ブログ記事一覧
2014.01.01
「(朝鮮労働)党内にはびこっていた分派の汚物を除去した」というのは明らかに昨年12月の張成沢国防委員会副委員長などの粛清のことであり、相変わらずの激しく憎悪に満ちた敵意の表明であるが、問題は、粛清がこれからも継続するかである。外部では延々と続くという見方もあるが、山は越えた感がある。
「党内の唯一指導体系を徹底して樹立しなければならない」と述べたのは金正恩自らに対する絶対的な忠誠を訴えたものである。なお、金正恩は軍の操り人形になっているという見方もあるが、そうは思わない。
経済強国の建設や人民生活の向上を強調していること、韓国との関係について「今年は祖国統一問題で新たな前進がなければならない」「北と南は、関係改善のための雰囲気をつくり出さなければならない」などと呼びかけていることも注目される。しかし、この言葉が金正恩の新しい決意を示していると見るべきか、即断できない。金正恩は昨年1月の「新年の辞」でも南北の「対決状態の解消」を訴えたが、翌月に3度目の核実験を強行した。今年も米韓で合同軍事演習が行われるであろう。そうすると北朝鮮は再び反発するだろうが、問題は2013年の春の状況をどう見るかであり、その頃は金正恩が指導者としての権威を確立するのに決定的な時であったとすれば、今年は同じことが繰り返されないと見ることもできる。その意味でも今年前半の展開が注目される。
なお、「新年の辞」は一方で、米国や韓国を警戒するための「防衛力の強化、近代化」を強調している。これには新しい要素が含まれているか。どちらかと言えば、従来からの方針を繰り返したに過ぎないのではないか。
(さらに…)
金正恩第1書記の「新年の辞」
金正恩第1書記の「新年の辞」をどう見るか。「(朝鮮労働)党内にはびこっていた分派の汚物を除去した」というのは明らかに昨年12月の張成沢国防委員会副委員長などの粛清のことであり、相変わらずの激しく憎悪に満ちた敵意の表明であるが、問題は、粛清がこれからも継続するかである。外部では延々と続くという見方もあるが、山は越えた感がある。
「党内の唯一指導体系を徹底して樹立しなければならない」と述べたのは金正恩自らに対する絶対的な忠誠を訴えたものである。なお、金正恩は軍の操り人形になっているという見方もあるが、そうは思わない。
経済強国の建設や人民生活の向上を強調していること、韓国との関係について「今年は祖国統一問題で新たな前進がなければならない」「北と南は、関係改善のための雰囲気をつくり出さなければならない」などと呼びかけていることも注目される。しかし、この言葉が金正恩の新しい決意を示していると見るべきか、即断できない。金正恩は昨年1月の「新年の辞」でも南北の「対決状態の解消」を訴えたが、翌月に3度目の核実験を強行した。今年も米韓で合同軍事演習が行われるであろう。そうすると北朝鮮は再び反発するだろうが、問題は2013年の春の状況をどう見るかであり、その頃は金正恩が指導者としての権威を確立するのに決定的な時であったとすれば、今年は同じことが繰り返されないと見ることもできる。その意味でも今年前半の展開が注目される。
なお、「新年の辞」は一方で、米国や韓国を警戒するための「防衛力の強化、近代化」を強調している。これには新しい要素が含まれているか。どちらかと言えば、従来からの方針を繰り返したに過ぎないのではないか。
(さらに…)
2013.12.31
食の安全、農村の基本経営制度、農産品の質と量および安全、「誰が植えるか(谁来种地)、農村社会の管理の5項目が議題。農民の身分も討議。
24日付の多維新聞によれば、「連続して増産」と言わなかったのはめずらしい、今後食の安全が経済面での最大の課題となることは12月初めに開催された中央経済工作会議でも言われていた、2012年に中国の食糧自給率に重大な問題が現れていたそうである。
○中共中央政治局会議 12月30日
腐敗が主議題であった。表には出ていないが周永康関連が最大の問題か。会議の最後に《党政领导干部选拔任用工作条例》を採択。
○新華社が「軍網」サイトを開設 12月。
○三中全会後、黒竜江、浙江、甘粛省で武警の司令官が交代しており、さらに四川でも調整が行われている。
(さらに…)
中国雑記 2013年末まで
○中共中央農村工作会議 12月23~24日食の安全、農村の基本経営制度、農産品の質と量および安全、「誰が植えるか(谁来种地)、農村社会の管理の5項目が議題。農民の身分も討議。
24日付の多維新聞によれば、「連続して増産」と言わなかったのはめずらしい、今後食の安全が経済面での最大の課題となることは12月初めに開催された中央経済工作会議でも言われていた、2012年に中国の食糧自給率に重大な問題が現れていたそうである。
○中共中央政治局会議 12月30日
腐敗が主議題であった。表には出ていないが周永康関連が最大の問題か。会議の最後に《党政领导干部选拔任用工作条例》を採択。
○新華社が「軍網」サイトを開設 12月。
○三中全会後、黒竜江、浙江、甘粛省で武警の司令官が交代しており、さらに四川でも調整が行われている。
(さらに…)
2013.12.29
靖国神社参拝には日本の戦争指導者を顕彰する意味合いがあるからである。安倍首相は26日の参拝後記者団に対して、「靖国神社参拝はいわゆる戦犯を崇拝する行為だという誤解に基づく批判がある」と語ったと伝えられている。しかし、この説明で世界は納得しないだろう。戦犯を祭っている神社を参拝しておきながら戦犯を崇拝しないと主張することはまったくの矛盾であり、そのような主張が受け入れられるはずはない。
慰安婦、強制徴用などを取り上げない欧米諸国が靖国参拝について安倍首相を批判するのは、参拝の背後にある日本の政治的傾向に懸念を抱いているからである。表面的には、「日本と近隣諸国との関係を悪化させる」と言っているが、中国や韓国に味方することが目的ではない。
