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2017.09.25

中国軍内の反腐敗運動

 本HPは9月8日付「中国における軍改革の完成と習近平の絶対体制」で、第19回中国共産党大会の開催を来月に控え、中国軍の改革がほぼ完成し、軍事においても習近平主席に権限を集中させることになったことを紹介した。その中で「最大の難問は軍内の腐敗の除去であり、これは郭伯雄および徐才厚の処断後も継続中である」とだけ記載したが、香港の『明報』紙は9月22日、解放軍のサイトに基づき、取り締まりの現状について数字をあげて次のように報道している。

 「第18回党大会以来、中国軍においては4000件の検挙があり、1万3千人あまりが処分を受けた。そのうち将官クラス(原文は「副軍級以上」)のいわゆる「軍の老虎」は50人強に達している。上将(大将)クラスでは徐才厚、郭伯雄、田修思、王建平、王喜斌の5人が含まれている。
 しかし、問題はまだ多数残っている。中央軍事委員会は9月15日から「巡視組」を派遣して、軍の各機関、各部隊、軍事学校などに派遣して郭伯雄、徐才厚(ともに元軍事委員会副主席で有罪判決を受けた)が残した影響の一掃を図ることになっている。この調査は19回党大会の開催の3日前まで続けられる。」

 中国の軍は共産党の一党独裁体制を支えるかなめであり、また、中国政府が尖閣諸島付近で強硬策を取るのは軍の影響があるからである。
 一方、中国軍は近代的な軍に脱皮しておらず古い体質が温存されている。また、軍人の規律は必ずしも高くないなどの問題がある。腐敗の蔓延はこれら諸問題とも関係している。

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