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2015.10.22

(短評)英国は中国からの投資受け入れに熱心だ

 英国は、AIIB(アジアインフラ投資銀行)についても非常に積極的であったが、習近平主席の訪英に際して合意された中国製原発の輸入とそれに伴う中国資本の受け入れは、AIIB以上に驚き/不思議だ。
 両国間で投資や貿易について総額約400億ポンド(約7・3兆円)に上る合意が成立しそうだというのも大した数字だが、ブラッドウェルの原発には中国広核集団(CGN)が66・5%を出資するという。
 これだけの出資比率になると、発言力は極めて大きくなり、英側は中国の言いなりにならざるをえないのではないか。日本などでは考えられないことだ。
 英国がこれほど大胆な決断をしたのは、英国経済に強いカンフル注射が必要なためか、それとも英国人は外国人の扱いに自信があり、出資比率ははるかに少なくとも中国の資本をコントロールできると思っているのか、あるいは両方の理由のためか。
 もちろん日本とは事情が異なる。英国と中国との間で矛盾が発生することはなくなっている。香港を返還して間もないころは、中国は返還に際しての英国との合意、50年間は香港の状況を変えないという約束が守られていないと不満を持っていたようだが、今はそれも過去のことになっており、英国の発言権は皆無なのかもしれない。
 英国の輝かしい歴史と伝統は今も脈々と生きていると思うだけに、英国はどのように考えているのか、さらに研究してみたい。

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