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2014.11.01

崔竜海(チェ・リョンヘ)の序列

北朝鮮の朝鮮中央通信は10月29日、平壌に建設された「5月1日競技場」の竣工式を報道する際に、崔竜海(チェ・リョンヘ)国家体育指導委員会委員長を黄炳瑞(ファン・ビョンソ)軍総政治局長より先にあげた。
先般アジア大会閉会式の際に北朝鮮から出席した3人の序列については、黄炳瑞が先であり、次に崔竜海となっていた(10月5日ブログ「ファンピョンソ軍総政治局長の訪韓」)。崔竜海は元来、張成沢処刑の際などにも金正恩の側近として腕を振るった人物である。しかしほどなくして、総政治局長には黄炳瑞が就任し、崔竜海は国家体育指導委員会委員長となったので降格されたという見方がソウルで出ていた。総政治局長は金正恩第1書記に次ぐ序列であるというのは正しいので、そのような見方は常識的であったと言える。ただし、単純に降格されたのでないことについては10月18日のブログ「北朝鮮のサッカーはなぜ強いのか」を見ていただきたい。
しかし、アジア大会から1カ月そこそこの間に、崔竜海はふたたび黄炳瑞より序列が上になり、おそらくナンバーツーになったということである。今回報道されたのは体育施設なので、そのため崔竜海が担当の責任者として黄炳瑞より先に報道された、つまり、指導者としての序列は変わっていないという見方が成り立たないわけではないが、やはり、今回序列が入れ替わったと見るのが常識的であろう。
このような解釈が正しければ、金正恩第1書記は相変わらず激しく高級幹部の人事を動かしていることになる。

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2014.10.30

四中全会コミュニケ全文を読んで

10月28日、四中全会のコミュニケ全文が発表された。24日のブログはコミュニケの要約をもとに書いたが、全文を改めて読んでもブログを変更する必要はないことを確認した。「中国の特色ある社会主义法治」の一語が中国の司法の矛盾を表している。今回のコミュニケは腐敗取締りが進展したことを誇っているが、「中国の特色ある社会主义法治」とは共産党の指導の下にある司法であり、これで国民の信頼を得ることはできるのであろうか。

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2014.10.28

学生デモと香港の経済人

学生による占拠に対し香港の主要経済人がどのような態度を取るか、非常に微妙な問題になっていることを10月25日付の香港『明報』紙が伝えている。たとえば、長和主席の李嘉誠、恒基主席の李兆基、嘉里主席の郭鶴年および九倉主席の吳光正などは占拠を非難することをひかえている。このことを新華社が報道したが、彼らはそのように報道されると中国政府との関係で困るのであろう。中国政府に何らかの働きかけをしたためか、新華社報道はすぐに取り消された。

しかし、中国網などでは”Hong Kong tycoons reluctant to take side amid Occupy turmoil”という題名でこの記事が見られる。この記事は署名入りで、次のような内容である。
「政治協商会議副主席で前香港政府長官の董建華は24日メディアを通して再度占拠を中止するよう呼びかけた。董建華が率いる香港経済人の代表団は占拠が始まる1週間前に習近平と会った。習近平は彼らに対し、財界人は団結一致して中央と特区政府の下にある香港のために力を合わせよりよい未来を創造するよう要請した。
香港でデモに反対している経済人は董建華ら少数である。李嘉誠は10月15日声明を発表し、デモ隊に帰宅を呼びかけ、「みなさん、今日の激情が明日の遺憾になってはならない」と話しかけたが、デモ隊の要求に賛成かどうかについては態度を明確にしなかった。また、李兆基、郭鶴年、吳光正などの大物は一切沈黙を守っている。習近平と会見した人たちの中では董建華のみが24日の記者会見で、香港警察はデモを処理すべきである、しかし、梁振英長官らはそのようにしていないと明確に述べている。」

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