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2016.10.03

(短文)中国「共識網」の閉鎖

 10月3日付の香港紙『明報』によれば、中国のクォリティ新聞サイト「共識網」が強制的に閉鎖された由。同サイトの周志興会長の、「当局は共識網が閉鎖するのを望んでいる。誤った思想を伝えるからだそうだ。仕方がないので閉鎖の準備をしている」というメッセージだけが流れた。
 周志興は以前香港の「フェニックス網」の会長を務め、2003年に「共識メディア」を立ち上げ、『財経文摘』誌、『領導者』誌の社長兼編集長を経て「共識網」の会長となった。妻の喻杉は鄧小平の三女である鄧榕と親しいのと周志興に軍歴があったので、「共識網」は鄧一家と軍内にも支持する者がいた。これまで左、中道、右の記事を掲載してきたが無事であったのはそのような背景があるからだ。
 習近平政権は『炎黄春秋』に引き続き、中央の言いなりにはならないサイトを強制的に閉鎖したのだ。言論の統制強化がまた一歩進んだ。
2016.09.29

(短評)中国ではNGOに共産党員を配置

 中国の民政省は9月18日、NGOを新設する場合共産党支部を設置するよう求めることに決定したと報道されている。既存のNGOの扱いは明確でないが、やはり共産党支部を作らなければならなくなるだろう。
 外から見ると、失礼ながら、中国のNGOはあまり活発に活動しているとは思えないが、中国の指導者にとってはNGOは共産党や政府の指導監督下にないので問題がありうるのだろう。
 習近平政権の言論統制はさらに一歩進み、共産党の一党独裁による専制政治がさらに強化される一方、中国の市民社会は政府から独立の存在でなくなり、統治メカニズムの中に組み込まれることになるのではないか。今後は「NGO(非政府組織)」と呼べなくなるかもしれない。
2016.09.28

(短評)韓国の大胆な接待制限法

 本日(9月28日)、韓国で公務員らに対する金品の授受や会食接待に厳しい制限を科す法律(正式名は「不正請託および金品授受の禁止関係法」)が施行される。会食は1回につき3万ウォン、日本円では3千円弱が上限となるので、これではビジネスランチくらいにしか招待できなくなる。それはとても「接待」と呼べるようなものではない。
 このような法律が制定されたのは社会に不正腐敗の弊が満ちているからだと言われている。いろいろ事情があるのだろう。
 それにしても、この法律制定はずいぶん思い切ったものだと思う。日本ではできないことであり、このように思い切った措置をとれるのは韓国の特徴の一つだ。
 かつて、IT化のために大規模投資をすることとした決定もやはり大胆なものだったが、これは成功し、韓国でのIT化は日本より数歩先に行っている。しかし、今回の措置がITのように積極的な効果を生み出すか、法律は定着するか、これからの推移を見ていく必要がありそうだ。

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