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2016.03.05

(短文)イランの国会選挙

 2月26日、イランで実施された国会選挙の中間開票状況が発表された。イランでは一定の投票数に満たないと当選にならず、後日あらためて投票が行われる(決選投票)仕組みになっており、最終的な結果は4月以降にならないと出ないそうだ。
 前回の2012年選挙では290の定数のうち、一発で決まった議席が225、残りは
決選投票に持ち越された。
 改選前の勢力は改革派が1割、保守強硬派が4割程度。他に中道の保守穏健派や独立派があり、保守派を合わせると3分の2の多数となっていた。

 中間開票結果では、ローハニ大統領を支持する改革派が躍進し、獲得議席数は保守派を凌駕する可能性が出てきている。首都テヘランでは全30議席を改革派が取った。
 また、国会の選挙と同時に実施された、最高指導者の選出権限を持つ「専門家会議」(定数88)の選挙でも、改革派が大幅に伸長した。

 ローハニ大統領は2013年に就任して以来国際社会との協調路線を進め、15年7月には核開発について米欧など6カ国と「最終合意」に達し、今年1月には米国とEUが制裁を解除するなど順調に歩んできた。米欧とイスラエルにはイランが本当に協調的になったか、懐疑的な見解がまだ残っているが、今回の選挙はローハニ大統領の国際協調路線がイラン国民に支持されていることを示しており、さらなる前進だ。

 ISなどまだ困難な問題があるが、イランの穏健・協調的姿勢への転換は中東の政治状況にも大きな影響を与えうる。
 14年前にブッシュ米大統領はイラクおよび北朝鮮とともにイランを「悪の枢軸」と呼んだが、イランはそのような姿を一新しつつあるのだ。

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