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2013.07.30

習近平の大衆重視

習近平新政権は成立直後から事あるごとに「人民」を強調し、2012年12月に、「視察は随行者を減らし、簡素にし、大衆による送迎を用意せず、歓迎の絨毯を敷かず、花を飾らず、宴席を設けない。会議や発言は短くし、空論や決まり文句を厳しく戒める。交通規制を減らし、通常の場合道路の封鎖や公共の場からの人々の退去や施設の閉鎖をしない。」など官僚としての紀律向上を求めた「八項規定」を制定し、「大衆路線」を重視してきた。さる6月18日には「大衆路線教育実践会議」を開催し、大衆路線の重要性をあらためて強調するとともに、「形式主義、官僚主義、享楽主義および贅沢」という4つの傾向と戦うと決意を示し、「大衆路線は党の生命線」とまで言いきったが、実際には改革は遅々として進まず、官僚、学者さらには民衆からも批判や疑問が出ている。以上は海外の中国語サイト「多維新聞」に出ている論評であり、習近平改革の実が上がっていないどころか、民衆からも嘲笑の的になっていると論じている。次のような小話が広がっているそうである。

指導者:あなたがもっとも偉大だ。
大衆:本当?
指導者:あなたは英雄だ。歴史はあなたが作った。
大衆:本当?
指導者:私はあなたの公僕だ。全身全霊であなたのために働く。
大衆:本当?
指導者:あなたの利益がすべてであり、私の利益などない。
大衆:本当?
指導者:私はあなたと密接に連携し、あなた方のなかへ入っていきたい。
大衆:それではあなたが大衆になり、私が指導者になるのがよい。
指導者:それは絶対に駄目だ。

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2013.07.29

中国海警局の発足

中国は7月22日、海上警備機能を統合した「中国海警局」を発足させたと新華社電が伝えた(23日)。
 これにより、従来「五龍」と呼ばれていた、武装警察の海洋辺防部局(海警)、国家海洋局の監督船(海監)、交通部中国海事局(日本の海上保安庁にあたる)の巡視船(海巡)、農業部漁政局の監視船(漁政)および税関の麻薬取締警察(海関)が統合されることになった。この5つの部局はたがいに意地を張り合うなど仲が良くなかったと言われており、かねてからその統合方針が示されていた。
 5つの系統の統合により、全体としての機能は強化され、それなりに尖閣諸島にも影響があろうが、以前からの問題がほんとうに解消されるかもう少し様子を見ていく必要があろう。
 この統合により、これまで武装が許可されていなかった部局も武装できるようになり、中国の武装船舶数は増加すると言われている。中国の各紙(環球時報、解放軍報など)はそのようなコメントを掲載しているようである。
 海軍はこの海警局とは今後も別組織であろう。したがって、今回の統合は非軍事部局間の組織再編成である。

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2013.07.28

朝鮮戦争休戦60周年

7月27日は朝鮮戦争休戦60周年。ピョンヤンで軍事パレードが開催された。
崔竜海朝鮮人民軍総政治局長が、現在のもっとも喫緊の課題は経済文化建設を進め、人民の生活水準を向上させることであると述べたのは興味深い。第一に、金正恩第一書記は演説を行わなかったので、崔竜海総政治局長の演説が北朝鮮を代表していたからである。第二に、経済建設と人民生活の向上を最重要視したのは、今年の春、北朝鮮がきわめて好戦的であった姿勢を改めた(実際は、いったん止めた程度かもしれない)際に、金正恩が経済建設と核開発を同列において重視している姿勢を示したのとも異なっているからである。第三に、このように経済建設の重要性のみに重点を置いた演説を軍の政治局長が行ったからである。

北朝鮮の対外姿勢は短い期間内にかなり激しく変化している。これは金正恩第一書記があれこれ注文を付けているためではないか。想像にすぎないが。

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