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2013.10.06

米国務・国防長官の千鳥ヶ淵墓苑訪問

日米両国間の外務・防衛協議(2+2)に出席のため来日中のケリー国務長官とヘーゲル国防長官が10月3日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で献花、黙祷した。米国の閣僚がこの墓苑を訪問するのは初めてか、かりにあっても異例だと言われている。
政府首脳が外国を訪問した際に、相手国の戦没者慰霊碑(名称は国によって異なるが)を訪問し、献花するのはよくあることで、日本に来る外国人も同様である。
外国人が戦没者に敬意を払う場所は、大きく分けて、靖国神社、千鳥ヶ淵戦没者墓苑、それに東郷神社や乃木神社など特定の人物を祭っている神社の三つがある。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑は身元の分からない遺骨を納めてある墓苑であり、各国では無名戦士の墓地と呼ばれていることが多い。当然それは全戦没者のうちに一部分であるので、全戦没者の慰霊施設で献花、黙祷したいと希望する場合もある。
そのような人たちは靖国神社に参拝することもあるが、そこへは行かないという人もある。
ニクソン大統領も断ったそうだ。行かない理由は、同神社が先の大戦で戦争指導した人たちを祭っているからである。
東郷神社や乃木神社への参拝は各国の軍人に多く、米国の軍人もよく参拝に訪れている。
今回のケリー・ヘーゲル両長官の千鳥ヶ淵戦没者墓苑への訪問、献花・黙祷は、米国の指導者として日本の戦没者には敬意を表しているが、戦争指導者を祭っている靖国神社へは行かないという意味である。
日本国内には、靖国神社のあり方について異なる意見があるが、米国政府の指導者が戦没者慰霊の在り方に関して明確な意思表示をしたことは正しく受け止める必要がある。


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