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中国

2014.04.03

腐敗退治と権力闘争

成立して約1年半の間に、習近平政権は腐敗退治に実績を上げてきたと多維新聞(4月1日付)が総括しつつ、恐ろしげな警告も発している。示唆に富む記事である。

「これまでに、谷俊山(人民解放軍総後勤部前副部長)、劉漢(前四川省政治協商会議常務委員、富豪)、徐才厚(前政治局委員、中央軍事委員会副主席)が摘発され、周永康(前政治局常務委員)の摘発について結論が近くなっている。さらに、三峡ダムの董事長・总総経理が免職となったので、前総理・政治局常務委員の李鵬にまで追及が及ぶ可能性が浮上している。」

「習近平がここまでやれたのは、智勇を兼ね備えた王岐山の助力があったこともさることながら、習近平が権力を集中したことがうまく働いたからであった。」

「谷俊山、劉漢、薄熙来の3人は胡錦濤主席の在任中に逮捕され、習近平政権で実質的な審理が開始された。このことから、胡錦濤と習近平の間にはおおよその連携があったことが推測される。一方、徐才厚と周永康を挙げたのは習近平の手柄である。この2人は腐敗者リストの「大トラ」だが、さらに重要なことは、薄熙来と仲間で、かつてともに習近平の追い落としを謀ったことがある。」

「政治局常務委員を摘発すれば、また別の常務委員の摘発が可能となる。周永康を挙げれば、李鵬を追及することが可能となる。李鵬を摘発することは周永康より大きな政治的意味があり、もし1989年の天安門事件の公正な解決まで進めれば、大いに人心を獲得できるだろう。」

「習近平と王岐山の心中は明白である。この人治の傾向が強い中国で、多くの大衆は汚職官僚を恨み、心が晴れるのを望んでいる。ここで大ナタを振るって腐敗を退治すれば、統治を強化できる。権力の座にある人の統治を強化できる。王岐山の「現在の腐敗退治は標榜が主であり、根本的な問題解決のための時間を稼ぐことである」という言葉は意味深長である。」

「習近平と王岐山にとって危険がないわけではない。たとえば、軍隊内部の腐敗退治は軍内の利益集団に関わり、軍隊による政変が起こる可能性がある。また、ハイレベルにまで追及していくと、長老の不満を買う恐れがある。江沢民はすでにそのような声を上げて習近平の動きを阻止しようとしているとも言われる。」

「江沢民がまだ影響力を保持しているか、習近平の腐敗退治が観察点である。周永康は江沢民の側近であり、徐才厚は、2004年、江沢民が胡錦濤に軍事委員会主席の地位をしぶしぶ明け渡す際に副主席として送り込んだものであり、胡錦濤に対する監視と牽制が役目であった。」

「しかし、習近平にとっては年齢が強みであり、江沢民も李鵬もすでに80歳を越しており、年齢には勝てない。」

「習近平がこれからどうのように行動しようと、二つのことを明言できる。もし、腐敗退治を徹底的にやり抜くことができなければ、習近平の威信は傷つき、後に災いが残るだろう。もし一種の運動のように腐敗退治を行ない、「人治」を維持するならば、つまり、政治体制改革を実行しなければ、習近平の任期が終了した後、必ず報復されるだろう。党内の保守派、強硬派、極左および利益集団からの報復である。」



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