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2013.10.08

旭日旗に対する韓国の反発

2013年9月、競技場などで旭日旗を掲げた者に懲役刑や罰金刑を科す法案が韓国議会に提出された。旭日旗については最近韓国で、あるいは海外で韓国系の人たちによって問題視されることが多く、ナチス・ドイツのハーケン・クロイツと同様の政治的意味があるとか、日本のかつての「帝国主義」を象徴するとか、言われており、また、日韓間で問題になったケースはスポーツに限らず、文化的な催しにも広がっている。具体的な諸例はウィキペディアの「旭日旗」の項をご覧になることを勧めたい。
一方、太陽の光が周囲を照らしている状況を図柄にすることは日本に限らず、世界各地で昔から行なわれており、韓国人がそれをどのように嫌悪しようともなくならないであろう。また、韓国の主張が最近行われるようになったものであり、説得力に欠けるという指摘も行なわれている。しかし、日本側でも旭日旗を掲げて反韓デモの行進を行なっており、韓国人をいたずらに刺激している面もある。
全体の状況はかなり複雑であるが、このような問題に対して政府は冷静に対処すべきであり、国民の感情をあおるようなことは厳に慎むべきである。また、個人としては、理屈はともかく、韓国では旭日旗を嫌う傾向があるのも現実であることを忘れないほうが不必要な摩擦を避けるのに重要であろう。

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2013.10.07

倪玉蘭弁護士の釈放

中国の人権活動家、倪玉蘭弁護士が2年半の拘禁から釈放された。同氏は強制収用などから住民を守る活動をしていたために当局に逮捕され、暴行を受けたために両足に障害が残り、現在も車いす生活である。同氏自身強制収用の被害者であり、釈放後も北京市公安局西城分局に対して財産の返還、賠償などを要求していくと外国の報道機関に語っている。
以上のことを海外の中国人新聞である多維新聞が報道している(10月6日)。
同氏の逮捕については米政府も懸念し、2011年2月、Gary Locke駐中国大使が、「米国は同氏とその夫の逮捕およびその健康状態、彼らの娘の法の手続きによらない(extrajudicial)軟禁を懸念しており、夫妻の釈放とその家族への制限を解くことを訴える(call on)」との声明を行なった経緯がある。
中国で拘束されている人権活動家や民主化運動家は他にも多数いるが、関心を持って見守っていきたい。

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2013.10.06

米国務・国防長官の千鳥ヶ淵墓苑訪問

日米両国間の外務・防衛協議(2+2)に出席のため来日中のケリー国務長官とヘーゲル国防長官が10月3日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で献花、黙祷した。米国の閣僚がこの墓苑を訪問するのは初めてか、かりにあっても異例だと言われている。
政府首脳が外国を訪問した際に、相手国の戦没者慰霊碑(名称は国によって異なるが)を訪問し、献花するのはよくあることで、日本に来る外国人も同様である。
外国人が戦没者に敬意を払う場所は、大きく分けて、靖国神社、千鳥ヶ淵戦没者墓苑、それに東郷神社や乃木神社など特定の人物を祭っている神社の三つがある。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑は身元の分からない遺骨を納めてある墓苑であり、各国では無名戦士の墓地と呼ばれていることが多い。当然それは全戦没者のうちに一部分であるので、全戦没者の慰霊施設で献花、黙祷したいと希望する場合もある。
そのような人たちは靖国神社に参拝することもあるが、そこへは行かないという人もある。
ニクソン大統領も断ったそうだ。行かない理由は、同神社が先の大戦で戦争指導した人たちを祭っているからである。
東郷神社や乃木神社への参拝は各国の軍人に多く、米国の軍人もよく参拝に訪れている。
今回のケリー・ヘーゲル両長官の千鳥ヶ淵戦没者墓苑への訪問、献花・黙祷は、米国の指導者として日本の戦没者には敬意を表しているが、戦争指導者を祭っている靖国神社へは行かないという意味である。
日本国内には、靖国神社のあり方について異なる意見があるが、米国政府の指導者が戦没者慰霊の在り方に関して明確な意思表示をしたことは正しく受け止める必要がある。

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