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2013.06.11

オバマ・習近平会談

オバマ大統領と習近平主席は6月の7および8日の2日間、食事の時間を含めると8時間にわたって話し合った。異例の長さだそうである。尖閣諸島については、会談終了後の記者会見でドニロン国家安全保障補佐官より、「7日の夕食の席でかなり長く話し合われた。米国の立場は、主権問題についてどちらにも味方しないということであり、オバマ大統領は、当事者は緊張を緩和させる努力をすべきである、行動によってでなく、外交チャンネルで会話することを目指すべきである(the parties should seek to de-escalate, not escalate; and the parties should seek to have conversations about this through diplomatic channels and not through actions out of the East China Sea.というラインで発言した)というラインで述べた」と説明した。
菅官房長官は、会談に先立って米国は日本に対し、日本の立場をあらためて説明するよう求めたことに言及しつつ、オバマ大統領は日本の立場を踏まえて習近平主席と話してくれたものと思うという趣旨の発言を行なっている。
日本の報道では、尖閣諸島について安保条約が適用されることが確認されたかがポイントであるとするものがあるが、その点がどうなったか明確になっていない。
それはともかくとして、オバマ大統領の発言は米国の立場を再確認したにすぎないが、日本にとって容易ならざる面を含んでいる。それは日本と中国は「会話を目指すべきだ」と述べている点であり、日本政府は、尖閣諸島については領有権の問題は存在しないとの立場から、中国政府と話し合うべきものでないとしている。この姿勢は米国の希望と合致しないのではないか。
尖閣諸島に関して中国政府と話し合いをすべきだとは思わない。中国の主張があまりに一方的で、理屈に合わないからである。しかし、ただ、話し合いもしないというだけでは第三国から理解されないおそれがある。ではどうするのがよいかであるが、「中国がどうしても尖閣諸島に対する権利を主張するのであれば、国際司法裁判所へ提訴すればよい。日本は受けて立つ」という姿勢を示すべきであろう。これであれば第三国からも、日本は平和的に、かつ積極的に問題解決を望んでいることを理解されるのではないか。


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