平和外交研究所

8月, 2013 - 平和外交研究所 - Page 8

2013.08.12

習近平、毛沢東思想と鄧小平理論を語る

習近平が最近行った講話で、毛沢東思想と鄧小平理論を統一する必要があると述べている。
どこで、どのような会議であったか、政治局常務委員会会議であった可能性もあるが、詳細は分からない。新浪網のブログが報じたが、すでに削除されている。
その講話のなかで習近平は次のようなことを述べているが、これをどう解釈するのか問題である。少なくとも、改革開放の大方針の下でさらに経済建設を進めていくだけでなく、革命性を重視した毛沢東の思想からかい離してはならないと語っている。また、習近平の強調してきた大衆重視に反対する考えがあることにも明確に言及している。
「どのように毛沢東と鄧小平を統一するか。鍵は「民主」である。
理論の停滞(「被動」でこれは「受け身」が通常の訳であるが、「受け身になる状況」を指すこともある。最近よく使われる)が政治の停滞にならないようにすることは、現在の党建設および党の理論建設における喫緊の課題である。
党外の一部の人間は、ふたつの三十年を使って我々の理論、路線を否定しようとしている。はなはだしきはさらに進んで我々の政治体制を否定しようとしている。
党内の一部同志は、自身の理論水準の至らなさのため、あるいは、各種の官僚主義、官僚主義的意識のため、意図的に二つの三十年を分裂させ、毛沢東思想と鄧小平理論の有機的統一を妨げようとしている。
もし、毛沢東思想とその歴史的地位を否定すると、天下は大乱になる。
一部の人は、「維穏(秩序維持)」の旗印の下に党員幹部や党を批判する大衆を抑圧している。これはよくない。
毛沢東は我々の党の変身を憂慮し、党が人民大衆の頭の上に乗る反動政党、官僚資本主義政権になることをおそれていた。
我々は、まず毛沢東思想と鄧小平理論から回答を探さなければならない。」

2013.08.11

集団的自衛権行使に日本の裁量権はあるか

日本は、集団的自衛権の行使はできないという解釈は変えたほうがよいとは思うが、海外では自衛権の行使要件を緩やかに認める傾向があり、その関連で、明確にしておかなければならないことがある。
米国のアフガニスタンのタリバン政権攻撃は、自衛権の行使であることを安保理は認めた。では、かりに日本が自衛権を行使できるとして、同様の場合に、日本は米国のタリバン政権攻撃に参加することになるか。
参加しないという結論であるにしても、どのような理由によるのか。
一つの決定的な問題は、米国が自衛権発動として行動している場合に、日本は参加するかしないかについて裁量権があるかである。

2013.08.09

ソ連は「憲政」に敗れたか

環球網(人民日報系)の評論「今日」第307期(8月6日)は「ソ連は憲政のために滅びたか」をテーマとする特集を掲載した。
(はじめに)「最近、二つの文章が注意を引いた。一つは王小石の「中国が動揺すればソ連よりひどいことになる」であり(新華網で発表)、もう一つは人民日報に掲載された馬鐘成の「「憲政」の本質は一種の世論戦の武器である」である。馬論文は、重点は「憲政」にあるが、ソ連は西側から浸透してきた考えである「憲政」に敗れたとみなし、巧みに「憲政」と「ソ連解体」という二つのホットな言葉を関連づけており、国内のいわゆる「憲政派」に警戒を呼び掛け(提醒警惕)ている。では、ここで、ソ連は果たして「憲政」に敗れたのか、我々はこのことから何を見てとるのか、考えてみたい。」
(そして分析を続け、最後に次の結論で締めくくっている)
「「中国が動揺すればソ連よりもひどくなる」。この句は最近インターネットではやっている言葉であり、多くの人が中国とソ連の状況を比較している。ソ連の解体以来、学会で「ソ連はなぜ解体したか」について熱心な討論が行なわれてきたことがあらためて注目される。馬鐘成の文章は、ソ連は「憲政」という西側の考えに敗れたとするが、我々は次のように考える。すなわち、ゴルバチョフの「憲政」改革はたしかに最後の一撃となったが、ローマは一日で成ったのでなく、ソ連も一日で崩壊したのではなかった。改革の機会を逸したことによりソ連とソ連共産党は病膏肓に入ってしまったのである。「憲政」がソ連を破壊したというのは、あまりにも粗雑で単純化した説明であり、その背景にあった病変にはわれわれが教訓とすべきことがあったのは明らかである。」

日本人の目からして、内容もさることながら、このような議論があること自体興味あることであり、それは何を意味しているか考えたくなる。最近の「憲政」論争をもって中国政治に深刻な問題が発生していると判断するのは早すぎるが、さらに注目していく必要がある問題である。

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