問題視しているからである。
 中国側は事前にそのような扱いについて米側から通報を受け、不承不承であろうが、了承していたはずである。中国側は米側に、今回の范長龍副主席の訪米について最低限必要なこと以外はプレス発表しないでほしいと要請する一方、中国系のメディアには范長龍副主席訪米の事務的な側面を強調して、米側が冷たく扱ったという印象が目立たないよう努めていた。しかし、それはしょせん弥縫策であり、米側が范長龍副主席に対して示した強い姿勢を覆い隠すことはできなかった。
 米中間には協力が必要な事柄も少なくない。今年の9月には習近平主席の訪米が控えており、米国政府はこれを重要な行事として扱うであろうし、米中両国はお互いに重視し合っている。
 しかし、中国が南シナ海でしたい放題の行動を行なったことは米国政府や議会の中で蓄積されていくだろう。それがどのような結果をもたらすか、まだ見えてこないが、米国だけの問題にとどまらない。中国軍の問題行動は国際社会における中国の声望を改善しないのではないか。

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