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2019.08.05
7月31日の共同通信はロイター通信を引用しつつ、「米政府高官は30日、日本による対韓輸出規制強化など一連の日韓対立を巡り、現状を維持し新たな措置は取らない状態で交渉する協定への署名を求める仲介案を提示したと明らかにした」と伝え、また、「ポンペオ国務長官は8月1日にタイ・バンコクで予定する日米韓外相会談で、河野太郎外相と韓国の康京和外相と仲介案について協議する見通しだ」と報道した。
しかし、31日午前、菅義偉官房長官は記者会見で、米政府高官が日韓に仲介案を提示したとの一部報道について「そのような事実はない」と述べた。
共同通信は「仲介案」があったとし、菅官房長官はそれはなかったとしたので、両者の説明は、この点では矛盾している印象があるが、実は、みかけほど異なっていない面もある。
米国は今回の規制強化措置について米国の考えを日韓両国に示していたことである。日本と韓国は米国にとって重要な同盟国であり、東アジアの安全保障戦略にとって両国の協力が不可欠でり、米国としては日韓両国が仲たがいをしてもらっては困る、一刻も早く関係を改善してもらいたいと考えており、米国がそうしたのは当然であった。
このことについて菅氏の説明はよほど注意して聞かないとわからない。記者会見では「米国との間では、わが国の一貫した立場や考えを累次伝達し、常日頃から緊密に連携している」、「今後もわが国の立場に対し、正しい理解が得られるように努める」とだけ語ったからであるが、その中に、米国は「仲介する用意がある」という態度を示したことは言及されていなかったが、含まれていたと思う。
一方、韓国の文在寅大統領は、米国が「仲介の用意がある」という姿勢を見せたと明言した。文氏は2日午後、臨時の閣僚会議を開き、安倍政権が輸出手続きを簡略化できる「ホワイト国」のリストから韓国を外す政令改正を決めたことについて、「とても無謀な決定であり、深い遺憾を表明する」と語ったうえ、「米国が状況をこれ以上悪化させないよう交渉する時間を持つよう求めた提案に、日本は応えることはなかったと非難した」のである。
「米国が状況をこれ以上悪化させないよう交渉する時間を持つよう求めた」との言及が米国の姿勢を示していた。しかも、文氏は「日本はその提案に応えることはなかった」とまで語ったことは見逃せない。
韓国の大統領が発言したことがいつも正しいわけではない。しかし、この発言は事実を反映していたと思う。もし、文氏が日本政府の対応について誤った言及をしたのであれば、日米両国から抗議され、是正を求められるからである。
要するに、米国は日韓両国に対して、関係改善のためともに努めるよう求めたのであり、そのことについてわが官房長官は、文氏が具体的ま表現で説明したのとちがって、ごく一般的な形で触れただけであったのだ。
ちなみに、2日、バンコクで行われた河野太郎外相、ポンペオ米国務長官、韓国の康京和(カンギョンファ)外相間の会談についても、日本政府は米国が仲介する用意があるという趣旨の発言はなかったと説明した。河野外相は記者から、「ポンペオ長官のご発言について,両国で話し合いをして問題解決に向けて努力してほしいということなのですが,これはポンペオ長官が間に入って何か仲介をするというものでは・・」と問われたのに対し、「違います。別に仲介とかなんとかということではなくて,両国の問題は両国で話し合って解決してください,ということでした。」と述べている。
要するに、日本政府の口からは、輸出規制強化措置に関して、米国政府が日韓関係を心配しているようなことは一切出ないのであるが、それでも日本政府の姿勢には危惧を覚えてならない。
理由の一つは、かりに米国と日本の考えや立場が違っていても、日本政府はそのような違いを国民に説明してくれるか安心できないからである。
もう一つの理由は、日本政府が2日に第二弾の規制強化措置を取った後、米国から強い懸念を示す声が聞こえてきたからである。米国務省当局者の共同通信に対する、「日韓対立について双方が関係改善に責任がある。ここ数カ月間に2国間の信頼を傷つけた政治的決断には反省が必要だ。日韓関係が悪化すれば、双方が結果に苦しむことになる。米国はこの問題に関与し続け、両国の対話を支援する用意がある」との発言である(3日の共同通信)。
この発言は、米国の日韓両国の態度についての見解を率直に語っているだけでなく、日本政府に対する非難めいた言及も含んでいたと思う。もちろん、共同通信のこの報道が完全に正しいか、検証は必要である。
