2020 - 平和外交研究所 - Page 19
2020.02.12
この中でフィリピンが特に少ないのは、各国に先駆けていち早く中国からの入国を完全禁止するなど果断な措置を取った結果であるという印象もあるが、新型コロナウイルスによる感染者数の把握は困難であり、また時間の経過とともに急速に増大していることも斟酌する必要があろう。
フィリピンはさらに10日夜、入国禁止措置の対象地域に台湾を含めると発表した。フィリピンの新型コロナウイルスに関する強い警戒姿勢がここにも表れているが、その際行った「一つの中国政策に基づくもの」との説明はいただけない。中国の主張はともかく、事実として台湾は中国の一部でないし、独自の防疫体制を敷いていることを無視しているからだ。台湾は一方的な決定を改めるようフィリピン側に申し入れると表明している。
台湾がWHO(世界保健機関)から締め出されていることはかねてから問題となってきたが、今回の新型コロナウイルスに関連して台湾は再び苦痛を強いられている。
WHOは公式サイトで公表している「状況報告書」の1月22日版で、台湾を「中国台湾(Taiwan China)」と表記。同23、24日版は「台北直轄市」とし、同25日版以降、「台北」としていたが、最新の2月5日版では「台北および周辺地域」に変えた。いずれも中国国内の他の省市と並べて表記した。
また、2月4日には、当時10人だった感染者数を13人と発表。その後修正されたが、誤った数字が記載されたのは中国当局が提供した情報が原因だったという。台湾が「われわれは台湾だ。WHOは名称をいったい何度、変えるのか。多くの国が台湾は中国の感染地域にあると誤解し、非常に困っている」と強く反発したのは当然であった。
台湾が中国からいじめを受けていることは各国で注目され、台湾に同情する声が上がっている。日本では安倍首相が1月30日、参議院予算委員会で「政治的な立場からこの地域は排除するということを行うと、地域全体の健康維持、感染の防止は難しくなる」と答弁した。蔡英文総統は同日の記者会見で「新型肺炎の問題を通じ、世界が防疫における台湾の重要性を理解してきた。米国や日本の支持に感謝したい」と述べている。
各国の声援があってか、2月11日から始まったWHOの緊急会合では台湾の専門家も参加が認められた。彼らは「台北」からの参加と位置づけられ、また、テレビ会議の形式であった。これでは台湾にとっては問題が完全に解消したわけではないだろうが、全く拒否されるよりはましであろう。
台湾は2003年にSARSが流行した際、防疫体制の不手際から60人以上の死者を出した(中国に次いで多かった)苦い経験がある。情報が遅れたともいわれていた。それが真の原因か否かはともかく、その時の経験から今回の新型コロナウイルスによる感染には神経質に対応している。当然である。またWHOとしては台湾での対応が遅れをとらないよう細心の注意を払うべきである。
来る5月初め、WHO総会を迎えるに際しては、台湾の参加が、オブザーバーとしてでもよい、認められるべきである。どの国も中国の台湾についての立場に穴をあけようとしていない。ただ、感染の拡大を防止する国際的体制を整備・改善するには、台湾を中国の各都市と同列に扱うのでなく、独自の防疫体制を持つ地域として扱うべきである。
新型コロナウイルス肺炎と台湾
台湾における新型コロナウイルスによる肺炎の感染者数18人(2月10日の厚生労働省の発表)であり、周辺の香港36人、フィリピン3人、ベトナム14人、マレーシア17人、シンガポール43人、韓国27人と比較して高くないが、特に少ないわけでもない。この中でフィリピンが特に少ないのは、各国に先駆けていち早く中国からの入国を完全禁止するなど果断な措置を取った結果であるという印象もあるが、新型コロナウイルスによる感染者数の把握は困難であり、また時間の経過とともに急速に増大していることも斟酌する必要があろう。
