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2014.08.30

軍内の習近平派

多維新聞8月30日付は、軍内の習近平派について次のようなことを報道している。

○軍内では許其亮、張又侠、房峰輝、劉源および劉亜洲の「五虎将」が習近平に近い人たちである。これらの人はいわゆる「紅二代」として習近平との関係が密接である。
○10月に開催される四中全会(中央委員会第4回全体会議)でこの5人は中央軍事委員会に入り、許其亮、張又侠および劉源は副主席に、劉亜洲は国防部長に、房峰輝は総参謀長に就任する。副主席にはこのほか劉福廉、総政治部長に張揚、総装備部長に蔡英挺などが就任する。
○劉少奇の子、劉源は習近平の盟友であり(ともに太子党)、現在総後勤部の政治委員として軍内の反腐敗運動に参謀的役割を果たした。その功績は非常に大きい。
○現国防大学の政治委員の劉亜洲は、インタビューに応じ、敏感な問題である政治闘争に言及し、中共政権の命運は清朝末期よりも悲惨である、巨大な内部闘争の危機があるなどと論じた。

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2014.08.29

イスラエル・ハマスの無期限停戦

イスラエルとハマスが長期の停戦に合意したそうだが、両者が直接会って合意したのではないのでわかりにくい。諸報道を合わせてみると基本的な事実関係は次のようである。

○26日、双方は停戦を受け入れると発表した。それまでエジプトが双方に働きかけていたのに応じたものであった。
○今回の停戦合意には、従来のように期限がついていない。「長期停戦」とも言われるが、「無期限停戦」ということらしい。
○双方は交渉に戻ることとなった。ただし、これは発表には含まれておらず、エジプトの政府官員が米国のメディアに語ったことである。
○双方の発表には基本的な問題点の取り扱い争いは含まれていない、つまりイスラエル・ハマス間の関係には言及していないが、イスラエルはガザの封鎖を緩和し、援助物質の国境通過(ガザへの)制限を緩和し、漁業区域を沿岸から6マイルにまで拡大することに合意した。これもエジプトの官員が言っていることである。
○停戦の条件は1か月前と同じで、その時イスラエルは受け入れ、ハマスは拒否した。ハマスにとっては態度を和らげたことになる。なぜ今回合意したのかについては種々解釈されており、ハマスの指導者がイスラエルによって暗殺されるのを恐れたからだという解釈もある。
○今回の停戦について米国はエジプトの努力をたたえているが、米国自身の仲介者としての力は落ちている。ケリー長官はイスラエルに10回以上行って試みたが、成功しなかった。オバマ大統領は就任直後から中東和平の実現を重要視していたが、期待を裏切る結果になっている。
○エジプトでは2013年夏、親ハマスの政権がクーデタで打倒され、今年の6月に反イスラムのシーシ政権が誕生した。

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2014.08.28

プーチン・ポロシェンコ会談

プーチン・ロシア大統領とポロシェンコ・ウクライナ大統領が8月26日、ベラルーシの首都ミンスクで会って握手し、言葉も交わした。今まで伝わってきているのはEUや他の国の代表もいた場所であったが、2人だけで会う可能性もあるという。ロシアからウクライナ領内の親ロシア派への武器・食料などの補給やロシアの落下傘部隊のウクライナ領内での拘束などを巡って高まっていたロシアとウクライナおよび欧米との緊張がこれで緩和されることが期待される。
プーチン大統領が「ウクライナで平和的な話し合いを進めなければ軍事行動だけでは解決しない」と発言したのは、ポロシェンコ大統領に親ロシア派の主張を聞いてやってくれと言ったように聞こえる。ロシアの大統領として当然であろう。問題はロシア領内からウクライナ領への介入が止められるかであり、そのことはロシアとして公式に認めたことはないし、また、今後も止めると言えないが、現実に今後も同様に続けられるのか、それとも抑制されるのか事態を見極めるしかない。
2つ、気になることがある。第1に、ロシアは立場が弱いのではないかと思われる。落下傘部隊についての「国境警備中に云々」を子供だましであり、これでロシアの立場はさらに悪化した。ロシアは米欧日の追加制裁に対して反発しているのは明らかであるが、具体的な対抗措置は嫌がらせのようなものである。ここから先は推測にすぎないが、プーチン大統領としても、親ロシア派とそれを後押しする軍部を無理やりに押さえつけるわけにもいかず、困っているのではないか。
一方、日本との関係では、ラブロフ外相が25日の記者会見で、この秋に予定されていた「プーチン大統領の訪日をウクライナ問題と関連づけていない」と発言した。これはどのような意図か。ロシアとしては、日本がロシアを支持するのは望みえないとしても、米欧と違った対応をすることを期待している。現実にはそれも日本はしないので不満なのであるが、日本がプーチン大統領の訪日を実現させたいことは利用できると考えている可能性がある。これは米国が警戒することであるのはもちろんである。日本はどう対応するのだろうか。

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