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2014.06.30

各地の反体制派

世界各地で政府や秩序に挑戦する人たちがいる。いくつか目立っていることがあるが、大きく「イスラム関係」と「非イスラム関係」に分けることができる。
「非イスラム関係」では、ウクライナ東部の親ロシア派がウクライナからの分離を求めて運動を起こし政府の建物を占拠している。5月25日の大統領選挙が無事終了してポロシェンコ新大統領が就任し、ノルマンディー上陸70周年記念の際にはプーチン大統領とも握手を交わしてウクライナとロシアは話し合いを行なうことになり、山場は越えたとみられたが、東部で抵抗を続けている親ロシア派はウクライナ政府との交渉を拒否し続けている。ポロシェンコ大統領は実力で排除するのを延期したがどうなるか。ここ数日の問題かもしれない。
西バルカンでは、6月28日歴史上有名なサラエボ事件の100周年を迎えたが、オーストリアの皇太子を暗殺したプリンツィプをセルビア人として英雄視し、なにかと政府に反抗する勢力がボスニア・ヘルツェゴビナのなかに今でもいるそうだ。その中心は同国内の「セルビア人共和国」であり、これと「セルビア共和国」は別の国と言ってもなかなか理解してもらえないだろうが。
スコットランド人は、大部分かどうか知らないが、独立したいそうだ。今年の9月18日に住民投票が予定されている。インテリの英国人は顔をしかめて、「バカなこと」と吐き捨てるが、どうなるのか。

「イスラム関係」ではイラクのスンニ派勢力がイラク第2の都市モスルを制圧し、バグダッドに迫る勢いを見せている。マリキ首相の立場には同情を禁じ得ないが、米軍が撤退した後、マリキ首相はせっかく作り上げたシーア、スンニの別のない挙国体制を崩し、スンニ派を追い出してしまった。残念なことである。
攻撃側の中心は過激な「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」であり、2014年6月、かつてフランスと英国が恣意的にイラクとシリアを分けるために引いた国境線の盛り土を破壊し、新イスラム国家建設の烽火を上げた。

中国政府を悩ませている新疆のウイグル族は、一部がテロ活動を起こしている。中国政府は国際的な同情を得るため「テロ」という共通語を使ってその凶悪さを強調しているが、少数民族としての不満と宗教問題も絡んでいる。中国政府は建国以来両方の問題について種々対策を講じてきたが、成功したとは言えない。
最近、イスラム教徒の間には中国が敵だという声が強くなっているという指摘もある。中国も、その友邦パキスタンも、政府はイスラム過激派との関係で困っているようだ。中国企業はアフガニスタンへ進出したいが、そこでは影響力がなく、米軍が撤退すると秩序が壊れることを心配している。パキスタン政府も困っているので頼れない。アフガニスタン政府と中国政府が接近する傾向もあるらしい。カルザイ大統領は12年間の在任中に6回訪中した。アフガニスタンと米国との間からは不協和音が聞こえてくる一方で、習近平国家主席から「古い友人」と呼ばれるまでになった。6月に訪中した際には「もし選び直すチャンスがあるなら、アフガンは効率的な中国式の発展モデルを選ぶだろう」と中国国営中央テレビの取材に答えている。


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