平和外交研究所

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2013.04.19

アウンサンスーチー氏の訪日

アウンサンスーチー氏の訪日を機にミャンマーとスーチー氏への関心が高まっており、知りたいこと、はっきりさせたいことがいくつかある。一つは軍事政権時代、日本は欧米のように厳しい制裁を科するのではなく、可能な範囲で援助を継続し、そのためにスーチー氏らから「なぜ援助するのか、援助は軍事政権を支えることに役立つ」という趣旨の疑問を呈され、あるいは批判を受けた。このことをどう考えるかである。
根本的な問題の一つは、ミャンマーが最近民主化したのはどういう理由からか、であり、具体的には欧米から厳しく制裁措置を受けたためか、制裁措置は本当に効果的であったかなども問われる。
これは過去のことであり、人によっては、それより今後民主化がほんとうに定着し、国内が安定的に成長する条件が備わっていくかということに関心を持つであろう。具体的な問題としては、軍人に特権的議席を認めている反民主的憲法を民主的なものに改正できるか、などもある。
日本には、困難な立場にあるスーチー氏に広く理解はあるようだが、ミャンマーのことを直接経験したことがある人の中でもスーチー氏の評価は分かれている。今後は、幅広い観点からミャンマーの変化と発展を見守っていきたい。この国は変動期にあるだけに固定観念、先入観でものを見ていくと変化の全体像を正しくとらえられなくなる危険がある。

2013.04.16

北朝鮮に対する中国の見方

最近、中国が北朝鮮に厳しい態度をとるようになっていることに注目する報道が増えており、昨日(4月15日)も某テレビ局で、中国共産党の関係者が「北朝鮮は恩知らずだ」とあからさまに批判するのが報道された。先月国連安保理で対北朝鮮決議を採択するに際して、中国の国連大使が、かつてなかったほどいらついていたと米国の大使が発言したのも記憶に新しい。
たしかに中国は北朝鮮の核やミサイルの実験に反対し、不満を表明しているが、中国のメディアを見ると、北朝鮮批判だけで紙面が埋まっているのではなく、北朝鮮に対し一定の理解を示す報道もある。「晨報」という新聞の報道では、上海復旦大学の石源華教授は、朝鮮半島の緊張状態は続いているとしつつも、「北朝鮮だけが挑戦的なのではない」「戦争が起こる可能性は大きくない」「北朝鮮はいろいろ過激なことを言うが、実際の行動は多くない」などと述べ、また、米国の動きとの兼ね合いも指摘している。一方、北朝鮮が対外的に強硬な姿勢を取っているのは国内の不安定が原因だという見方について、この教授は、両者の関連は強くないと述べているそうである。これについては異論が多いかもしれないが、いずれにしても、北朝鮮情勢はこれからも多角的に観察し続ける必要があろう。

2013.04.14

ケリー国務長官のアジア歴訪

ケリー国務長官が韓国、中国、日本を順次訪問するなかで、北朝鮮問題にもっとも影響力のある中国がさらに北朝鮮への働きかけを強くすべきであるという、米国のかねてからの方針がいっそう強調された感はあるが、新味はない。北朝鮮に最も影響力があるのは、とくに安全保障に関する限り、中国でなく、米国である。これが最も基本的なことであるが、米国はそこに焦点を当てようとしない。それは、米国に世界戦略があり(中東が大変)、また、核戦略に影響を及ぼしたくないからである。それは米国としてまことにもっともなことであるが、北朝鮮に関する限り、核心に迫ることはできないのも明らかである。米国の高官はケリー長官に限らず、中国に不満を強めているという。それはごく当たり前のように聞こえるかもしれないが、実はお門違いだ。

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