2013 - 平和外交研究所 - Page 60
2013.04.19
根本的な問題の一つは、ミャンマーが最近民主化したのはどういう理由からか、であり、具体的には欧米から厳しく制裁措置を受けたためか、制裁措置は本当に効果的であったかなども問われる。
これは過去のことであり、人によっては、それより今後民主化がほんとうに定着し、国内が安定的に成長する条件が備わっていくかということに関心を持つであろう。具体的な問題としては、軍人に特権的議席を認めている反民主的憲法を民主的なものに改正できるか、などもある。
日本には、困難な立場にあるスーチー氏に広く理解はあるようだが、ミャンマーのことを直接経験したことがある人の中でもスーチー氏の評価は分かれている。今後は、幅広い観点からミャンマーの変化と発展を見守っていきたい。この国は変動期にあるだけに固定観念、先入観でものを見ていくと変化の全体像を正しくとらえられなくなる危険がある。
アウンサンスーチー氏の訪日
アウンサンスーチー氏の訪日を機にミャンマーとスーチー氏への関心が高まっており、知りたいこと、はっきりさせたいことがいくつかある。一つは軍事政権時代、日本は欧米のように厳しい制裁を科するのではなく、可能な範囲で援助を継続し、そのためにスーチー氏らから「なぜ援助するのか、援助は軍事政権を支えることに役立つ」という趣旨の疑問を呈され、あるいは批判を受けた。このことをどう考えるかである。根本的な問題の一つは、ミャンマーが最近民主化したのはどういう理由からか、であり、具体的には欧米から厳しく制裁措置を受けたためか、制裁措置は本当に効果的であったかなども問われる。
これは過去のことであり、人によっては、それより今後民主化がほんとうに定着し、国内が安定的に成長する条件が備わっていくかということに関心を持つであろう。具体的な問題としては、軍人に特権的議席を認めている反民主的憲法を民主的なものに改正できるか、などもある。
日本には、困難な立場にあるスーチー氏に広く理解はあるようだが、ミャンマーのことを直接経験したことがある人の中でもスーチー氏の評価は分かれている。今後は、幅広い観点からミャンマーの変化と発展を見守っていきたい。この国は変動期にあるだけに固定観念、先入観でものを見ていくと変化の全体像を正しくとらえられなくなる危険がある。
2013.04.18
一方、白書全体のバランスにも注意が必要である。右に引用した部分は白書の冒頭で世界情勢を述べるなかで出てくるものである。各論では、海上交通の安全確保、通信、補給、ヘリコプター訓練、救助、検査など各種訓練の面で日本を含む他国との協力、さらには東日本大震災における中国チームの救援活動などにも言及しており、全体として反日傾向が強いわけではない。
尖閣諸島問題にこれまで中国軍は直接関与していなかっただけに、日本を名指ししている今回の白書は注目されるが、中国軍が尖閣諸島問題に関して新しい方針で臨んでいると判断はできないと思われる。
中国の国防白書
4月16日、中国政府が2年ぶりに発表した国防白書に「一部の隣国は中国の領土主権と海洋権益に干渉し、問題を複雑化し、拡大させる挙動を行なった」「日本は釣魚島問題でもめ事を起こした」などの記述があり、日本の新聞各紙はかなり大きく、批判的に報道している。たしかに、この国防白書の描写は一方的であり、問題である。日本政府が抗議したのは当然であった。一方、白書全体のバランスにも注意が必要である。右に引用した部分は白書の冒頭で世界情勢を述べるなかで出てくるものである。各論では、海上交通の安全確保、通信、補給、ヘリコプター訓練、救助、検査など各種訓練の面で日本を含む他国との協力、さらには東日本大震災における中国チームの救援活動などにも言及しており、全体として反日傾向が強いわけではない。
尖閣諸島問題にこれまで中国軍は直接関与していなかっただけに、日本を名指ししている今回の白書は注目されるが、中国軍が尖閣諸島問題に関して新しい方針で臨んでいると判断はできないと思われる。
2013.04.16
たしかに中国は北朝鮮の核やミサイルの実験に反対し、不満を表明しているが、中国のメディアを見ると、北朝鮮批判だけで紙面が埋まっているのではなく、北朝鮮に対し一定の理解を示す報道もある。「晨報」という新聞の報道では、上海復旦大学の石源華教授は、朝鮮半島の緊張状態は続いているとしつつも、「北朝鮮だけが挑戦的なのではない」「戦争が起こる可能性は大きくない」「北朝鮮はいろいろ過激なことを言うが、実際の行動は多くない」などと述べ、また、米国の動きとの兼ね合いも指摘している。一方、北朝鮮が対外的に強硬な姿勢を取っているのは国内の不安定が原因だという見方について、この教授は、両者の関連は強くないと述べているそうである。これについては異論が多いかもしれないが、いずれにしても、北朝鮮情勢はこれからも多角的に観察し続ける必要があろう。
北朝鮮に対する中国の見方
最近、中国が北朝鮮に厳しい態度をとるようになっていることに注目する報道が増えており、昨日(4月15日)も某テレビ局で、中国共産党の関係者が「北朝鮮は恩知らずだ」とあからさまに批判するのが報道された。先月国連安保理で対北朝鮮決議を採択するに際して、中国の国連大使が、かつてなかったほどいらついていたと米国の大使が発言したのも記憶に新しい。たしかに中国は北朝鮮の核やミサイルの実験に反対し、不満を表明しているが、中国のメディアを見ると、北朝鮮批判だけで紙面が埋まっているのではなく、北朝鮮に対し一定の理解を示す報道もある。「晨報」という新聞の報道では、上海復旦大学の石源華教授は、朝鮮半島の緊張状態は続いているとしつつも、「北朝鮮だけが挑戦的なのではない」「戦争が起こる可能性は大きくない」「北朝鮮はいろいろ過激なことを言うが、実際の行動は多くない」などと述べ、また、米国の動きとの兼ね合いも指摘している。一方、北朝鮮が対外的に強硬な姿勢を取っているのは国内の不安定が原因だという見方について、この教授は、両者の関連は強くないと述べているそうである。これについては異論が多いかもしれないが、いずれにしても、北朝鮮情勢はこれからも多角的に観察し続ける必要があろう。
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