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2013.06.16

在日外国人に対する法の壁、心の壁

田中宏氏が最近『在日外国人-法の壁、心の壁 第三版』を出版した。在日外国人はここ二、三年はやや減少気味であるが、大きな傾向としては着実に増加しつつあり、現在、ざっと210万人の外国人が登録している。つまり、旅行者でない外国人滞在者がそれだけいるということである。
当然、日本の社会、国民生活に善悪両方の影響が及ぶが、重要なことは、人間が国境を越えて移動することは世界の趨勢であって、そのなかから異なる国民、異なる民族間に理解が生まれ、親しみが増すことであり、そのような趨勢に背を向ければ、その逆の結果になる。つまり、仲良くなれない、ということである。国家が友好的な関係を維持するには、そのような人々の間の親しみの感情を大切にすることが基礎となる。
しかるに、日本人は外国人に対して基本的には友好的であるが、政府となると必ずしもそうではなく、また、日本の法律や慣習に忠実に行政を行なう結果、外国人に対しては友好的でなくなることがある。この認識を持つことはきわめて重要である。
具体的にどのようなことが起こっているか、田中氏の著作はその経験に基づき、正確に、実証的に教えてくれる。同氏は、キャリアの大半を恵まれない外国人のために研究し、奔走してきた。同氏は日本の良心である。


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