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2022.02.28

ウクライナの危機を救う国連決議

ウクライナの政府・軍はロシア軍による侵攻を受け、劣勢に立たされている印象が強い。ロシアによる宣伝の影響もあろうが、ウクライナが危機的状況にあることに変わりはないようだ。そんななか、米英の国防当局による「ウクライナ軍の抵抗は強く、ロシア軍は兵站の問題もあり苦しんでいる」との発表は一縷の望みを抱かせる。
 
 国連で待ちに待たれた決議に向けて動き始める可能性が出てきた。安全保障理事会では拒否権のため実質的な内容の決議は成立しないが、総会では決議の採択が可能であり、現在その方向で動いているのである。もちろん安易に楽観的になることはできない。決議は成立すると決まっているわけでない。成立したとしても、その内容いかんが問題となる。そのような不確実性はあるが、国連総会の緊急特別会合が40年ぶりに開催されることになったことの意義は大きい。

 この会合が開かれれば、総会としての決議採択を目指すことになる。総会決議には拒否権は認められていないので大多数の国連加盟国の意思に沿った決議が採択されると見てよい。
 
 総会緊急特別会合は現地時間(米国東部時間)で2月28日の予定なので、日本では3月1日中に決着がつく。会合が紛糾して長引くことはありうるが、決議が近日中に採択されると期待してよいだろう。

 国連総会決議が採択されると、各国はウクライナ情勢の鎮静化、平和の回復のため行動を取りやすくなる。NATOが今まで動いていないのはNATOの憲章(大西洋憲章)上、ウクライナがNATOの加盟国でないことが基本的な制約であったが、国連決議が採択されると、米欧諸国は国際法的なお墨付きを得て行動することが可能となる。

 これまで国連の決議を実行するためにNATOはユーゴスラビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、マケドニア、イラク、アフガニスタン、リビアなどで行動した。すべてNATOの域外である。

 軍事顧問の派遣、装備の支給などはもちろん、NATOの戦闘機が爆撃したこともあった。そこまで決議の解釈として行えたのだ。

 仮にウクライナに関して決議が成立すれば、人道上の理由からの緊急行動、平和の回復・維持のための行動として戦闘機が出動することも可能となる。具体的な様相を予想するのは困難だが、国連決議はウクライナ問題を解決する大きな糸口となりうる。

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