フィリピンはさらに10日夜、入国禁止措置の対象地域に台湾を含めると発表した。フィリピンの新型コロナウイルスに関する強い警戒姿勢がここにも表れているが、その際行った「一つの中国政策に基づくもの」との説明はいただけない。中国の主張はともかく、事実として台湾は中国の一部でないし、独自の防疫体制を敷いていることを無視しているからだ。台湾は一方的な決定を改めるようフィリピン側に申し入れると表明している。
台湾がWHO(世界保健機関)から締め出されていることはかねてから問題となってきたが、今回の新型コロナウイルスに関連して台湾は再び苦痛を強いられている。
WHOは公式サイトで公表している「状況報告書」の1月22日版で、台湾を「中国台湾(Taiwan China)」と表記。同23、24日版は「台北直轄市」とし、同25日版以降、「台北」としていたが、最新の2月5日版では「台北および周辺地域」に変えた。いずれも中国国内の他の省市と並べて表記した。
また、2月4日には、当時10人だった感染者数を13人と発表。その後修正されたが、誤った数字が記載されたのは中国当局が提供した情報が原因だったという。台湾が「われわれは台湾だ。WHOは名称をいったい何度、変えるのか。多くの国が台湾は中国の感染地域にあると誤解し、非常に困っている」と強く反発したのは当然であった。
台湾が中国からいじめを受けていることは各国で注目され、台湾に同情する声が上がっている。日本では安倍首相が1月30日、参議院予算委員会で「政治的な立場からこの地域は排除するということを行うと、地域全体の健康維持、感染の防止は難しくなる」と答弁した。蔡英文総統は同日の記者会見で「新型肺炎の問題を通じ、世界が防疫における台湾の重要性を理解してきた。米国や日本の支持に感謝したい」と述べている。
各国の声援があってか、2月11日から始まったWHOの緊急会合では台湾の専門家も参加が認められた。彼らは「台北」からの参加と位置づけられ、また、テレビ会議の形式であった。これでは台湾にとっては問題が完全に解消したわけではないだろうが、全く拒否されるよりはましであろう。
台湾は2003年にSARSが流行した際、防疫体制の不手際から60人以上の死者を出した(中国に次いで多かった)苦い経験がある。情報が遅れたともいわれていた。それが真の原因か否かはともかく、その時の経験から今回の新型コロナウイルスによる感染には神経質に対応している。当然である。またWHOとしては台湾での対応が遅れをとらないよう細心の注意を払うべきである。
来る5月初め、WHO総会を迎えるに際しては、台湾の参加が、オブザーバーとしてでもよい、認められるべきである。どの国も中国の台湾についての立場に穴をあけようとしていない。ただ、感染の拡大を防止する国際的体制を整備・改善するには、台湾を中国の各都市と同列に扱うのでなく、独自の防疫体制を持つ地域として扱うべきである。
2020.02.10
もちろん、中国人や韓国人が多数訪れるからであるが、市町村の役場のほうでも4つの言語で説明するよう指導しているのだろう。そうでなければ、例外なく4言語で説明するようにはならないと思う。いずれにしても立派な「おもてなし」である。
説明を読んでの感想は中国人と韓国人とでは大きく違っているはずである。名所旧跡の説明には、たとえば弘法大師が唐に渡り学んだことなど中国との関係がしばしば出てくるので、中国人は五島と中国との関係の歴史を知り、興味深いと思うだろう。中華の偉大さを想起する人もいるだろう。
一方、五島の名所旧跡は韓国と関係がないので、説明に韓国関係の言及はなく、韓国人は第三国のことについての説明を読むことになる。それも興味深く思う韓国人もいるだろうが、自国についての説明を読む中国人とはまるで違った感想を持つだろう。なかには、歴史的怨念を思い出す韓国人がいるかもしれない。
昔から韓国人は、東アジアで影響力があったのは中国やロシア、また、近代以降は欧米諸国や日本であり、韓国は常に影響を受ける国であったことに強い不満を抱いてきた。そのような背景を持つ韓国人は、五島の名所旧跡で説明を読むと、「また、中国と日本だけか」と思うかもしれないのである。このような韓国人の感覚は日本人には無縁なだけに、注意しておいて損はない。
