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2014.05.15

中ロ合同軍事演習

中国海軍が5月末に予定しているロシア海軍との合同軍事演習については、日中の報道ぶりにかなりの隔たりがある。日本では一部のメディアがそのことを報道しているが、それも大きなスペースではないし、新聞テレビは全体としてほとんど取り上げていない。
一方、中国では解放軍報、新華社電、人民日報などがすでに報道している。香港や外国に本部がある新聞・テレビには、連日のごとく解説者がインタビューに答え、あるいは論評を加えているものがある。

たとえば、5月6日の多維新聞(米国に本部)は、消息筋からの情報として要旨つぎの解説を行なっている。
「今回の中ロ合同演習については、かなり以前から中国側がロシア側に話を持ちかけていたが、ロシア側はいたずらに米国や日本を刺激したくないので中国からの誘いになかなか乗ってこなかった。中ロ両国が合同演習に原則合意したのは2月25日頃であったが、それからも中ロ両国は慎重な構えを崩さず、演習場所については「上海付近」としか言わなかった。
しかし、ウクライナ危機が発生し、また、オバマ大統領のアジア4カ国訪問が確定したことにより、習近平は合同演習が中ロ両国の利益にかなうと判断し、また、オバマ大統領の日本など歴訪に対する反撃としても有効なので、プーチン大統領に対し尖閣諸島の付近で演習を行なうことを提案した。これに対し、それまで慎重であったプーチン大統領も欣然と習近平主席の提案を受諾し、しかも予定されている上海訪問の際にロシアの編隊を連れていくというお土産まで用意した。」

このような情報が正確か、現在のところ判断困難である。実際に演習が行なわれると日本側でも当然その地点を確認するであろうから、一部についてはまもなく分かってくるであろう。演習が開始するのは、プーチンがアジア信頼醸成措置会議に出席するため訪中(上海)する5月20日と同日とも言われている。
中国側では意図的に本件を大きく報道している可能性があるが、誇張気味であっても、中国の尖閣諸島に関する日本との我慢比べの方針に沿っているのであろう。


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