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2016.10.06

シリア―最近の日誌


(2015年末からの大きな動きです。日付は逆に記載しています。網羅的ではありません。)

10月3日、米国は協議の打ち切りをロシアに通告。

9月20日、ローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)は「米国は停戦継続を優先させたいが、ロシアに対し合意の履行に真剣なのかどうかを直接問いただす」との立場を表明。シリア北部で19日に起きた人道支援車両への空爆に関し、シリア軍に停戦を順守させるロシアの義務を踏まえれば「ロシアに責任がある」と指摘。

9月19日、アサド政権は「戦闘停止を終了する」と宣言。シリアの将来をめぐってアサド政権の存続を主張するロシア主導のシナリオが濃くなっていることに反体制派の不満も強まっている。

9月17日、東部デリゾールで米軍がシリア政権軍を誤爆。18日にはアレッポで政権軍による空爆も行われ、再び合意が形ばかりになると懸念された。

9月12日、アサド政権側と反体制派の停戦が発効。

9月10日、米ロはアサド政権と反体制派が停戦することで合意。シリア政府は米国とロシアが仲介した同国の停戦合意を承認した。しかし、反体制派の主要組織はこの停戦計画に慎重な姿勢を見せた。
 米ロが初めて合同でイスラム過激派組織に対する本格的な軍事作戦を実施する可能性も出てきたと言われた。
 
5月4日 米国とロシアは激戦地の北部アレッポでの戦闘を停止させることで合意したと米国務省が発表。
 停戦合意の対象には過激派組織ISのほか、ヌスラ戦線(アルカイダ系)は含まれていない。

4月27日、国連のシリア問題担当のスタファン・デミストゥラ特使は、2月に合意されたシリアでの停戦は「虫の息」だとし、米国とロシアが「首脳レベル」で和平交渉を助けるべきだと訴えた。

2月22日、米国とロシアはシリア時間27日午前0時からの停戦を求めることで合意した。ロシアはアサド政権に、米国は反政権勢力に停戦を守るよう呼びかける。
この枠組み合意にアサド政権と主要な反政府勢力も条件付きで同意したが、ISとアルカイダ系のテロ組織は合意に加わらなかった。 
 戦闘は完全には収束せず、米ロ双方が停戦違反を非難した。
結局、停戦合意は約1か月で破たんした。

2015年12月18日、シリアの和平に関して安保理は決議第2254号を採択した。来年早々に国連がシリア政府と反体制派を集めて和平のための会議を開催し、6カ月以内に暫定政府を樹立し、新憲法の起草を始め、18ヶ月以内に選挙を実施するというロードマップを決定した。
2016.10.03

(短文)中国「共識網」の閉鎖

 10月3日付の香港紙『明報』によれば、中国のクォリティ新聞サイト「共識網」が強制的に閉鎖された由。同サイトの周志興会長の、「当局は共識網が閉鎖するのを望んでいる。誤った思想を伝えるからだそうだ。仕方がないので閉鎖の準備をしている」というメッセージだけが流れた。
 周志興は以前香港の「フェニックス網」の会長を務め、2003年に「共識メディア」を立ち上げ、『財経文摘』誌、『領導者』誌の社長兼編集長を経て「共識網」の会長となった。妻の喻杉は鄧小平の三女である鄧榕と親しいのと周志興に軍歴があったので、「共識網」は鄧一家と軍内にも支持する者がいた。これまで左、中道、右の記事を掲載してきたが無事であったのはそのような背景があるからだ。
 習近平政権は『炎黄春秋』に引き続き、中央の言いなりにはならないサイトを強制的に閉鎖したのだ。言論の統制強化がまた一歩進んだ。
2016.09.29

(短評)中国ではNGOに共産党員を配置

 中国の民政省は9月18日、NGOを新設する場合共産党支部を設置するよう求めることに決定したと報道されている。既存のNGOの扱いは明確でないが、やはり共産党支部を作らなければならなくなるだろう。
 外から見ると、失礼ながら、中国のNGOはあまり活発に活動しているとは思えないが、中国の指導者にとってはNGOは共産党や政府の指導監督下にないので問題がありうるのだろう。
 習近平政権の言論統制はさらに一歩進み、共産党の一党独裁による専制政治がさらに強化される一方、中国の市民社会は政府から独立の存在でなくなり、統治メカニズムの中に組み込まれることになるのではないか。今後は「NGO(非政府組織)」と呼べなくなるかもしれない。

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