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2016.06.24

(短文)香港の書店主らの拉致事件

 中国政府に批判的、あるいは現体制にとって危険とみなされた人物が中国の関係当局によって拉致される事件は少なくない。ごく最近(2016年6月)、広東省の烏坎村の主任(村長)の林祖恋が拉致される事件が起こっている。

 2015年10月、香港の「銅鑼灣書店」の店長、店員ら5人が突然失踪し、後に中国当局によって拉致されたことが判明した。
 5カ月後の2016年3月、一部店員が香港へ帰還した。6月には店長の林栄基も帰還したが、店主の桂民海だけはまだとらえられたままである。
 林栄基は記者会見を開き、拘束されたことに関して少し口を開いた。

 銅鑼灣書店員の拉致を指示したのは「中央専案組」である。
 とらえられていた場所は、浙江省の寧波(注 昔から日本と関係が深い町だ)。
 習近平に関する書籍の内容や習近平の「七不講」ノ扱いに関して質問された。これは2013年5月に公表されたもので、普遍的価値、新聞の自由、公民社会、公民の権利、中国共産党の過ち、権貴資産階級(権力と資産を持つ特権階級のこと)、司法の独立の七項目について話すな(書くなということも含まれる)ということであり、習近平政権の特徴である厳しい言論の封殺である。

 今回の事件は、習近平政権の言論統制が香港でも強化されつつあることを示す例として注目されている。

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