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2022.03.22

ゼレンスキー大統領の国会演説と真珠湾攻撃の問題

 ゼレンスキー・ウクライナ大統領は3月23日、日本の国会で演説する運びになっている。1週間前の16日に米国議会で行った演説でゼレンスキー氏が「真珠湾を思い出せ」と叫んだことは日本人の間で反発を招いた。

 米国はもとより、他の旧連合国は、日本による真珠湾攻撃は「奇襲」であったと認識している。日本は米国を攻撃する前に宣戦布告をできなかったのは事実であり、だから「奇襲」であったと言われれば、認めるしかない。

 しかし、日本人の気持ちは複雑である。「奇襲」をかける意図ではなかったが、遅れてしまったのだ。なぜそうなったか。国会での説明、外務省による調査、民間の研究などで複雑な事情が明らかになっているが、要するに失敗したのであった。

 81年も前のことであり、すでに過去のことになっていると思いたいが、残念ながら真珠湾攻撃は今でも「奇襲」の象徴のように思われており、国際政治において時々出てくる。トランプ大統領も言及したことがあった。

 ゼレンスキー大統領は親日家である。それだけに、真珠湾攻撃のことが出てくるたびに日本人がどれほど苦しむか、理解を深めてもらいたい。

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