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2016.10.17

(短評)ユネスコ分担金の支払い保留は国益を害する

 日本政府が今年のユネスコ(国連教育科学文化機関)の分担金、約38億5千万円の支払いを保留していることについてはすでに多くの人が批判しているが、私も同感だ。
 かりに、南京大虐殺の扱いについてユネスコの対応に不満であっても、分担金の支払いと結びつけるべきでない。分担金を支払わなければ、日本は日本の言うことを聞かないとカネや力づくで解決しようとすると言われる恐れが大きい。
 南京の問題について日本政府がどのような交渉をしているのか、詳細は承知していないが、かりにどうしても登録するのならば、反対する国の意見を掲載するとかして日本の考えを表明し、問題点を国際社会に対し広く指摘できるはずだ。他にも方法はありうる。
 そのようなことを尽くさずに、言うことを聞かなければ払わないというのは、もっとも粗野で俗悪な振る舞いだ。そんなことをすれば、その結果はブーメランのように跳ね返ってきて日本の国益を害することになるだろう。

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