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2013.12.19

米中両艦艇の接近

12月5日、米国のミサイル巡洋艦Cowpensが南シナ海で中国の航空母艦「遼寧」号の付近を航行中に、中国海軍の別の艦艇によって航路を遮られたと報道されたことに関し、米中双方が見解を発表した。米国防省は、このような船舶の接近は異常なことでなく、大事なことは危険が生じた際に当該船舶が国際ルールに従って行動することであると強調するなど、今回の事件を大げさに扱いたくないという態度を示した。また、国務省側は、この事件を重視し、中国側とハイレベルで話し合っていると説明した。これは米中両艦の司令官同士の話し合いであったらしい。
中国側も本件を早く鎮静化させたい意向を示し、中国の船舶は国際ルールを守っていることを強調しつつも、米中双方が友好里に話し合い問題を解決したと説明している。

この事件は米中双方とも大きな問題にしないという姿勢を取ってきたので鎮静化するかに見えたが、19日ヘーゲル国防長官は記者会見で、「中国の艦船が突然Cowpens号の前方100ヤードのところに割り込んできたのは無責任な行為である。アジア太平洋においてこのような事件が起こった場合に対処するために中国と何らかのメカニズムを構築する必要がある」と述べたので、収まりかけていた事件が再燃しそうになった。中国の一部新聞はこのことを報道しているが、ヘーゲル長官は記者会見での質問に答えて発言したものであり、また、重点は危機管理体制の構築の必要性にあったので、さらに問題が大きくなるとは思われない。

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