ともかく、今回の規制措置強化を機に著しく悪化した日韓関係を両政府はどのように改善する考えなのか。韓国政府は措置の撤回を求めているのに対し、日本政府はどう応えるのかが問われるが、残念ながらどちらからも対応策は見えてこない。
かりに、日韓関係が今のような状態を続ければ、米国が不満を募らせるのは不可避であろう。
韓国に対する輸出管理厳格化と米国の姿勢
韓国に対する輸出管理厳格化措置を米国はどのように見ているか、また、日韓両国の間に立って仲介を試みる考えはあるか。関連の報道や説明は注意深く聞く必要がある。7月31日の共同通信はロイター通信を引用しつつ、「米政府高官は30日、日本による対韓輸出規制強化など一連の日韓対立を巡り、現状を維持し新たな措置は取らない状態で交渉する協定への署名を求める仲介案を提示したと明らかにした」と伝え、また、「ポンペオ国務長官は8月1日にタイ・バンコクで予定する日米韓外相会談で、河野太郎外相と韓国の康京和外相と仲介案について協議する見通しだ」と報道した。
しかし、31日午前、菅義偉官房長官は記者会見で、米政府高官が日韓に仲介案を提示したとの一部報道について「そのような事実はない」と述べた。
共同通信は「仲介案」があったとし、菅官房長官はそれはなかったとしたので、両者の説明は、この点では矛盾している印象があるが、実は、みかけほど異なっていない面もある。
米国は今回の規制強化措置について米国の考えを日韓両国に示していたことである。日本と韓国は米国にとって重要な同盟国であり、東アジアの安全保障戦略にとって両国の協力が不可欠でり、米国としては日韓両国が仲たがいをしてもらっては困る、一刻も早く関係を改善してもらいたいと考えており、米国がそうしたのは当然であった。
このことについて菅氏の説明はよほど注意して聞かないとわからない。記者会見では「米国との間では、わが国の一貫した立場や考えを累次伝達し、常日頃から緊密に連携している」、「今後もわが国の立場に対し、正しい理解が得られるように努める」とだけ語ったからであるが、その中に、米国は「仲介する用意がある」という態度を示したことは言及されていなかったが、含まれていたと思う。
一方、韓国の文在寅大統領は、米国が「仲介の用意がある」という姿勢を見せたと明言した。文氏は2日午後、臨時の閣僚会議を開き、安倍政権が輸出手続きを簡略化できる「ホワイト国」のリストから韓国を外す政令改正を決めたことについて、「とても無謀な決定であり、深い遺憾を表明する」と語ったうえ、「米国が状況をこれ以上悪化させないよう交渉する時間を持つよう求めた提案に、日本は応えることはなかったと非難した」のである。
「米国が状況をこれ以上悪化させないよう交渉する時間を持つよう求めた」との言及が米国の姿勢を示していた。しかも、文氏は「日本はその提案に応えることはなかった」とまで語ったことは見逃せない。
韓国の大統領が発言したことがいつも正しいわけではない。しかし、この発言は事実を反映していたと思う。もし、文氏が日本政府の対応について誤った言及をしたのであれば、日米両国から抗議され、是正を求められるからである。
要するに、米国は日韓両国に対して、関係改善のためともに努めるよう求めたのであり、そのことについてわが官房長官は、文氏が具体的ま表現で説明したのとちがって、ごく一般的な形で触れただけであったのだ。
ちなみに、2日、バンコクで行われた河野太郎外相、ポンペオ米国務長官、韓国の康京和(カンギョンファ)外相間の会談についても、日本政府は米国が仲介する用意があるという趣旨の発言はなかったと説明した。河野外相は記者から、「ポンペオ長官のご発言について,両国で話し合いをして問題解決に向けて努力してほしいということなのですが,これはポンペオ長官が間に入って何か仲介をするというものでは・・」と問われたのに対し、「違います。別に仲介とかなんとかということではなくて,両国の問題は両国で話し合って解決してください,ということでした。」と述べている。
要するに、日本政府の口からは、輸出規制強化措置に関して、米国政府が日韓関係を心配しているようなことは一切出ないのであるが、それでも日本政府の姿勢には危惧を覚えてならない。
理由の一つは、かりに米国と日本の考えや立場が違っていても、日本政府はそのような違いを国民に説明してくれるか安心できないからである。
もう一つの理由は、日本政府が2日に第二弾の規制強化措置を取った後、米国から強い懸念を示す声が聞こえてきたからである。米国務省当局者の共同通信に対する、「日韓対立について双方が関係改善に責任がある。ここ数カ月間に2国間の信頼を傷つけた政治的決断には反省が必要だ。日韓関係が悪化すれば、双方が結果に苦しむことになる。米国はこの問題に関与し続け、両国の対話を支援する用意がある」との発言である(3日の共同通信)。