かと言って、韓国語の説明を止めた方がよいと言いたいのではない。むしろ逆であり、韓国とのご縁はできるだけ表に出し、アピールしたほうがよいと思う。
五島と言えば教会群のイメージがあまりに強すぎて、遣唐使や中国との交易の歴史でさえかすんでしまうほどであり、韓国となるとさらにひどくて無関係だと思われているかもしれないが、実は、五島は韓国と無関係でない。
若松島(上五島)の日島(ひのしま)というところには、中国および朝鮮との交易拠点があった(現存しているのは墳墓群のみ)という。
15世紀、朝鮮通信使の一行に加わっていた申叔舟(しん しゅくしゅう、シン・スクチュ)は『海東諸国紀』の中で、日島の人が朝鮮と交易していたことを書き残しているくらいなので当時は重要な場所だったのだろう。位置関係を見ると、五島と朝鮮半島の間で交易が行われていたのはごく自然なことである。
五島では今でも友人のことを「チング」と呼ぶが、これは韓国語だ。これに「ヨ」をつけて「チングヨ」ともいう。「友人です」という意味であるが、「ヨ」をもって「です」の意味を表すのは韓国語で普通の表現である。
現在、日本と韓国との関係は悪化しているが、将来は何らかのきっかけで五島と韓国との交流が再び盛んになるかもしれない。かりに五島で韓国との関係についての研究が進み、その結果旅行者にも説明できることが出てくれば面白いことになる。韓国と言えば、何と言っても対馬だろうが、五島も韓国に近い。それに、五島ではいわゆる嫌韓意識は全く感じなかった。韓国に対して平常心で臨めるのは、徹底した韓国語での表記と並んで五島のアセット(財産)である。五島には可能性があると思う。
五島列島と韓国
先日、五島列島へ旅行して、名所旧跡の説明が日本語、英語、中国語、それに韓国語で書いてあるのを見て感心した。日本語以外の言語でも説明する努力は全国的に行われているので珍しいことではないが、今でも日本語だけ、あるいは日本語と英語だけのところは少なくない。しかし、五島列島では、どこでも、生真面目に4つの言語で説明が書かれていた。もちろん、中国人や韓国人が多数訪れるからであるが、市町村の役場のほうでも4つの言語で説明するよう指導しているのだろう。そうでなければ、例外なく4言語で説明するようにはならないと思う。いずれにしても立派な「おもてなし」である。
説明を読んでの感想は中国人と韓国人とでは大きく違っているはずである。名所旧跡の説明には、たとえば弘法大師が唐に渡り学んだことなど中国との関係がしばしば出てくるので、中国人は五島と中国との関係の歴史を知り、興味深いと思うだろう。中華の偉大さを想起する人もいるだろう。
一方、五島の名所旧跡は韓国と関係がないので、説明に韓国関係の言及はなく、韓国人は第三国のことについての説明を読むことになる。それも興味深く思う韓国人もいるだろうが、自国についての説明を読む中国人とはまるで違った感想を持つだろう。なかには、歴史的怨念を思い出す韓国人がいるかもしれない。
昔から韓国人は、東アジアで影響力があったのは中国やロシア、また、近代以降は欧米諸国や日本であり、韓国は常に影響を受ける国であったことに強い不満を抱いてきた。そのような背景を持つ韓国人は、五島の名所旧跡で説明を読むと、「また、中国と日本だけか」と思うかもしれないのである。このような韓国人の感覚は日本人には無縁なだけに、注意しておいて損はない。
かと言って、韓国語の説明を止めた方がよいと言いたいのではない。むしろ逆であり、韓国とのご縁はできるだけ表に出し、アピールしたほうがよいと思う。
五島と言えば教会群のイメージがあまりに強すぎて、遣唐使や中国との交易の歴史でさえかすんでしまうほどであり、韓国となるとさらにひどくて無関係だと思われているかもしれないが、実は、五島は韓国と無関係でない。
若松島(上五島)の日島(ひのしま)というところには、中国および朝鮮との交易拠点があった(現存しているのは墳墓群のみ)という。
