平和外交研究所

ブログ

中国

2014.04.05

周永康追及にブレーキか

前政治局常務委員の周永康に対する追及に関し、4月3日付の多維新聞(米国に本部がある中国語の新聞。中国の内政によく通じている)は3月13日付の香港紙South China Morning Postの記事を流している。この記事の要点は次のとおりである。
○全人代・政治協商会議の閉幕に際して李克強首相が行なった記者会見で、周永康に関する質問は行われなかった。
○記者会見に先立って、参加する外国記者はその質問をしないよう警告されていた。もしその警告を無視すれば、ブラックリストに載せられ、以後質問できなくなると聞かされていたのである。また、当局によれば、経済に関する問題や改革について質問すれば、指名される機会が大きくなるということであった。
実際には15の質問が取り上げられたが、ほとんどすべてが対外関係と経済改革に関するものであった。
○周永康に関して李克強首相が記者会見で説明するというのは異例である。しかしながら、2年前には全く同じ状況の記者会見で、温家宝首相が薄熙来に関して異例の率直な攻撃を行なった。その翌日、薄熙来は政治局から追放され、その後裁判で終身刑を受けた。

多維新聞が約3週間もたってからSouth China Morning Postの記事を報道したのはなぜか。一つの可能性は、多維新聞として独自の情報源に確かめ、さらに一歩進んだ記事を書こうとしたが、それはうまくいかなかったということである。この多維新聞記事は、記者が事前に警告されていたことについて実質的には肯定に近いことを述べつつ、確認できないと一言追加している。

最近、周永康に対する追及が進んでいることが注目されている一方、あらたに李鵬前総理の身辺にも汚職追及の手が及んでいるという見方があり、多維新聞はそのことにも注目していた。今回の記事においても「油のトラ(周永康のこと)に関する風波がまだ収まらないうちに、電気のトラ(李鵬のこと)について波乱が起こっている」と述べている。

多維新聞は、習近平政権が李鵬に対する追及を始める可能性があることをかねてから示唆する報道を繰り返し行ってきたが、李鵬に問題があることを直接的に述べる一歩手前で止め、その娘などの言動に焦点を当てるだけにしているのは、李鵬があまりにも大物であることと、また、長老が、とくにトップレベルの摘発については、習近平政権にブレーキをかけている可能性があることの反映かもしれない。



このページのトップへ

Copyright©平和外交研究所 All Rights Reserved.