この発言は、米国の日韓両国の態度についての見解を率直に語っているだけでなく、日本政府に対する非難めいた言及も含んでいたと思う。もちろん、共同通信のこの報道が完全に正しいか、検証は必要である。
ともかく、今回の規制措置強化を機に著しく悪化した日韓関係を両政府はどのように改善する考えなのか。韓国政府は措置の撤回を求めているのに対し、日本政府はどう応えるのかが問われるが、残念ながらどちらからも対応策は見えてこない。
かりに、日韓関係が今のような状態を続ければ、米国が不満を募らせるのは不可避であろう。
2019.07.31
中国の親日派には、「親日」、「哈日」および「精日」の3種類がある。
「親日」は、日中友好を重視し、日本に好意を持つ人たち(こと、以下同)である。「親日」はその時々の政治情勢によってその意味合いが変化し、「親日」であることを隠そうとすることもあろうが、基本的には否定されているわけではない。
「哈日」は、日本のアニメや服装、J-POP、電化製品など、日本の文化を好む人達を指す。元々台湾で現れた現象であったが、最近は香港や中国でもかなり増えている。「哈日」は中国でも事実上黙認されているという。
「精日」はごく最近(二、三年前から?)現れた人たちであり、日本の軍国主義に関心を持ち、称揚する。
「日本の軍国主義」は現在の中国が目の敵にしていることであり、「精日」というような中国人が本当にいるのか、にわかには信じられないだろうが、実際に存在することを『多維新聞』のこの報道が示している。
日本通として知られる王毅外相は、「精日」のことを「中国人のクズ」と非難したという。中国の立場に立つとそう見るのはもっともであろう。
「精日」については次のような問題行動が指摘されている。
南京大虐殺記念館で中国人同胞を侮辱する内容の言葉をネットに流し、また拘留された(2018年2月)。
旧日本軍の軍服を着用して写真を撮った。
国外において反中国的な漫画を配布した。
中国国外から反中国思想を国内に吹き込み、中国の青年に「精日」集団に加わるよう誘った。
ネット上で非合法な組織を立ち上げ、日本の軍国主義の浸透を図った。
「精日」はごく少数だといわれている。また、日本人から見ても特異な行動であるが、非合法化が検討されていること、中国各地で一斉取り締まりの対象となっていることなどにかんがみれば、無視できないほどの問題になりつつあるのかもしれない。
中国における3種類の親日派
7月28日、中国各地で「精日」と呼ばれる親日派の一斉摘発が行われたと、在米の中国語紙『多維新聞』が29日に伝えている。各地とは、遼寧、安徽、湖北、江蘇の各省である。中国の親日派には、「親日」、「哈日」および「精日」の3種類がある。
「親日」は、日中友好を重視し、日本に好意を持つ人たち(こと、以下同)である。「親日」はその時々の政治情勢によってその意味合いが変化し、「親日」であることを隠そうとすることもあろうが、基本的には否定されているわけではない。
「哈日」は、日本のアニメや服装、J-POP、電化製品など、日本の文化を好む人達を指す。元々台湾で現れた現象であったが、最近は香港や中国でもかなり増えている。「哈日」は中国でも事実上黙認されているという。
「精日」はごく最近(二、三年前から?)現れた人たちであり、日本の軍国主義に関心を持ち、称揚する。
「日本の軍国主義」は現在の中国が目の敵にしていることであり、「精日」というような中国人が本当にいるのか、にわかには信じられないだろうが、実際に存在することを『多維新聞』のこの報道が示している。
日本通として知られる王毅外相は、「精日」のことを「中国人のクズ」と非難したという。中国の立場に立つとそう見るのはもっともであろう。
「精日」については次のような問題行動が指摘されている。
南京大虐殺記念館で中国人同胞を侮辱する内容の言葉をネットに流し、また拘留された(2018年2月)。
旧日本軍の軍服を着用して写真を撮った。
国外において反中国的な漫画を配布した。
中国国外から反中国思想を国内に吹き込み、中国の青年に「精日」集団に加わるよう誘った。
ネット上で非合法な組織を立ち上げ、日本の軍国主義の浸透を図った。
「精日」はごく少数だといわれている。また、日本人から見ても特異な行動であるが、非合法化が検討されていること、中国各地で一斉取り締まりの対象となっていることなどにかんがみれば、無視できないほどの問題になりつつあるのかもしれない。
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