15世紀、朝鮮通信使の一行に加わっていた申叔舟(しん しゅくしゅう、シン・スクチュ)は『海東諸国紀』の中で、日島の人が朝鮮と交易していたことを書き残しているくらいなので当時は重要な場所だったのだろう。位置関係を見ると、五島と朝鮮半島の間で交易が行われていたのはごく自然なことである。
五島では今でも友人のことを「チング」と呼ぶが、これは韓国語だ。これに「ヨ」をつけて「チングヨ」ともいう。「友人です」という意味であるが、「ヨ」をもって「です」の意味を表すのは韓国語で普通の表現である。
現在、日本と韓国との関係は悪化しているが、将来は何らかのきっかけで五島と韓国との交流が再び盛んになるかもしれない。かりに五島で韓国との関係についての研究が進み、その結果旅行者にも説明できることが出てくれば面白いことになる。韓国と言えば、何と言っても対馬だろうが、五島も韓国に近い。それに、五島ではいわゆる嫌韓意識は全く感じなかった。韓国に対して平常心で臨めるのは、徹底した韓国語での表記と並んで五島のアセット(財産)である。五島には可能性があると思う。
2020.02.08
米国が小型核を配備した理由は、ロシアがすでに小型核を保有しており、また、中国も核兵器の近代化や拡大をしていることであり、ロード国防次官は声明で「(小型核の実戦配備は)米国の拡大抑止(核の傘)を支え、潜在的な敵に限定的な核使用は何の利点もないことを示す」と説明した。つまり、ロシアや中国が小型核を配備、あるいはその方向に向いているので、米国も小型核の配備が必要なのだということであろう。
しかし、このような戦略は有効か、はなはだ疑問である。
そもそも小型核が開発されたのは、核兵器は破壊力が大きすぎて使用できないからである。小型核、たとえば広島へ投下された原爆の3分の1のエネルギーである5キロトン程度であれば使用可能だと考えられており、今回配備されたのはその程度の威力だとみられている。
しかし、その程度の威力であれば核兵器に頼る必要はない。最近は、通常爆弾でもMOAB(Massive Ordnance Air Blast大規模爆風兵器)など、核兵器と間違われるほど強烈な威力の爆弾が開発されている。しかも、核兵器は小型であっても放射能汚染を起こす。
抑止、つまり、相手が攻撃を仕掛けてくると相手は壊滅的打撃をこうむることを知らせることにより攻撃を思いとどまらせる点では、こちら側は威力が大きい方がより有効であり、小型核による理由はない。
また、実際問題として、敵方が5キロトンならこちら側も5キロトンで対抗することにはならない。今まで世界中の人々が恐れてきたのは、核には核、すなわち、どちらか一方から核攻撃が行われれば、他の一方は核により反撃するしかないということであり、そのような状況において、爆弾の威力を比較することにはならない。小型核にはやはり小型核で対抗するというのは机上の空論に過ぎない。
小型核の配備は政治的な問題も引き起こす。敵方から見れば、米国が小型核を持つと米国から攻撃をしやすくなると思う危険があることだ。そうすると、彼らは核兵器の威力をさらに向上させようとするだろう。つまり、核軍拡競争となる。
米国の核は攻撃用でなく、抑止のためだというのは日本のように米国の同盟国は比較的容易に信じられるが、ロシアや中国は日本のようには考えないだろう。
また、小型核の配備は米ロ間の戦略兵器削減交渉にも悪影響を及ぼす。この交渉は冷戦時代から核の恐怖におびえる世界にとって唯一といってよい前向きの努力であった。この交渉を今後前に進められなくなるとマイナス効果は計り知れない。
小型核は、核不拡散条約(NPT)においても、長年議論され、2000年の再検討会議では「非戦略核兵器(小型核のこと)の削減」が合意されていた。NPTで合意したことを反故にすることがいかに危険か、あらためて述べる必要はないだろう。
