平和外交研究所

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朝鮮半島

2017.01.06

(短評)日韓関係悪化の原因は日韓双方にある

 韓国では昨年末、釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置され、一時は取り払われたが、結局設置が認められた。
 日本ではやはり昨年末、稲田防衛相が靖国神社に参拝した。
 どちらも日韓関係を損なう行為だと思う。両国とも関係を悪化させるようなことは控え、改善に全力を挙げるべきだ。

2017.01.04

(短評)金正恩委員長の新年の辞

 金正恩北朝鮮労働党委員長が1日に行った「新年の辞」で目立ったことが2つあった。

 1つは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射準備が最終段階に入ったと明かしたことだ。
 昨年、北朝鮮は核実験を2回、ミサイルは各種の実験を合計10回以上行い、そのため各国から非難され、国連では制裁決議を複数回受けた。
 金正恩委員長のICBM発射実験への言及に米国はとくに刺激されるだろう。トランプ氏は「北朝鮮にそのようなことはさせない」と得意のツイッターで述べたそうだ。

 もう1つの注目点は、金正恩委員長が祝辞を述べるに際し、テレビカメラの前で深々とお辞儀をし、また、「能力が追い付いていないという遺憾と自責の中で昨年一年を送ったが、今年はもっと奮発して全身全力を尽くし、人民のためにもっと多くのことを遂げるという決心をした」とし、「真の忠僕、忠実な手足になることを新年の朝に盟約する」と話したことだ。
 このように穏やかで、かつ国民思いの姿勢を示したことは初めてである。これについては、いままで恐怖の政治をしてきたが、国民の支持を失うと金正恩委員長の立場が危うくなるので下手に出たという見方もあるようだが、むしろ逆であり、自信の表れだと思う。

 あえて推測してみると、金正恩委員長は次のようなことを重視しているのではないか。
○核とミサイルの実験は、途中、部分的な失敗もあったが、全体としては成功であった。核と経済成長の2本柱路線は今後も維持するが、経済成長にとって障害となる制裁措置がさらに強化されないよう努める。
○韓国では朴槿恵大統領が国民の支持を失い、窮地に陥っている。朴槿恵大統領が辞任してもしなくても、韓国は北朝鮮に対して強硬姿勢をとらざるをえないだろう。自分(金正恩)が物分かりのよい、合理的な人物であることをアピールするよい機会だ(注 新年の辞で朴大統領に言及したのも初めてである)。
○米国との関係では、北朝鮮を敵視する政策を止めさせ、平和条約交渉を実現することが今後も目標である。トランプ氏は、北朝鮮との話し合いに応じる可能性がある。

 金正恩委員長が今年の「新年の辞」で見せた比較的穏やかな姿勢が今後長きにわたって維持される保証はない。方向転換することもありうるが、今後の北朝鮮をウォッチしていく上で一つのポイントになると思われる。

2016.12.20

(短評)朴槿恵大統領の答弁書

 韓国国会での朴槿恵大統領の弾劾決定を審理している憲法裁判所に大統領側から提出された答弁書が12月18日、公表された。チェ・スンシル被告などとの関連で責任を追及されている諸点に関し、訴追には根拠がなく、一連の疑惑はすべて事実でないと主張する内容だそうだ。

 大きく言って、一つの前置き、二つの感想がある。
 前置きしたいのは、答弁書が提出されたからと言ってその内容が正しいと思っているわけではないことである。誤りだと決めつけるのでもない。内容の正誤を判断するのはもちろん韓国の憲法裁判所だ。
 
 第一の感想は、これまで韓国で起こった反大統領デモや国会での弾劾などにおいては、推測や噂かもしれないことを理由に大統領の退陣が要求され、弾劾の決定まで行われた印象が強かったところ、答弁書はまさにそのことを問題とし、反論していることである。前置きで述べたように弾劾が正当か、答弁書が正しいか、今の時点でどちらかに軍配を上げるのではないが、両方の意見が正式に提示されたことに一種の満足感がある。これまでは沈黙を続ける大統領に対する一方的な攻撃の連続であった。

 第二に、日本の立場から見た感想だ。前任の李明博大統領、さらにその前の盧武鉉大統領は朴槿恵大統領の現在の状況と同じころ、つまり任期の終了を間近に控えて日本に対して非友好的な行動を取った。
 李明博氏は2012年の8月、韓国の大統領として初めて竹島へ上陸した。
 盧武鉉大統領はやはり2005年の5月、ドイツを訪問して日本の国連常任理事国入りに反対を表明し、さらに日本をナチスドイツと同様に批判しようと共同宣言を持ちかけ、逆にドイツ政府から猛批判・猛反発を受けた。
 これに比べ、朴槿恵大統領の対日姿勢は、就任当初は日本に厳しかったが、今は日本との協力を重視するようになっている。
 国家指導者の行動には複雑な理由があるので、結果だけを単純に比較すべきでないのはもちろんであり、朴槿恵大統領も欧州訪問に際して日本に対して厳しい発言をしたが、日本の利益の観点からすれば朴槿恵大統領は高く評価できる面がある。だから不名誉な辞任に追い込まれることなく任期を全うすることを望みたい。

 ここには言及しない重要な問題、たとえば朝鮮を植民地としたことについては日本として責任がある。またそのことには複雑な事情が絡んでいる。そういうことはわきに置いたうえでの感想だ。

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