欧米諸国がなぜそのように考えるのか。2つの視点から見る必要があると思う。1つは、これら諸国は、戦後日本が変化し、平和を愛好する国家になったことを認めつつも、心のどこかに「日本は危険な脅威になりうる」という気持ちをぬぐいきれないでいることである。日本はいつか核武装するかもしれないという懸念はその最たる例である。日本と欧米諸国の間ではかなりの温度差があり、日本ではいかにして自信を取り戻すかということに国民的関心が向いているのでそのようなことは気が付きにくいが、欧米諸国にはそのような気持があるのである。
もっとも、欧米諸国は、日本の首相が靖国神社に参拝するたびに今回のような批判を行なっているわけではいない。なぜ今回は違っているかと言えば、安倍首相の政治姿勢(の一部)に懸念を抱いているからである。これが第2の視点である。要するに、日本が脅威になりうるという気持ちが払しょくできないところに安倍首相の姿勢が重なって、欧米諸国は靖国神社参拝批判に踏み切ったということである。
さる10月の2+2会議に出席のため来日した米国の国務・国防両長官は千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝した。米国は「無名戦士の墓地に参拝する。靖国神社には行かない」という姿勢を明確に示したのであるが、その意図するところは、「米国は日本軍人の戦没者の慰霊はさせてもらうが、戦争指導者には敬意を表しない」ということであり、その背景には日本との戦争の記憶が残っている。このことを察知しないのはよほどの怠慢であると言わざるをえない。
しかし、安倍首相は靖国神社参拝を強行した。米国としては、重要な同盟国の首相は米国の意見を無視し、日米の同盟関係に過去の敵対関係の影響が及んでくる恐れを顧みずあくまで自己の主張を通そうとしたと「失望」したのではないか。
大事なことは、戦争指導者を顕彰することなく、戦争で命を落とした軍人の霊を敬意をもって慰めることである。安倍首相は一刻も早く問題の深刻さを認識し、真の戦没軍人の慰霊ができる環境を整えるべきである。
(さらに…)
安倍首相の靖国参拝と国際的孤立
安倍首相の靖国神社参拝について中韓両国のみならず米国、ロシア、EU(以下「欧米諸国」)も批判的な反応を示した。具体的な言葉は、米国が「失望した」、ロシアは「遺憾の念」、EUは「慎重な外交を求める」とさまざまであるが、いずれも安倍首相に批判的である。日本にとって由々しき事態である。靖国神社参拝には日本の戦争指導者を顕彰する意味合いがあるからである。安倍首相は26日の参拝後記者団に対して、「靖国神社参拝はいわゆる戦犯を崇拝する行為だという誤解に基づく批判がある」と語ったと伝えられている。しかし、この説明で世界は納得しないだろう。戦犯を祭っている神社を参拝しておきながら戦犯を崇拝しないと主張することはまったくの矛盾であり、そのような主張が受け入れられるはずはない。
慰安婦、強制徴用などを取り上げない欧米諸国が靖国参拝について安倍首相を批判するのは、参拝の背後にある日本の政治的傾向に懸念を抱いているからである。表面的には、「日本と近隣諸国との関係を悪化させる」と言っているが、中国や韓国に味方することが目的ではない。
欧米諸国がなぜそのように考えるのか。2つの視点から見る必要があると思う。1つは、これら諸国は、戦後日本が変化し、平和を愛好する国家になったことを認めつつも、心のどこかに「日本は危険な脅威になりうる」という気持ちをぬぐいきれないでいることである。日本はいつか核武装するかもしれないという懸念はその最たる例である。日本と欧米諸国の間ではかなりの温度差があり、日本ではいかにして自信を取り戻すかということに国民的関心が向いているのでそのようなことは気が付きにくいが、欧米諸国にはそのような気持があるのである。
もっとも、欧米諸国は、日本の首相が靖国神社に参拝するたびに今回のような批判を行なっているわけではいない。なぜ今回は違っているかと言えば、安倍首相の政治姿勢(の一部)に懸念を抱いているからである。これが第2の視点である。要するに、日本が脅威になりうるという気持ちが払しょくできないところに安倍首相の姿勢が重なって、欧米諸国は靖国神社参拝批判に踏み切ったということである。
さる10月の2+2会議に出席のため来日した米国の国務・国防両長官は千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝した。米国は「無名戦士の墓地に参拝する。靖国神社には行かない」という姿勢を明確に示したのであるが、その意図するところは、「米国は日本軍人の戦没者の慰霊はさせてもらうが、戦争指導者には敬意を表しない」ということであり、その背景には日本との戦争の記憶が残っている。このことを察知しないのはよほどの怠慢であると言わざるをえない。
しかし、安倍首相は靖国神社参拝を強行した。米国としては、重要な同盟国の首相は米国の意見を無視し、日米の同盟関係に過去の敵対関係の影響が及んでくる恐れを顧みずあくまで自己の主張を通そうとしたと「失望」したのではないか。
大事なことは、戦争指導者を顕彰することなく、戦争で命を落とした軍人の霊を敬意をもって慰めることである。安倍首相は一刻も早く問題の深刻さを認識し、真の戦没軍人の慰霊ができる環境を整えるべきである。
(さらに…)
アーカイブ
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年10月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月