日本としては、小型核の配備を深刻な問題として捉えなければならない。そして、この際、核軍拡競争には反対することを表明すべきである。その相手は今回小型核を配備した米国に限らない。すべての国に対して呼びかければよい。
本年4月から5月にかけ、5年に1回のNPTの再検討会議が開かれる。その際にも日本は明確な態度表明が必要となる。
小型核の配備
米国防総省は2月4日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)用に爆発力を抑えた低出力の小型核弾頭を実戦配備したと発表した。トランプ政権が2018年2月に発表した、新型の小型核弾頭の開発を戦略の柱に据えるとの新方針を実行に移したものであるが、第二次大戦終了後、続けられてきた核の拡散防止と核軍縮のための懸命な努力に逆行し、世界を再び核軍拡競争に陥れかねない危険な行為である。米国が小型核を配備した理由は、ロシアがすでに小型核を保有しており、また、中国も核兵器の近代化や拡大をしていることであり、ロード国防次官は声明で「(小型核の実戦配備は)米国の拡大抑止(核の傘)を支え、潜在的な敵に限定的な核使用は何の利点もないことを示す」と説明した。つまり、ロシアや中国が小型核を配備、あるいはその方向に向いているので、米国も小型核の配備が必要なのだということであろう。
しかし、このような戦略は有効か、はなはだ疑問である。
そもそも小型核が開発されたのは、核兵器は破壊力が大きすぎて使用できないからである。小型核、たとえば広島へ投下された原爆の3分の1のエネルギーである5キロトン程度であれば使用可能だと考えられており、今回配備されたのはその程度の威力だとみられている。
しかし、その程度の威力であれば核兵器に頼る必要はない。最近は、通常爆弾でもMOAB(Massive Ordnance Air Blast大規模爆風兵器)など、核兵器と間違われるほど強烈な威力の爆弾が開発されている。しかも、核兵器は小型であっても放射能汚染を起こす。
抑止、つまり、相手が攻撃を仕掛けてくると相手は壊滅的打撃をこうむることを知らせることにより攻撃を思いとどまらせる点では、こちら側は威力が大きい方がより有効であり、小型核による理由はない。
また、実際問題として、敵方が5キロトンならこちら側も5キロトンで対抗することにはならない。今まで世界中の人々が恐れてきたのは、核には核、すなわち、どちらか一方から核攻撃が行われれば、他の一方は核により反撃するしかないということであり、そのような状況において、爆弾の威力を比較することにはならない。小型核にはやはり小型核で対抗するというのは机上の空論に過ぎない。
小型核の配備は政治的な問題も引き起こす。敵方から見れば、米国が小型核を持つと米国から攻撃をしやすくなると思う危険があることだ。そうすると、彼らは核兵器の威力をさらに向上させようとするだろう。つまり、核軍拡競争となる。
米国の核は攻撃用でなく、抑止のためだというのは日本のように米国の同盟国は比較的容易に信じられるが、ロシアや中国は日本のようには考えないだろう。
また、小型核の配備は米ロ間の戦略兵器削減交渉にも悪影響を及ぼす。この交渉は冷戦時代から核の恐怖におびえる世界にとって唯一といってよい前向きの努力であった。この交渉を今後前に進められなくなるとマイナス効果は計り知れない。
小型核は、核不拡散条約(NPT)においても、長年議論され、2000年の再検討会議では「非戦略核兵器(小型核のこと)の削減」が合意されていた。NPTで合意したことを反故にすることがいかに危険か、あらためて述べる必要はないだろう。
日本としては、小型核の配備を深刻な問題として捉えなければならない。そして、この際、核軍拡競争には反対することを表明すべきである。その相手は今回小型核を配備した米国に限らない。すべての国に対して呼びかければよい。
本年4月から5月にかけ、5年に1回のNPTの再検討会議が開かれる。その際にも日本は明確な態度表明が必要となる。
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